「ボールコントロールの正確さ、キックの質これは抜群に良いと思います。(武南の)俯瞰してサッカーを見るという観点からいうと、空間認知力がある。アイディアもあるし、一瞬のボールの扱い方は本当に上手いと思います。独特のタイミングは抜群だと思います」。埼玉県高校新人戦を制した武南高の内野慎一郎監督は、中盤を司るレフティーについて称賛する。

　MF高橋秀太(2年)は武南ジュニアユースFC出身。間もなく武南で中高6年目を迎えるMFだ。「小学校の頃からキックの練習ばかりしていた。最初は上手くなかった。練習するようになって、自主練でもシュート練習とかFKとか蹴っていました」。そのMFは中学3年時、武南を選手権優勝へ導いた名将・大山照人氏の指導も受けて、止める・蹴るの基本技術の精度を磨いてきた。

　新人戦は狭山ヶ丘高戦でミドル弾。「こぼれ球とか結構上手く予測できていて迷わずに振り切れた」という一撃や、武蔵越生高との決勝でのミドルパスなど納得のプレーができたようだ。

　自分の特長について、「後ろからボールを引き出して、前に展開して行ったり、前に顔を出してゴールを狙ったり、アシストしたりというところですね。自分的にはまだまだかなと思うんですけれども、点とかアシストとか少しずつ結果が出てきているのは良いと思っている」と説明。守備の強度、距離感など課題を改善し、攻守で活躍できる選手を目指していく。

「点とかアシストとかでチームに貢献できる選手になっていきたい。守備も自分のところで全部取れるような選手になりたい。攻撃だとデ・ブライネ選手のミドルやパスとか見ています。守備の理想は遠藤航選手。遠藤選手とかのような守備ができるようになりたい」

　新人戦で12年ぶりの優勝。だが、ここで満足はしていない。「インターハイ、選手権で全国出て活躍することが復活だと思うので、出て活躍することを目指してやっていきたい」。期待のレフティーが武南を復活させ、恩返しする。
　
(取材・文　吉田太郎)