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[デンチャレ]GKデューフエマニエル凛太朗は大学生相手にビッグセーブも。日本高校選抜の活動を通してより「勝たせるGK」に

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日本高校選抜GKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高3年)はビッグセーブを見せるなど奮闘

[2.28 デンチャレグループA 関東選抜A 3-1 日本高校選抜 ひたちなか市総合運動公園スポーツ広場1]

 日本高校選抜の守護神が、3年間の成長を大学生、海外相手に示す。GKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高3年)は前半17分、関東選抜AのU-21日本代表MF佐藤恵允(明治大3年=実践学園高)の至近距離からのシュートをストップ。「自分、この1年間で一番磨いてきたのは1対1の対応というところで、やっぱりそこは大学生相手でも通用できたので、そこは良かったかなと思います」。だが、不運なPKもあり、前半で2失点してしまう。

 そして、後半3分には負傷者が出てチーム全体の集中力が切れた隙を突かれて失点。デューフはこのミドルシュートを止められなかったことを悔しがる。「あそこでみんなが集中切れたところで自分のセーブでもう一回、チームを立て直せるようなGKになっていかないとなと思いました」。一方で、試合が進むに連れて大学トッププレーヤーのスピード感や強さに慣れ、自分も、日本高校選抜も内容を向上させることができた。

「やっぱりスピードとか体つきとか強さというところで大学生の方が強かったんですけれども、自分が率直に思ったのは『やれなくは無いな』と。スピード感に慣れないところはあったんですけれども、最初と最後を比べたら、ちょっとボールを回せるところも増えてきていたので、そういうところでは『やれない訳では無いな』と思いました」。この日は白星に繋げることができなかったが、このデンソーカップチャレンジ初戦で得たことを必ず次に繋げる。

 デューフは高校2年時に選手権全国大会を経験し、昨年はU-18日本代表にも選出されている注目株。だが、怪我の手術時期を早め、懸けていた“最後の選手権”はまさかの県予選初戦敗退に終わった。それでも、将来性豊かな191cmは日本高校選抜選出。「NEXT GENERATION MATCH」、デンソーカップチャレンジ初戦で先発を務めた。

「全国大会に出れない中でこうやって呼んでもらえて、やっぱり呼ばれていない人もいるし、全国で良い活躍をした人がいるのに自分が出ているというところもあるので、日本を背負っていかないといけないし、無責任なプレーはできないのでそこはしっかりやっていきたいです」

 流経大柏は3月1日に卒業式を実施予定。だが、デューフは日本高校選抜に残ってプレーすることを決めた。榎本雅大監督や伊佐孝徳GKコーチから送られたのは、労いの言葉とエール。「『とにかく、よく頑張った』というふうに。最初入った頃は(ゴール前に立っているだけで)本当に下手くそだったんですけれども、ちょっとはマシになったという感じで。本当に気持ち良く送り出してくれて、『頑張ってこい』と言ってもらいました」。日本高校選抜での活躍や将来の飛躍で恩返しする考えだ。

「周りに比べて身長とかあるので、空中戦の強さとか、何よりこの1年間で磨いてきたシュートストップをデンチャレや海外(遠征)で示したいと思っています。勝たせるGKになるのには(シュートが)入らないのが一番なので、入ったなと思うようなシュートを止めていきたい」。“本当に下手くそ”から進化を続けてきた大型GK。日本高校選抜の活動を通して理想とする姿により近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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