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[新人戦]中国大会でも無失点続ける玉野光南が最後は10人で1-0勝利。プリンス開幕“前哨戦”と続く準決勝も制し、初V王手

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玉野光南高はGK常藤至竜主将中心に無失点勝利

[3.18 中国高校新人大会準々決勝 瀬戸内高 0-1 玉野光南高 Balcom広島]

 第15回中国高等学校サッカー新人大会は18日、準々決勝と準決勝を行った。瀬戸内高(広島)と玉野光南高(岡山)との準々決勝は1-0で玉野光南が勝利。玉野光南は米子北高(鳥取)との準決勝も制し、初の決勝進出を決めている。

 瀬戸内対玉野光南は、4月1日のプリンスリーグ中国開幕戦のカード。会場も同じBalcom BMW 広島総合グランドで開催された“前哨戦”は、玉野光南が勝ち切った。序盤、強度の高い攻防戦となった中で玉野光南は意図的にGK常藤至竜主将(2年)からMF市村海晴(2年)らを経由する形でビルドアップ。相手のギャップを狙ってパスを繋ぐ一方、速攻からFW北村雄河(1年)やFW鈴木大空(1年)がフィニッシュへ持ち込んでいた。

 瀬戸内は15分、バックパスを狙った10番FW美藤慶音(2年)が詰めようとするも、GK常藤が阻止。そして前半22分、玉野光南は自陣からのロングカウンターで先制点を奪う。鈴木が中央から大きく運び、左のMF東和葉(2年)へパス。それを追い越してスプリントしたMF伊原快(2年)が中央へ折り返すと、80、90mを走り切ったMF守田尚樹(2年)が身体ごとゴールへ押し込んだ。

 各選手のハードワーク、ゴールへの執念が結実した1点で玉野光南が先制点。一方の瀬戸内は田中健二郎監督が「(判断できず)立ち上がり10分のサッカーをずっとやってしまった」と首を振ったように、美藤、FW上岡士恩(1年)へのロングボールが増え、そのまま35分間を終えてしまう。セットプレーは脅威になっていたが、玉野光南は前に強いCB宮崎颯真(2年)と的確なカバーリングを見せるCB内山陽太(2年)、そして終始声を発し続けていた常藤を中心に無失点。1-0で前半を折り返す。

 瀬戸内は後半開始から2人を入れ替え、いずれもレフティーのMF國本純成(2年)、MF長村星波(1年)、MF松本大輝(1年)を中心にボールを保持しながら相手に揺さぶりをかける。また、7分に投入されたFW武田直大(1年)が左サイドを2度3度と突破するが、玉野光南は集中した守りを継続。後半18分には鈴木が不運な2枚目のイエローカードで退場するアクシデントがあったが、ここから10人で粘り強い守りを見せた。

 スライドができていた4バック、中盤の4枚は変更せず、リレー方式で1トップを3度チェンジ。投入されたFWたちが“2人分の”献身的な走りでチームをサポートする。また、ゴール前まで持ち込まれてシュートを打たれていたが、「GKはドシッと構えていないと安定しない。今年、4バックに自信があってやられる気もしないので、県大会から無失点でやれているのは大きいですね」と語る常藤が安定したキャッチングを続ける。そして、内山、宮崎、右SB藤岡健太郎(1年)、左SB宮後名緒登(1年)のDF陣がシュートブロックを連発した。

 DF坂根秀(2年)を前線へ上げてゴールへ迫る瀬戸内は35分、こぼれ球を松本が左足で狙うが、ブロックに行った玉野光南DFの体に当たって舞ったボールはクロスバーをヒットする。瀬戸内の田中監督は「自分たちでスイッチ入れられるようにならないと」と厳しく指摘し、玉野光南の人間性、頑張りを称賛。県新人戦から無失点を続ける玉野光南が守り切り、1-0で勝利した。

 玉野光南の乙倉健二監督は「決死のブロックで会場も沸いてくれたし。相手のお陰でまだまだ積み上げていかないものとか整理できる」とコメント。プリンスリーグ中国開幕戦での再戦へ向けて、「残り半月どのくらい準備が必要なのか」(乙倉監督)確認する試合で学び、また勝利で終わることができた。

 経験値が高い一方、やや大人しい選手が多い世代。だが、試合中に声を掛け合ったりするシーンが良く見られた。常藤は「みんな近くで話し合ったり、県大会、中国大会を通して成長してきたかなと思います」。準決勝でプレミアリーグ勢の米子北も無得点に封じ、PK戦で勝利。初の決勝であと1勝を掴み、また成長して大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)

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