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[新人戦]「ここで満足していたらダメ」。九州新人1勝の那覇西は日常を変えて全国で勝つ

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目標は全国での勝利。那覇西高の10番MF山川輝主将は「ここで満足していたらダメ」

 九州高校新人大会予選リーグ最終節のハーフタイム。那覇西高ベンチでは、平安山良太監督の「(那覇西の、ではなく)沖縄の意地を見せろ!」という声が飛んでいた。大会をサポートしてくれたのは、沖縄県のサッカー関係者や沖縄県内の高校サッカー部員たち。また、地元観衆の後押しを受けて沖縄王者は戦っていたが、内容を結果に結びつけることができずに2連敗で予選リーグ敗退が決まっていた。

 大分1位・柳ヶ浦高との一戦がラストゲーム。各選手の気持ちも入っていた那覇西は前半、FW頭山亮太(2年)のゴールで先制する。左利きの10番MF山川輝主将(2年)やMF比嘉仁千斗(2年)が相手の寄せを外してボールを前進。そして、前半終了間際には初先発というCB亀田安澄(1年)が約40mの弾丸シュートを枠へ飛ばして、会場を沸かせた。

 平安山監督も「(気持ちを表現する部分を含めて)この試合頑張ってくれました」と評した亀田は守備や声でもチームを鼓舞。そして、後半13分には、頭山とのパス交換からMF與古田頼(1年)が決めて2-0と突き放した。

 その後、1点差とされたが、「左利きというのがみんなと大きな違いかなと思っていて、そこで違いを作って、積極的にシュートを打って得点に絡んでいくことが増やせればチームの得点も増えると思いますし、自分がもっとボールに触って得点に絡めるようにしていければ良いなと思います」と語る山川が、巧みなドリブルでPKを獲得。自ら左足で決め、3-1の勝利へ導いた。

 悔しい予選リーグ敗退。開催県1位として決勝トーナメント(準々決勝)へ勝ち上がらなければならなかった。それでも、平安山監督は「勝ち切る力を常日頃の練習から求めていかんといけんなと。今日、試合終わった後から『練習から変えていこうぜ』『こだわろうぜ』という声が(自発的に)上がっていた」。選手たちは日常の練習から意識を変え、取り組んでいく。

 九州大会ではボールを保持していても、シュートまで持っていくシーンは相手の方が多かった。強引にシュートを打ち切る部分は課題。また、初戦、第2戦と後半ギアを上げてきた相手に、早い時間帯でゴールを許してしまっている。

 山川は「良い試合だけじゃダメだと思うので結果にこだわっていかないといけない」とコメント。そして、「結果に繋げられなかったのがまだ自分の弱いところですし、自分で何枚も剥がせる選手にならないとこれから先は難しくなると思う。声でもチームを引っ張っていけるような選手になっていきたい。九州、県内で勝つだけじゃなくて、『全国で勝つ』というのが自分たちの目標なので、ここで満足していたらダメだと思いました」と個人として、リーダーとして成長することを誓った。

 頭山、山川、CB田場海斗(2年)と昨年からの経験者を残していることは強み。今回の九州大会で経験したことを全国での勝利に繋げる。山川は「県内では体感できない。それが体感できたことは次に繋がることだと思います」と語り、平安山監督は「僕たち那覇西のスタイルとしてはボールを大事にして、一人ひとりの個性を出すためにグループでどうやって動くか。勝てなかったのが現実なので。これを経験して、夏冬にチームが上がっていければ」。練習からこだわって、個人、チームが変わる。

(取材・文 吉田太郎)

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