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[デンチャレ]大学生のタレント軍団相手に先制弾。日本高校選抜FW塩貝健人は無双、連発への課題痛感も、90分間でまた成長

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前半5分、日本高校選抜FW塩貝健人(國學院久我山高3年)が先制ヘッド

[2.28 デンチャレグループA 関東選抜A 3-1 日本高校選抜 ひたちなか市総合運動公園スポーツ広場1]

 今度は大学生のタレント軍団からゴールを決めた。日本高校選抜は前半5分、左CKをファーで折り返し、最後はFW塩貝健人(國學院久我山高3年)が頭で押し込み、先制点。これで日本高校選抜の活動では、選考合宿から通して6戦6発となった。

「ああいう点は僕、多いんですけれども、(ファーへのCKで)相手のベクトルがボールに向いている時に、そこの反対がいつも空いている。DFの背中を取って、それ(折り返し)に反応できていたのはオレだけだったので、あとは当ててゴール。お得意の点ですね」。対戦した関東選抜AはJクラブ内定選手や年代別日本代表経験者が複数先発。苦戦が予想された日本高校選抜を塩貝がゴールで勢いづけた。

 國學院久我山高を東京制覇、全国16強へ導いたスーパーエースは、大学生DFに対して真っ向勝負。DFを背負って1対1を挑んでいたほか、高速ドリブルで3度4度と仕掛けていく。後半にはドリブルからのスルーパスでチャンスメークしたほか、自ら仕掛けてシュートも。“やれていた”一方、試合後は成長の必要性を口にしていた。

「スピードも、フィジカルも、技術も、判断も、その4つはもう1個、2個くらい上げないとこの中で無双はできないと思うし、やれているけれど、もっとやらないとプロにはなれない。ゴールはもっと取りたいので2、3点取るためには今日、流れの中からのシュートは2本くらいだったんですけれども、チャンス2回というのは少ないと思う。せめて5、6本チャンス作るために相手弾き飛ばすくらい、スピードもフィジカルもつけなきゃいけない」

 大学生のトップレベルの選手たちを打開し、ゴールを決め、チームを勝たせるためにはまだまだレベルアップしなければならない。求めるレベルは遙か先にある。ただし、この日強敵に挑んだ90分間で、その姿に一歩近づけたことを本人は実感していた。

 がむしゃらに背後を狙うのではなく、予備動作を入れてDFを引き寄せてから裏を取る。後半は味方との連係も良く、スペースへ上手く抜け出すシーンが増えていた。「前半の最初と後半だったらこの1試合で結構上手くなった。プレースピードとかやっぱり慣れていくというのが大事。こういう機会を大切にして試合を通して上手くなっていきたい」。学んだことを進路である慶應義塾大へ持ち帰り、チームとともに成長する考えだ。

 高校生離れしたスピード、フィジカル能力、そして決定力を兼備する。加えて、特別なゴールへの執着心、負けず嫌いなところも成長の要因だ。「相手の3番(U-23日本代表DF岡哲平、明治大3年)がめちゃめちゃ強かったんですけれども、1点取っているんで、個人的には勝ちかなと(微笑)」。この日、大学生DFの強さを体感した注目FWは、デンソーカップチャレンジ期間中も成長を続け、決めて勝つ。 

(取材・文 吉田太郎)
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