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昨年を反省し、自分を見つめ直した10番。武南MF松原史季は仲間の良さを引き出し、決めて、勝つ

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名門・武南高のエースFW松原史季(2年=浦和レッズジュニアユース出身)

 勝負の1年だ。武南高MF松原史季(2年=浦和レッズジュニアユース出身)は1年時から伝統校で出場を重ね、U-16日本代表候補にも選出されているアタッカー。ゴール前でのアイディア、パンチのあるシュート、強気のメンタリティも特長だが、飛躍を期待された2年目は結果を残せずに悔しい1年となった。それだけに、最終学年での勝利を強く求めている。

 新人戦は市立浦和高戦でDFを外してからのミドルシュートで「理想通りの」圧巻ゴール。怪我の影響で昌平高との準決勝は途中交代し、武蔵越生高との決勝も出場しなかった。チームはエースを欠く中で強豪を突破し、12年ぶりの優勝。松原は「優勝したら(周囲が)これくらい喜んでくれると実感できた。出られなかった悔しさよりも、優勝できた喜びの方がデカかった」と振り返る。この勝利をインターハイ、選手権でも――。昨年の1年間を反省するエースは、また仲間たちと喜びを分かち合うことを目指している。

「去年は個人としても伸び悩んだ1年だった。高校選抜のメンツを見ても、テレビで選手権見て、活躍している選手がそこに選ばれている選手なので、自分がここに食い込めなかったのもあるけれど、個人としてもチームとしても悔しい1年だった」

 松原は今冬、自分のプレーを見つめ直すことからスタートした。「1年の時に比べてマークがキツくなってきた時に、1年の時と同じじゃダメと思って変えようとした。遠目からのシュートの前のファーストタッチで相手にかっさらわれたり、シュートもそうだけど、それ以外にも見るところがあるなと自分で感じました」。一つ一つ、全体を高めて行かなければならないと感じたという。

 昨年は夏冬の全国大会予選で早期敗退。先輩にタレントは多かったが、自分も含めて、自分が、自分が、となり過ぎていたと反省する。失点して焦ってしまい、自分たちで崩れてしまう部分があった。

 その反省から意識を変えている。今年も特長のある選手が多いだけに、「自分が上手く使ってあげたい。自分一人じゃやれないんだな、と去年凄く気付かされた。チームの一人ひとりの長所を出してあげないといけないと感じている」。ただし、最後は自分が決める、という貪欲さは変わらない。

「自分のゴールへの貪欲さは全然変わっていない。自分が取りたいという気持ちはあるので、チームの長所を利用して自分が点を取りたい」。特に改善しようとしているのがオフ・ザ・ボールの部分だ。

「足元のところとかある程度できていたけれど、パスを出した後にどう係わっていくかにベクトルを向けている。パスを出した後のオフ・ザ・ボールを意識している」。目標とするステージへ上がるために、チームとともに結果を残す考えだ。
 
「まずは得点出来る選手、アシスト出来る選手になりたい。ネットとかに名前が載る選手になるのが大事。みんなが見れるところに名前を載せていかないと、そういうところでアピールしていかないといけないと思った。(目標のプロは)今のところはまだ話とか全然ないけれど、関東、インターハイとリーグ戦でしっかり結果を残さないと。目に留まるような選手にならないといけない。チームとしての結果が必要だなと去年凄く感じたので、チームの結果にこだわりながら、自分の貪欲さも出して(個人の)結果にこだわっていきたい」。昨年の悔しさもぶつけて、飛躍を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)

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