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[新人戦]攻撃的な魅力を存分に発揮。愛工大名電が選手権出場校・東邦に4-2で撃ち勝つ

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後半39分、途中出場のFW神田修希(2年、17番)がダメ押しとなる4点目をマーク

[2.5 愛知県新人大会準決勝 東邦高 2-4 愛工大名電高 CSアセット港サッカー場]

 令和4年度愛知県高校新人大会準決勝が5日に行われ、選手権出場校の東邦高愛工大名電高が対戦。FW高木和(2年)のハットトリックなどで4点を奪った愛工大名電が4-2で勝利し、東海学園高との決勝(11日)に駒を進めた。

「パスを繋ぐよりも、ゴールに向かって行く方が面白い。見に来た人も0‐0の試合よりも、今日みたいにたくさん点が入る試合の方が面白い」。宮口典久監督の言葉通り、相手コートでほとんどの時間を過ごす攻撃的なサッカーが、愛工大名電が目指すスタイル。ボールを持ったら素早く前方に展開し、選手がどんどんスペースに飛び出して行く。同時に失ったら素早く高い位置でプレスをかけて、奪い返す。中盤の選手も、絶えずセカンドボールの回収を狙う。そうした魅力が存分に出た試合となった。

 ファイナル進出に立ちはだかったのは、昨年の選手権予選も同じ準決勝で敗れた東邦。「とにかく目の前の試合勝って、次の決勝に進むという気持ちが強かった。FCフェルボール愛知時代のチームメイトも多いので、絶対に負けたくない気持ちも強かった」(MF亀山敦貴、2年)。そうした意気込みを示すように、立ち上がりから勢いよく相手ゴールに迫ると、前半8分には亀山のパスから左サイドのスペースを抜け出した高木が先制点をマーク。17分にもDF蒲池陽汰(1年)が自陣からクリアボールを蹴り入れると、最後は高木が決め、2点差とした。

 追い掛ける展開を強いられた東邦も、このまま引き下がれない。競り合いの強さと落ち着いた守備対応で違いを見せた要注目のDF朴勢己(2年)を中心に守備を立て直しつつ、前線ではU-16日本代表の経験を持つFW森一琉(2年)が上手さと軽やかな身のこなしを活かしたドリブルを見せ、反撃の機会を伺った。35分には、森が右サイドからゴール前に入れたパスをFW清水悠希(1年)が決めると、後半3分にはFW山端寧生(1年)が自ら得たPKを決めて試合を振り出しに戻した。

 追い付かれても、愛工大名電の選手に動揺は見られない。「今年のチームがスタートしてから、負けたのは大学生に1度だけ。ヴェルディユースと試合をしても、3-3で終わった。ゼルビアユースも0-2から追い付いたり、失点することに抵抗がない」(宮口監督)のが強み。失点したら取り返せば良いと言わんとばかりに、ピッチ内で声を出し、再び攻撃のギアを上げていく。

 すると、13分に高い位置でボールを奪ったFW後藤梨久(2年)から、高木がゴール。39分には途中出場のFW神田修希(2年)がダメ押しとなる4点目を奪った。守備もDF桒山鉄人(2年)、DF大野想空(2年)のCBコンビを中心に最後までテンションを落とさずに凌ぎ、愛工大名電が4‐2で勝利した。

 近年の愛工大名電は、関東の強豪に交じって、U-16リーグの「スポラボ・ルーキーリーグ」に参加。1年生の早い段階から、90分ゲームや連戦を経験し、走力とメンタルが鍛えられているのが特徴で、愛工大名電が志向するスタイルに磨きがかかっている。
 
 また、「根本的な人間性の部分で、走るのが嫌だなと下を向く奴は少ない」(宮口監督)のも特徴でどんな場面でも明るく元気に前向きに頑張れるため、チームとしての勢いも十分だ。2019年度の選手権初出場に続く、タイトルの予感は漂っている。選手たちも手応えは十分で、亀山は「次も絶対に勝ちたい。新人戦、インターハイ、選手権の3冠を達成して、卒業したい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)

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