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伝家の宝刀、火を噴くカウンター。関西大北陽、自慢の速攻で古都の新鋭を退ける:近畿

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後半5分、関西大北陽高MF守田康馬が先制ゴール

[2.18 近畿高校選手権1回戦 関西大北陽高 2-0 京都共栄高 葛城市新庄第1健民運動場]

 18日、第75回近畿高等学校サッカー選手権大会が奈良県内にて開幕し、近畿6府県を代表する16校がノックアウト方式で激突した。葛城市新庄第1健民運動場では、関西大北陽高(大阪3)と京都共栄高(京都2)が対戦。前半は初出場の京都共栄が優位に試合を進める時間帯もあったが、後半に関大北陽が得意のカウンターから2得点。2-0で古都の新鋭を退け、近畿8強へ名乗りをあげた。

 京都共栄は初出場ながら京都府予選で京都橘高を3-0と撃破し、決勝の東山高戦も1-1からのPK戦までもつれ込む激闘を演じている今年期待のチーム。映像を観た関大北陽・矢田竜之監督も「セットプレーが非常に強いし、手強い相手」と警戒を深めて試合に入った。

 どちらもシンプルなロングボールを活用しつつ、球際勝負に活路を見出す形のチーム同士。関大北陽MF田中悠矢(2年)が「チームのやり方はお互いに似ている」中での攻防となったが、「前半は相手のほうがより徹底されたチームだった」(田中)ことで劣勢の時間帯も少なくなかった。取り消されたものの、京都共栄には幻のゴールも二つ生まれており、FW森谷祐大(2年)を先頭にパワフルな攻勢をかける京都共栄に対し、関大北陽は「相手の良い循環にハマってしまっていた」(田中)。

 ただ、この前半を0-0で折り返したことで関大北陽に流れがやってくる。久々の公式戦だったことで生まれていた硬さも緩和された後半は、「ずっと練習していること」(田中)だという得意のカウンターが炸裂した。

 まずは後半5分だった。相手のロングスローを跳ね返した流れから一気呵成の速攻を仕掛ける。「全員が分かっている」という矢田監督の言葉どおり、左サイドで田中がボールを持つと瞬時に全体が前掛かりになってゴール前へ人数をかける。左サイドを単騎でぶち抜いた田中からのクロスに、長い距離をしっかり走っていたボランチのMF守田康馬(2年)が見事に合わせ、先制点を奪い取る。

 後半15分、京都共栄はCKからDF鈴木達哉(2年)がヘディングで狙う後半最大のチャンスを生み出したが、ここは関大北陽GK西川央将(2年)がビッグセーブでCKへと逃れる。そしてこの直後の相手CKを逆用したロングカウンターからまたも炸裂した。

 後半16分、相手のCKを跳ね返すと、得意の一気に複数の選手が走り出す。「相手よりもウチの人数が多くなった」と田中が胸を張ったとおりに走り勝つと、最後はゴール前で田中がキッチリ決めて2-0。勝負を決定付けた。

 京都共栄はその後も得意のセットプレーを含めて攻勢を見せたが、関大北陽守備陣も粘り強く対応。1年生DF市東陸を含めてしっかりと耐え切り、2-0の完封勝利。見事に近畿8強へと駒を進めた。

(取材・文 川端暁彦)

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