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[新人戦]後半残り3分から2発。選手層の厚み示した東海学園が中京大中京に逆転勝ち

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逆転勝ちを喜ぶ東海学園高の選手たち

[2.5 愛知県新人大会準決勝 中京大中京高 1-2 東海学園高 CSアセット港サッカー場]

 令和4年度愛知県高校新人大会準決勝が5日に行われ、中京大中京高東海学園高が対戦。試合終盤の2ゴールによって、2-1で東海学園が勝利した。

 昨年の選手権予選準決勝と同じ顔合わせとなった一戦は序盤から、互いにハイプレスでボールを奪い、見せ場を作った。先にチャンスを作ったのは、新チームになってから「相手がどうしてくるかに対して、判断とプレーを正確にできるよう追い求めてきた」(鈴村真平監督)という中京大中京。「精神的な部分で凄く頼れる存在になりました」と指揮官が評する技巧派レフティーのMF清田空(2年)を中心に連携から相手ゴールへと迫った。

 前半19分には、MF小木曽功(2年)のスイッチから清田がシュート。26分には清田が遠目からが絶妙なコースを突いたロングシュートを放ったが、クロスバーに嫌われた。チャンスを作りながらも、1点が遠い展開となったが、36分にはDF那須琳斗(2年)の右CKが直接ゴールネットに吸い込まれ、中京大中京が先制した。
 
 追い掛ける展開となった東海学園は前日の準々決勝で勝利し、インターハイ予選のシードが確定したため、スタメン全員を入れ替えての一戦。定位置獲得に意気込む選手も多く、MF近藤煌晃(2年)はこう振り返る。「大きくメンバーが変わっても、今まで自分たちがやってきたことをしっかり出せるように話し合うことが大切だと思っていた」。失点はしたものの粘り強い守備で、ゴール前まで持ち込ませずにいたため、「やることはちゃんとできているから、やり続けようとなった」(近藤)。

 後半7分にはMF大橋航太郎(2年)のクサビを受けた清田がシュート。11分には中央でキープした清田が左に展開し、那須が切り返しから上げたクロスをFW松崎大雅(2年)が頭で合わせるなど、後半も中京大中京のペースで試合が進んだが、東海学園はDF竹原優斗(2年)とDF蔭山舞斗(2年)を中心に最後の局面で自由を与えず、2点目を与えない。

 後半の終盤に差し掛かると東海学園は5人を入れ替え、反撃を開始。「フレッシュなパワーが入ってきてくれた」(近藤)効果は、すぐさま結果として実る。37分にクリアボールが相手ゴール前に入ると、中京大中京の守備陣がもたついた隙を逃さなかった途中出場のFW江藤遼馬(1年)がゴール。40+4分には、DF百崎蒼太(1年)の右クロスがゴール前でこぼれると、FW今井悠椰(2年)が押し込み、直後にタイムアップ。残り5分を切ってからの追い上げによって、東海学園が2‐1で勝利した。

 東海学園にとって楽な試合展開ではなかったが、これまで持ち味を発揮できなかった選手が存在感をしっかり示せたのは大きな収穫。近藤はこう口にする。「しっかり勝つことで、東海学園の選手層の厚さをしっかりアピールできた。色んなメンバー変更があった中で勝ち切れた経験を、来週への大きなジャンプ台にしたい。決勝でもそのスタメンで出られるように、来週からの練習を大切にしたい」。

「ゲームをある程度、支配してもなかなか点が入らないのが、この3年ぐらいの課題。そこを乗り越えようとずっとやってきたので、今日勝てたのは大きい」。鶴田道弘監督の言葉通り、昨年の選手権予選決勝を筆頭に思い通りにゴールを奪えずに涙を飲んできたチームにとっても価値のある1勝だったことは間違いない。厚みを増した選手層と高まったチーム力を武器に、東海学園は決勝でも白星を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)

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