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昨年は34大会ぶり出場のインハイで8強。湘南工科大附のエースMF中山陽輝は「もっと積極的に」ゴールへ

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湘南工科大附高FW中山陽輝(2年=FC厚木DREAMSジュニアユース出身)は45分間のみの出場だったが、日本高校選抜相手にキープ力を発揮

[2.12 練習試合 日本高校選抜 6-1 神奈川県選抜U17]

 伝統校のエースは今年、より結果にこだわる。湘南工科大附高は昨夏、激戦区・神奈川県予選を勝ち抜き、34大会ぶりのインターハイ出場。前身の相模工大附高時代に2年連続で選手権3位に入った歴史を持つ伝統校は、プリンスリーグ九州の九州国際大付高(福岡)、プレミアリーグWESTの履正社高(大阪)に勝ち、8強入りを果たした。

 そのチームで2年生ながら10番を背負っていたのが、MF中山陽輝(2年=FC厚木DREAMSジュニアユース出身)だ。室井雅志監督が「独特な感覚を持っている子。(よりゴールへ向かう姿勢が出れば)怖いし、面白い選手になると思う」と評していた2年生エースは、抜群のキープ力を発揮するなど、ボールを大事に攻めるチームの中心選手として奮闘。初の全国舞台だったが、神奈川県内の強豪と大きな差を感じなかったという。

 だが、全国大会ではノーゴール。「去年出ていたんですけれどもゴールとか取らなきゃ上とかに見られないと思う。去年、結果あまり残せていなかったので、もっと積極的に狙っていけたらと思います」と意気込んでいる。

 神奈川県選抜U17に選出された中山は12日、練習試合で日本高校選抜と対戦。ここでも「全然、やれるなと思いました」と再確認した。左サイドで落ち着いてボールを収め、前を向いてドリブル。崩しに係るシーンもあった。
 
 だが、足元でボールを受けるシーンが多く、ゴールに近い位置でプレーする回数はわずかに。「もうちょっとゴールの意識高くできれば良かった」。また、相手のプレッシャーの速さの前にミスする場面もあり、仕掛ける回数を増やせなかったことも反省していた。

「普段からこういう強度でやれていないし、もうちょっと首を振ったり、普段からできれば良い」。昨夏のインターハイで先発を経験したのは、中山だけ。全国大会や日本高校選抜と対戦した経験を湘南工科大附に伝え、練習を重ねながら強いチームを構築していく考えだ。

 1学年上の先輩たちは歴史を塗り替え、選手権予選でも35年ぶりの決勝進出を果たした。だが、決勝は延長戦の末、日大藤沢高に惜敗。「決勝でも日藤の方が勝つ気持ちが大きかったというか。全国に行きたいという気持ちがあった。そういう部分も今年は声をかけて変えられたら良いと思います」。今年は湘南工科大附の目指すスタイルをより洗練させると同時に、勝つことへの姿勢もより求めていく。

「『去年たまたま』って言われないようにやっていきたい。もちろん全国は出たいです。一試合一試合全部勝っていかないといけない」。どの試合でもストロングポイントの突破、ゴールで伝統校を引っ張り、勝たせること。そして、2年連続のインターハイ出場、1980年度以来となる選手権へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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