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神戸弘陵が興國を4-1撃破。風雨の中でもブレない技術と確かな強度を見せ付ける:近畿

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前半9分、神戸弘陵高がDF柴尾美那(3番)の同点ゴールを喜ぶ

[2.19 近畿高校選手権準々決勝 神戸弘陵高 4-1 興國高 葛城市新町公園球技場]

 19日、奈良県内で開催中の第75回近畿高等学校サッカー選手権大会が第2日を迎えた。葛城市新町公園球技場では、神戸弘陵高(兵庫1)と興國高(大阪2)が対戦。激しい風雨の中で難しい試合運びを迫られる中でも神戸弘陵が攻守に安定したチームパフォーマンスを発揮して興國を圧倒し、4-1の快勝を収めた。

 まず先手を取ったのは興國だった。開始6分、左サイドでボールを受けたMF古瀬夢叶(2年)がカットインからのシュートを突き刺し、1点を先行する。「個人技でやられてしまった」と神戸弘陵・谷純一監督も渋い表情で振り返る痛い失点に思えたが、DF岡未來主将(2年)を中心に声を掛け合い、すぐに立て直す。

 両サイドハーフが強度高く攻守に参加して押し込むと、興國の低い位置からのビルドアップをことごとく阻んで一方的な展開に持ち込む。「1回戦でも興國はプレスにハマっていたのを観て、自分たちも前からやってやろうと思っていた」とFW馬場悠平(2年)が振り返ったように、このプレッシングが機能し続けることとなった。

 9分にMF北藤朔(2年)のCKからDF柴尾美那(2年)のヘッドで早くも追い付くと、20分には馬場が興國GK塩谷隼汰(2年)に一度は防がれつつも粘り強く押し込んで勝ち越しに成功。その後もペースを握り続け、前半の興國のシュートは先制点の1本のみにとどまることとなった。

 後半に入って風下に回った神戸弘陵に対し、興國も選手交代を交えて反撃に出るが、神戸弘陵はしたたかに試合を動かす。後半8分にMF佐波昂大(2年)、17分にはMF石橋瀬凪(1年)が、いずれも興國ボールを奪い取ってからの流れで得点を記録し、試合をほぼ決定付けた。その後も岡主将を軸に興國の反撃を跳ね返した神戸弘陵が暴風雨の中での攻防を制し、4-1で快勝。8強へと駒を進めた。

「個人でもグループでもしっかりやってくれた。この雨風の中でもボールを大事にするチーム同士なので、こういう試合を経験することで子どもたちも成長できると感じる内容でした」

 神戸弘陵・谷監督がこう振り返ったように、攻守のタスクをそれぞれがサボることなくこなし切り、雨で悪化したグラウンドの上でもしっかりと技術を発揮し続けた神戸弘陵の見事なチームパフォーマンスが光る試合だった。

(取材・文 川端暁彦)

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