beacon

[MOM4224]U-16東京選抜MF倉持譲太郎(横浜FCジュニアユース3年)_2発!別の道へ進むライバルたちを超える

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半35+3分、U-16東京選抜MF倉持譲太郎(横浜FCジュニアユース3年)が決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.5 静岡県ヤングフェスU-16男子の部 U-16男子静岡選抜 1-2 U-16男子東京選抜 草薙陸]
 
 交代出場のレフティー、MF倉持譲太郎(横浜FCジュニアユース3年)が2ゴールでU-16東京選抜に白星をもたらした。後半開始から出場した倉持は、先制されて迎えた後半26分に左足CKを直接決めて同点ゴール。「風が強かったじゃないですか。自分、結構キックの武器があると思っているんで、上手く曲げれば入ってくれるかなという感じがありました」。右サイドからゴール方向へ向けて蹴り込むと、風の影響も受けて曲がったボールを相手が処理しきれず、ゴールラインを越えた。
 
 ガッツポーズで同点を喜んだ倉持はこの後、「めっちゃ良いパートナーで、3年間の関係がこの試合で出たと思う。自分にとって良い存在。競争相手ですけれども友人であり、素晴らしい関係だと思います」というFW前田勘太朗(横浜FCジュニアユース、22年U-15日本代表候補)と攻撃の中心に。ともに相手を上手くかわすだけでなく、泥臭くボールをキープしながらゴールへ向かった。

 後半33分にはミドルレンジから強烈な右足シュート。これは相手GKのビッグセーブに阻まれたものの、石川創人監督(東京農大一高)が「テンポをつくれる、他の子と繋ぐ役割ができる」というMFはインサイドハーフの位置からサイド、中央で攻撃に係わり、決勝点も決める。

 終了間際の後半35+3分、倉持、前田の2人で強引にボールを奪い返すと、前田が相手DFをねじ伏せるように前へ。最後はDFラインの背後へ落ちたボールを倉持が右足でゴールへ流し込んだ。「アイツ(前田)のドリブルが利いて、かわしてくれて、上手く自分にこぼれ球がこぼれてきたので右足だったけれど、決まって良かったです」。ここまで東京選抜でなかなか結果を残せていなかったというレフティーが大仕事。殊勲の一撃を決めると、カメラマンに猛アピールし、仲間たちと喜びを爆発させた。

 倉持は懐の深いボールキープと、左足キックの精度もストロングポイント。一方で切り替えの速さや献身性を課題に挙げる倉持は「ユース、上がらないです」と明かす。「自分的には悔しいですし、見返してやろうというのがあったので。こういう大きな大会で結果を出せたのは良かったですね」。一緒に決勝点をもぎ取った前田は横浜FCユースへ昇格。負けたくないという気持ちもエネルギーになっている。

「彼はユース上がって、僕はユース落ちて。僕の方が全然上だ、負けていないぞ、とみんなにも示したいと思っている」。進路は“街クラブの雄”三菱養和SCユース(東京)に決定。まだ週2日間の練習参加をしているだけだが、アピールを続けて「高1、高2、高3関係ない。自分はこの1年から絶対にスタメン取ろうと思っている」。先を行くユース昇格組や、年代別代表選手たちに負けない3年間、また大学を含めた7年間を過ごし、必ず追い越す。

(取材・文 吉田太郎)

TOP