[2.11 NEXT GENERATION MATCH 横浜FMユース 2-2 日本高校選抜 国立]

「マリノスのサポーターとかもいる前でプレーできたのは楽しかったですし、2アシストという結果が出せたのは良かった」

　“古巣”相手に2アシストの活躍だ。日本高校選抜のMF野頼駿介(桐光学園高3年)は横浜F・マリノスジュニアユース出身。左サイドで先発した野頼は、対面の横浜FMユース右SB舩木大輔(2年)に2度3度と仕掛け、かわして決定機を演出していた。

　相手は高校1年時に2歳年上のU-18日本代表候補に選出されるなど世代トップクラスのSBだ。「小学校から中学校まで一緒にやっていて、その時は自分が抜けるという感じではなかったですけれども、(相手が)一個下ということもあるので、試合前から(今日こそは)『ちぎってやろう』と思っていたのでちぎれて良かった」。やり切れなかったシーンもあったが、年上の意地を見せ、注目DFを苦しめた。

　その野頼は前半5分、MF徳永涼(前橋育英高3年)からのクロスを「(小湊)絆が見えたんで落とす感じでした」と1タッチで右前方へ落とす。これで抜け出したFW小湊絆(青森山田高3年)が切り返しから左足シュートを決めて先制点。そして、1点を追う後半途中から右SBへポジションを移した野頼が大仕事をしてのける。

　1-2の後半40+1分、左中間のMF徳永涼(前橋育英高3年)が右コーナー方向へ展開。「自分が右SBに入って高い位置取るというのは攻撃的に行く時の形として少しあった」という野頼がエンドライン際で追いつき、1タッチでマイナスのラストパスを送る。これを交代出場FW塩貝健人(國學院久我山高3年)が左足でゴールへ押し込み、値千金の同点ゴールとなった。

　野頼が所属する桐光学園は、選手権神奈川県予選準決勝で敗退。野頼は憧れの選手権で国立競技場の舞台に立つことができなかった。だが、技術力や強さ、万能性を備えたMFは評価されて日本高校選抜に選出。海外遠征メンバーに生き残るためには、選手権で活躍した選手たちを上回るような活躍、結果が必要だと考えていた。

　ここまでの活動では結果を残すことができていなかった。だがこの日、国立競技場で存在感のある動きを見せて2アシスト。「この選抜のチームで自分はまだ得点とかアシストとかできていなかったので、その部分では今回アシストできたので良かったです」。それでも、勝負はここから。「今後はドイツ(遠征メンバー)に選ばれるように、明日の(練習)試合も、デンソーカップ(チャレンジ)でも活躍してドイツで活躍したいです」。この日、“古巣”相手に印象的な活躍。選手権出場を逃した悔しさもぶつけ、欧州で活躍するチャンスを勝ち取る。

(取材・文　吉田太郎)

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