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公立校の佐賀商が九州8強入り。185cmFW古賀航太郎は準々決勝で「チームを勝たせる点を」

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佐賀商高の185cmFW古賀航太郎は準々決勝でのゴールと勝利を誓った

[2.19 九州高校新人大会予選リーグ 佐賀商高 0-2 慶誠高 うるま市具志川多種目球技場B(天然芝)]

 公立の伝統校が九州高校サッカー新人大会で自信を取り戻し、8強入りを果たした。インターハイ準優勝の歴史を持つ佐賀商高(佐賀2)は、今大会初戦で開催県第1代表の那覇西高(沖縄)を2-0で撃破。大分県第1代表の柳ヶ浦高にも1-0で競り勝ち、最終節の慶誠高戦(熊本2)を残して予選リーグ突破を決めた。

 この日はサブ組中心の戦い。個々が技術力や献身性を発揮していた一方で噛み合わない部分も多かった。0-2で敗戦。だが、登録20人全員が九州大会を経験することができたのは大きい。中体連出身の185cmFW古賀航太郎(2年)やMF前田朔太郎(1年)ら主軸選手も限られた出場時間の中で光る動き。予選リーグで自信をつけた選手たちは準々決勝でもチャレンジし、強敵撃破に挑む。

 佐賀商は昨秋の選手権予選で王者・佐賀東高を破って準優勝。だが、DFラインが総入れ替えとなって迎えた新人戦では順調に決勝進出したものの、決勝で佐賀東に0-8で大敗を喫した。松尾智博監督は「自信を失いかけていたと思う」と振り返るが、この敗戦が良い意味で伝統校のスイッチとなり、意識高く準備してきた成果を九州大会で発揮している。

 注目の古賀は那覇西との初戦で1ゴール。だが、1日で2試合目となった柳ヶ浦戦は走り切れなかったと自己分析する。この日も約10分間の出場時間でボールを収めるなど存在感を示していたが、無得点を反省。「少ない時間で1点返してやろうという気持ちだったんですけれども、今日は本当にチームに何も残せなかったので、明日はしっかりチームを勝たせる点を決めて、しっかりと勝たせたいと思います」と誓った。

 大型FWは佐賀商の戦いに憧れ、進学を決意。「中学校の時に佐賀商の試合を見て格好良いと思って、泥臭くやっているところがいいなと思って、松尾先生の下でやりたいと思った」。本人はさらなる肉体強化の必要性を口にするが、入学当初に比べて大幅に走れるようになり、ボールを収めた後のパスなどもレベルアップを実感している。

「収めて身体が入ったらあまり負ける気がしないです」という古賀が、飛躍するための課題は得点力。「反転からのシュートや前を向いてシュートを打つところが弱い」。マンチェスター・シティのFWアーリング・ハーランドのように、決定力を高めることが目標だ。

 次のステージで活躍するため、目の前の一戦一戦がアピールチャンスだと考えている。古賀は、「明日(準々決勝)またチャンスがあるので、頑張って(大学のスカウトたちから)目をつけてもらえるように頑張る。勝ちにこだわっていきたいと思います」。準々決勝の対戦相手は鹿児島王者の鹿児島城西高に決定。松尾監督は選手たちが名前負けするのではなく、「現時点でやってきたことを出せないと。チャレンジしなければダメ」と求める。ハードワークすることは当然。その上で、自分たちらしくボールを大事にしながら攻め、最後は古賀がゴールへ結びつける。

(取材・文 吉田太郎)

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