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“小湊絆”を証明する開始5分の鮮やかゴール! 日本高校選抜で実力者や旧友から刺激受け、さらなる成長へ

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FW小湊絆(左)が先制ゴール

[2.11 NEXT GENERATION MATCH 横浜FMユース 2-2 日本高校選抜 国立]

 最後の選手権から一か月、その成長の証をゴールで示した。日本高校選抜のFW小湊絆(青森山田高3年)は開始5分、敵陣内で華麗なフェイントから先制ゴール。「切り返して早めにシュートを打つということを意識した。うまくいってよかった」と手応えを語った。

 青森山田の10番は、最後の選手権で不発に終わった。準々決勝で神村学園高に敗れ、国立競技場まであと一歩のところで敗退。試合後、小湊の目からは悔し涙があふれた。プロに向かう意識を高く持ち、来春からは法政大へ。その前に高校選抜で強い刺激を受けながら、短期間で成長を続けている。

 実力者が揃う高校選抜では、これまで以上にやるべきことが洗練されたようだ。「自分がゴール前で集中できる環境が整った。本当に高いレベルでやれているので、要求したところにボールが来る。さらに学べる活動になっています」。研ぎ澄まされた得点感覚は、NEXT GENERATION MATCHでも発揮された。

 開始5分、高校選抜は右CKから攻め立てるが、敵陣内でボールを収められずに一旦マイナス方向に戻す。MF徳永涼(前橋育英高3年)が右サイドからクロス。MF野頼駿介(桐光学園高3年)がワンタッチでゴール前に流すと、PA右に転がったボールに反応したのは小湊だ。

 PA右から右足を振り上げた小湊だが、相手GKとDFのプレスを察知して切り返す。すかさず左足でゴールに流し込み、先制点を挙げた。「あそこで転がってくることが運。運を引き寄せるだけの努力はしてきた。選手権で悔しい思いをしましたし、そこからの努力で運を引き寄せた」。試合後、磨き続けた天性の嗅覚を謙虚に語った。

 先制した高校選抜は、その後2失点を喫して一時逆転を許す。だが、途中出場のFW塩貝健人(國學院久我山高3年)が後半アディショナルタイムに同点ゴールを挙げ、2-2のドローに終わった。

 小湊は塩貝の活躍にも刺激を受ける。ともに横浜FCジュニアユースで研鑽を積んだ仲。塩貝の急成長には「自分にはできないようなことをできる選手になっていた」と印象を語る。2トップを組んだ時間は30分足らずだが、「あいつのやりたいことや性格はなんとなく理解しているつもり。生かしてあげたり、生かしてもらったり、あいつとならアドバンテージができる」。高校時代にも連絡を取り合っていた“ライバル”コンビが、ともにゴールという結果を残した。

 高校選抜にはまだ活動が残されている。2月末からはデンソーカップチャレンジで大学屈指の選手と対戦。4月には欧州遠征も控える。小湊はともに戦う仲間たちを「すぐ身近にいるお手本のような存在」と表現。「プロの誘いを断って進学を選んだ選手もたくさんいて、圧倒的なエネルギーや能力を感じられる。自分が目指す場所に近い選手がいるので、そこで刺激をもらいたい」。プロへの道筋を確かめて、成長速度をさらに上げるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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