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[MOM4210]愛工大名電FW高木和(2年)_抜け出すことは「当たり前」の快足。シュート磨いて愛知準決勝で3発

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愛工大名電高FW高木和(2年=愛知FC U-15出身)は持ち前のスピードを活かしてハットトリック

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.5 愛知県新人大会準決勝 東邦高 2-4 愛工大名電高 CSアセット港サッカー場]

 積極的にゴールを目指すサッカーをしているため、特徴的なFWを持ったストライカーが毎年入学してくるのが愛工大名電のカラー。今年の2トップを組むFW後藤梨久(2年)とFW高木和(2年)も例外ではなく、県外でも通用するだけのポテンシャルを秘めている。

 中でも、宮口典久監督が高く評価するのが、「小さい頃は鬼ごっこが凄く好きで、走っていました」と口にする高木。6秒を切るほどのスピードで50mを走る快足の持ち主で、指揮官は「特に高木和は飛び抜けていると思う。あのスピードは止まらないと思います。ここからの1年目で磨いていったら、ステージが高くなっても、やれるんじゃないかと思う」と太鼓判を押す。

 延長戦の末、1‐2で敗れた昨年の選手権予選と同じ顔合わせになった一戦にかける想いは十分。ただ、「リベンジの気持ちを強く持ちすぎると変に緊張してしまうので、リラックスして挑みました」と口にする高木は、「自分が点を獲って、チームを勝たせるつもりで、走ろうと思っていた」と試合開始と共に惜しみなく、快足を飛ばして東邦DFの背後へと抜け出して行く。チームメイトもボールを持ったら、積極的にスペースへと配球するなど後方支援も万全だった。

 ファーストチャンスは、前半7分。クリアボールを相手エリアでMF亀山敦貴(2年)が受けると、素早く左前方のスペースに展開。素早く抜け出した高木は「抜け出した時にGKがずっとニアに立っていた。ファーが空いていたので、思い切って振り抜きました」と冷静にゴールネットを揺らした。

 17分には、DF蒲池陽汰(1年)のクリアボールを左サイドで受けると、ドリブルでゴール前まで前進。「1点目にファーを狙っていたのでGKがそこを警戒して、股が空いていたので、狙いました」と上手く相手の隙を突いて、2点目を奪った。その後は同点に追い付かれたが、後半13分には右サイド高い位置でボールを奪った後藤のパスをゴール前で合わせ、3点目をマーク。高校に入って公式戦初となるハットトリックで、チームの勝利を引き寄せた。

 活躍ぶりの通り、裏への抜け出しはピカイチ。宮口監督から「抜け出すことはお前にとって、当たり前。どの相手でも抜け出せるから、あとはシュートだ」と言葉をかけられたことで、シュートを打つ際は複数のコースを選択肢として持ち、状況に応じて適切なコースへと流し込めるよう意識しているという。また、昨年の選手権予選を経験したことで、大舞台でも動じなくなっているのも、今日の活躍に繋がっている。

 高木は中学時代、愛知FC U-15に所属。「裏に蹴って、走るプレースタイルが自分に合っていると思って選びました」という愛工大名電では体幹が強くなり、持ち味のスピードが更に速くなったという。チームでは昨夏の遠征からスタメンに定着。最終学年を迎えた今年は、憧れの選手として挙げるフランス代表のFWキリアン・ムバッペ(パリSG)のようなチームを勝たせるストライカーとして、活躍が期待される。

「今年は新人戦、インターハイ、リーグ戦、選手権の全てでタイトルを獲りたい。次の決勝も自分が点を獲って、チームを勝たせたい」。そう口にするように、本人もエースとしての自覚は十分。次の決勝でも快足を活かして大暴れし、チームに歓喜を引き寄せる。

(取材・文 森田将義)

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