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新生・神村学園は「自分から発信すること」がテーマ。九州新人は結果と成長を得る大会に

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前半7分、神村学園高は日本高校選抜候補FW西丸道人主将が先制ゴール

[2.19 九州高校新人大会予選リーグ 神村学園高 9-2 宜野湾高 うるま市具志川多種目球技場B(天然芝)]

 令和4年度KYFA第44回九州高等学校(U-17)サッカー大会(九州高等学校サッカー新人大会)は19日、予選リーグ最終節を行い、全国高校選手権3位の神村学園高(鹿児島2)は9-2で宜野湾高(沖縄2)に快勝。第3ブロック3連勝で1位の神村学園は、20日の準々決勝で佐賀東高(佐賀1)と戦う。

 すでに決勝トーナメント進出を決めていた神村学園は、日本高校選抜候補FW西丸道人主将(2年)やU-17日本高校選抜候補MF金城蓮央(1年)に加え、ここまで出場時間の少ない選手たちも先発。前半7分、金城の左クロスを西丸が頭で決めてゴールラッシュの口火を切る。

「違い見せていかないと。選抜とかも行っているので、これくらいの選手か、と思われてはいけない」という西丸が前半だけでハットトリックを達成し、金城も1得点。対して、CB儀間光栄(2年)やCB西遥生(2年)、MF島袋佑(1年)を中心に地上戦で勝負する宜野湾は失点しても怯むことなく自分たちの攻撃を貫く。そして、後半には左CKから10番FW速水梨穏(2年)が決め、さらにFW新屋歩武(2年)もゴールを破って地元観衆を沸かせた。

 だが、FW名和田我空(1年)と左SH吉永夢希(2年)のU-16日本代表コンビらを途中投入した神村学園は、後半に5得点。名和田が西丸とのじゃんけんでキッカーの座を勝ち取ってPKを決めると、その後も吉永、西丸が加点し、交代出場のMF平野あいと(2年)は2得点を挙げた。

 神村学園は今年、プレミアリーグに初参戦する。プレミアリーグへ向けて準備するのは初めての経験だ。有村圭一郎監督は新チームに対して「強度は大分求めています。質、量、回数は大分言っている。まだまだ全然」。加えて、指揮官が求めているのが「自分たちで発信すること」だ。

 西丸は「(有村)監督からも『常に主体性を持ってやれ』と口酸っぱく、練習の最初から最後までずっと言われている。全然まだまだ喋れないですし、(各選手)絶対に思っていることはあるけれど、それを伝えられていない」と首を振る。そして、「自分は先輩とかに対しても言えるタイプなので、自分がもっと発信して周りが良くなっていければ」と加えた。

 これまでプリンスリーグ九州で強さを発揮してきたが、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグではより細部が勝敗を分ける。各選手が自分から発信し、動けるようにならなければならない。現2年生の世代の課題でもある部分を改善し、新シーズンを迎える意気込みだ。

 プレミアリーグでの戦いへ向け、今回の九州大会では勝ち方にもこだわっているという。西丸は「次の糧になるように、プレミアに活かせるように、ただ勝つだけでなくて勝ち方にチームとしてこだわってやっている」。予選リーグ3試合で16得点2失点。表現できているものを続け、修正点を徹底して向上させる。「今年は結果だけにこだわって、いろいろな人に恩返ししたい」と西丸。成長と結果の両方を得て、3度目の優勝で九州大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)

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