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九州決勝進出の鹿児島城西で「利いている」ボランチ。デ・パウル目標のMF坂上日向は結果を残して価値を上げる

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鹿児島城西高の中盤で貢献度高い動きを続けるMF坂上日向

[2.20 九州高校新人大会準々決勝 鹿児島城西高 2-0 佐賀商高 金武町陸上競技場(天然芝)]

 今大会の自己評価は「自分、10点中だったら5とか4」という低評価。だが、鹿児島城西高(鹿児島1)の新田祐輔監督が「本当に良く利いている」と口にするように、MF坂上日向(2年)は“黒子役”として欠かせない存在になっている。

 特長はハードワーク。後ろ向きの相手に厳しく圧力をかけて後退させるほか、競り合いでマイボールに変え、奪ったボールを運ぶこともできる。攻撃センスの高いMF芹生海翔(2年)とのダブルボランチはチームの生命線だ。

 佐賀商高との準々決勝について、坂上は「自分たちは前からプレッシャーをかけるサッカーをしている。前からハメて、高い位置でボールを奪ってクロスとか、城西らしいサッカーができたという思います」と頷いていた。

 だが、自分のプレーに関しては攻め残ってしまう部分があること、DF陣に負担をかけてしまっていることを反省。「ワールドカップの時の(ロドリゴ・)デ・パウルみたいな。走り回ってボールも配給できる、何でも出来る選手になりたい」というボランチは、目標とするアルゼンチン代表MFのように攻守で何でも出来る選手への成長を目指す。

 太陽SC U-15(鹿児島)から鹿児島城西でプレーした2歳上の兄や、新田監督の影響を受けて強豪校へ進学。ラストイヤーの新人戦で入学後初めてトーナメント戦タイトルを制した。新田監督も「たかが新人戦じゃないぞ、と。俺らには大事な新人戦だから、優勝旗1本取るのが大事だから、と」と語るように、自分たちの前に立ちはだかっていた神村学園高を下し、優勝した意味は大きい。

 坂上は「みんな自信もついている。その自信を過信というか、自分は上手い、とかじゃなく自信だけつければいい」。21日の九州大会決勝で神村学園と再戦。「個人としてはこの大会で変われるところはあんまなかったんですけれども、決勝でしっかりと結果を残して、自分としても、チームとしての価値も上げたい」。宿敵に連勝し、インターハイ予選や選手権予選への弾みもつける。

(取材・文 吉田太郎)

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