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神村学園がラストの質で勝る。日章学園とのハイレベルな攻防戦を制し、九州新人決勝進出

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後半2分、神村学園高の日本高校選抜候補FW西丸道人主将が左足で決勝点

[2.20 九州高校新人大会準決勝 神村学園高 1-0 日章学園高 うるま市具志川多種目球技場A(天然芝)]

 令和4年度KYFA第44回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校サッカー新人大会)は20日午後、準決勝を行い、全国高校選手権3位の神村学園高(鹿児島2)と日章学園高(宮崎1)が激突。日本高校選抜候補FW西丸道人主将(2年)の決勝点によって、神村学園が1-0で勝った。神村学園は21日の決勝で鹿児島城西高(鹿児島1)と対戦する。

 前半5分、神村学園はU-16日本代表左SB吉永夢希(2年)の左FKをファーのMF新垣陽盛(1年)が押し込もうとするが、日章学園GK吉村元翔(2年)が距離を詰めて阻止。神村学園はその後も吉永、右SB有馬康汰(2年)がボランチの位置で組み立てに加わりながらボールを前進させるなど相手を押し込む。

 だが、その後の流れは日章学園。10分にU-17日本高校選抜候補FW高岡伶颯(1年)のスルーパスからFW篠田星凪(2年)がチャンスを迎えると、直後にはMF川越廉斗(1年)がワンツーで完全に抜け出して右足シュート。だが、神村学園GK川路陽(2年)がストップし、得点を許さない。

 互いに攻守の切り替えが速く、1タッチ、2タッチでボールを動かし合うスピーディーな展開。日章学園は高岡が馬力のある動きで局面を破り、川越が好パスでチャンスメークするなど存在感を放つ。また、2度の大怪我を乗り越えてピッチに立つDF藤本晃士主将(2年)を中心とした3バックやMF安藤優翔(2年)が狙いを定めてボールを奪っていた。

 そして、神村学園のDFラインに穴を開け、FW田上遼馬(2年)や高岡が決定機を迎えるが、決め切ることができない。対する神村学園は後半、単調になっていた人とボールの動きを修正。すると2分、左中間でボールを持ったU-16日本代表FW名和田我空(1年)がファーでマークを外した西丸へ絶妙なループパスを通す。これを西丸が左足ダイレクトで合わせて先制した。

 日章学園の原啓太監督は「内容的にも、神村さんが力があると言われている中でチャンスの回数や中盤の戦いで少しは互角にやれていたと思います。でも、最後の名和田君のクロスとか西丸君のゴールなんかは質が高い。我々に足りないところなので練習します」。1本で仕留める力の差を実感していた。

 先制した神村学園は西丸やMF平野あいと(2年)がポイントを作り、左SHへポジションを上げた吉永、U-17日本高校選抜候補MF金城蓮央(1年)が個の力で打開していく。日章学園は11分、敵陣でインターセプトした高岡がGKを外してシュート。だが、神村学園はゴールカバーした左SB長沼政宗(2年)のスーパークリアで同点を許さない。

 互いに球際の強度高く戦った終盤。日章学園は高岡が浮き球も収めて攻撃の起点になり、篠田が動き出しの速さでDFを振り切ろうとする。また、藤本が高さを発揮していたが、神村学園も身体を張った守り。日章学園は35分、篠田が左中間でFKを獲得し、これを高岡が右足で狙う。だが、神村学園FW西丸が頭でクリア。勝利への執念も示した神村学園が1-0で勝利した。

 神村学園の有村圭一郎監督はDF面の課題などを指摘した上で、「こういう拮抗したゲームを取っていけば成長の度合いは上がっていくと思うので、そういった意味では大きかったのかなと思います」とコメント。初参戦のプレミアリーグ、目標の日本一へ向け、チームがまた一つ成長するゲームとなった。

 決勝の対戦相手は、県新人戦で連覇を止められている鹿児島城西。前回の対戦を欠場している西丸は、「先輩たちは(これまで)決勝という舞台で勝って、インターハイや選手権に進んでいる。先輩たちの分も負けられない」。リベンジマッチを制し、また成長して九州大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)

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