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[新人戦]大社に1-0勝利。高川学園は中国大会“4連覇”王手も…「もっと上の基準で」

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前半15分、高川学園高FW田坂大知が決勝ゴール

[3.18 中国高校新人大会準決勝 大社高 0-1 高川学園高 揚倉山上段]

 第15回中国高等学校サッカー新人大会は18日午後、準決勝を行い、高川学園高(山口)が1-0で大社高(島根)に勝った。高川学園は19、21、22年大会で優勝(20年大会は中止)。玉野光南高(岡山)との決勝で勝てば、中国新人大会4連覇となる。

 午前中に行われた準々決勝に続き、この日2試合目。高川学園はアタッカー陣を大きく入れ替え、U-17日本高校選抜のエースFW山本吟侍(2年)らはベンチスタートだった。守備面で苦戦し、大社のパスワークに中央のラインを割られるなどピンチが増加。攻撃でのミスも増え、苦しい展開だった。

 大社はシャドー気味に構えるMF井上侍乃(2年)が前向きなパスやミドルシュート。最前線のFW福島優太(2年)が推進力のある動きでボールを前進させる。また、MF有藤聖斗(2年)、MF鈴木大悟(2年)が中盤で相手の攻撃を遮断。流れよく試合を進めた。

 だが、高川学園は1チャンスを仕留める形で先制点。15分、右ハイサイドからMF栗林星七(2年)が折り返し、FW浪下元気(1年)が右足を振り抜く。これはGKに止められたものの、こぼれをFW田坂大知(1年)が右足で蹴り込み、1-0とした。

 高川学園は1年生MF矢次皐が中盤でポイントとなり、田坂は攻守両面でハードワーク。28分には左SB村田吟(2年)が最前線まで飛び出してシュートを打ち込む。また浪下の強烈なミドルも見られたが、2点目を奪うことができない。逆に33分には右SB西村大和(1年)がゴール前で何とかかき出したものの、サイドを完全に崩され、失点してもおかしくないシーンがあった。

 後半立ち上がり、互いにチャンスを作り合う。特に大社はサイドから崩して決定的なシュートへ持ち込むシーンがあった。高川学園はこの日、DFラインも安定していたとは言い難いが、主将のCB藤井蒼斗(2年)やGK田中惣一朗(2年)を中心に無失点を継続する。

 高川学園はチャンスになりかけたシーンでミスが起こるなど、課題の残る内容。大会後にU-17日本高校選抜へ合流する山本やMF大下隼鋭(2年)がピッチに立たなかったとは言え、相手を飲み込むことができなかった。大社のセットプレーなどを跳ね返し、1-0で勝ったものの、選手たちに笑顔は見られず。江本孝監督は「練習ではやれている。もっとやれるはずです」と指摘し、目標へ向けた行動、姿勢が不足していることについても苦言を呈していた。

 新生・高川学園の選手たちが掲げた目標は日本一。江本監督は「言っていることとやっていることが違う」と厳しい。藤井も「日本一という目標を立てたので、その基準でやらないといけない。日本一、もっと上の基準でやらないと日本一にはなれないと思う」と首を振った。

 下級生時から全国舞台を経験している藤井や山本の意識の高さ、行動力が他の選手たちにも浸透してきているものの、まだまだ足りない。藤井は「ちょっと前に青森山田高校さんと試合をさせてもらって、試合以外の部分でも挨拶だったり、移動の早さだったりが全く違って日本一になるチームの基準を目の前で見えて、『あれまでみんな持っていこう』と話をしました」と説明する。連戦でも戦い、強さを示すことが必要。悔しい勝利から改善し、決勝を戦う。

(取材・文 吉田太郎)

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