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日本高校選抜からU-17日本高校選抜合流のMF安齋悠人が抜群の動きで1得点。基準はより高いレベルに

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U-17日本高校選抜MF安斎悠人(尚志高2年)は前半30分にゴール

[3.5 静岡県ヤングフェスU-17男子の部 静岡県ユース選抜 0-4 U-17日本高校選抜 草薙陸]

 日本高校選抜やJ練習参加を経験してきた高速アタッカーが、U-17日本高校選抜の攻撃を引っ張った。MF安齋悠人(尚志高2年)は序盤から得意の高速ドリブルやスピードに乗ったランニングで攻撃の中心に。そして、2-0の前半30分、左サイドでクロスボールを受けると、一気にPAへ仕掛けて右足シュートを叩き込んだ。

「尚志でも3点目を取りに行くことが大事だと思っている。3点目でしっかり勢いづけるとともに、チームがもう一回最初からやり直せるような雰囲気を作りたいと思っている中での1点だったのでそれが良かったです」。会心の一撃を決めた安斎はカメラ目線でガッツポーズも。素直にゴールを喜んでいた。

 この日は前半40分間だけのプレーだったが、スピード、迫力のあるドリブルで相手DFの脅威になった。観衆を唸らせるようなプレーの連続、そしてファインゴール。「結果にこだわる1年としてはゴールできたのが素直に嬉しかったです」と語る一方、本人は10本中10本に近い形で突破できなかったことを悔しがる。

「チームとしては静岡県選抜を圧倒するようなパフォーマンスが個人個人できたと思うんですけれども、僕の中では1対1を止められることが多かったので、そこは課題だと思っています」

 静岡県ユース選抜の右SB李京樹(磐田U-18、2年)らにボールを奪われることが幾度かあった。「きょうはちょっと1対1相手が速いと聞いていたけれど、そこで自分のドリブル突破という中でのチームへの貢献度はかなり低かった。自分は縦1枚剥がしてクロスやアシストできるような選手になっていきたいので」。この日会場を沸かせていた一人だが、本人に満足感は無し。よりレベルアップすることを誓っていた。

 安斎はデンソーカップチャレンジ(2月28日~3月4日)に出場した日本高校選抜メンバーに選出。高校3年生が怪我や卒業式で離脱することから、尚志・仲村浩二監督の率いるチームに合流し、大学選抜相手に先発出場も経験した。“プロ予備軍”と言える大学生相手に縦突破を繰り出し、チャンスにも絡んでいた印象だ。

 だが、本人に“やれた”という感覚は無かった。「(相手は)大学生の中でも選ばれている人たちで、プレースピードもかなり速くて、ドリブルするにもドリブルするという判断を速くしないとすぐに潰されてしまったり、判断スピードの差が大学生とありました。フィジカルもスピードも負けているところがあったし、クロスも上げられていないし、シュートも打てていない」。デンソーカップチャレンジ途中で日本高校選抜を離れ、U-17日本高校選抜に合流、大学生との練習試合、この日の静岡県ユース選抜戦で違いも見せていたが、目指しているのは大学トップレベルの選手、そしてJリーガーも攻略し、得点に絡む選手になることだ。

 すでにJ2クラブへの練習参加を経験。「全然目がついていけなくて、3日目でやっと目が慣れてきて。前向いていない時のプレーとかはすぐに潰されてしまったり、通用する部分が全然見つからなかったです」と振り返る。高卒プロという目標を公言する安斎は常に高いレベルを想定しながらのトレーニングと試合。このあとにはJ1クラブへ練習参加する予定もあり、今月18日からはU-17日本高校選抜としてJヴィレッジカップにも出場する。

「自分の目標にしている限り、やれないと口だけになってしまうので、しっかり自分の体調整えて挑戦していきたいと思っています。(Jヴィレッジカップでは)今日みたいに勝利に導いていけるような選手に、チームの中心になりたいので、結果を残し続けてそういう選手になりたいです」。チームメートのMF神田拓人(2年)とFW網代陽勇(2年)がU-18日本代表候補入りしたことも刺激に。結果を積み重ねて、目標とするプロ、代表のステージに立つ。


(取材・文 吉田太郎)

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