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[ガバナー杯]神戸U-18が兵庫県選抜U-18に1-0勝利。プレミア開幕前に課題を再確認

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兵庫県選抜U-18とヴィッセル神戸U-18が記念撮影

[3.23 ガバナー杯兵庫ユースサッカー 兵庫県選抜U-18 0-1 神戸U-18 三木防災陸上]

 兵庫県のチームが県外の強豪を迎えて行う交流親善大会「ガバナーカップ兵庫ユースサッカー2023」が23日に開幕した。第2試合の兵庫県選抜U-18とヴィッセル神戸U-18の対戦は前半8分に奪ったMF岡奨瑛(1年)のゴールによって、神戸が1-0で勝利した。

「上手く行かなかったのは、一つではない。攻守全体にあまり上手く行っていない気がしました。ミスが多いし、球際も緩かった。締まりがなく、相手が最後にミスをしてくれたから助かった」。試合後、安部雄大監督から手厳しい言葉が聞かれた通り、白星を奪った神戸だが、試合内容は決して満足できなかった。前半8分に右サイドで相手DFの背後をとったFW大西湊太(中3)のパスから、岡がゴールを揺らし、幸先の良いスタートを切ったが、以降のペースは兵庫県選抜U-18。

「ヴィッセルは県で一番のチームだけど、自分たちもやれるんだという気持ちでやっていた。前半の失点も勿体ない失点でやられてはいない。攻撃も自分たちの方が握れていたし、自分たちの狙い通りにボールを動かせていた」。兵庫県選抜の主将を務めたDF岡未來(神戸弘陵高2年)の言葉通り、DF河邉天真(神戸科学技術高2年)とDF向田心瑠(滝川二高2年)、ボランチのMF大井孝輔(神戸弘陵高2年)を中心にボールを動かしながら、MF北藤朔(神戸弘陵高2年)の突破を引き出し、神戸エリアで試合を進めていく。

 19分には大井のクサビを受けたFW馬場悠平(神戸弘陵高2年)が強引にゴール前まで持ち込み、シュート。24分には右サイドから上がった北藤の低いクロスを馬場がダイレクトで合わせたが、シュートは枠を捉えることができない。「相手は同じ年代なので、自分たちもやれるという感覚はあったのですが、実際ハーフタイムに話していると『やっぱり、やれるな』みたいになっていた」。岡がそう振り返るように同点には追い付けなかったが、自信を掴む前半となった。

 後半に入ってからは神戸が立て直した。「自分は足元で受けるより、背後でボール受けてからが特徴。背後のスペースでサイドバックが吊られていたので、そこで受けようと意識しました」と口にするMF坂本翔偉(2年)が左に開いて、ポイントになる動きを繰り返した。後半18分から入ったFW森田皇翔(1年)のプレーも効果的で、思い切りの良いドリブルから好機を演出。31分には右スローインを受けた森田のシュートからCKを獲得。ゴール前に上がったボールを坂本が頭で合わせたが、ポストに嫌われた。32分には森田の縦突破から、MF濱崎健斗(中3)がゴールを狙ったが、GKに阻まれ、1-0のまま試合を終えた。

 冒頭の言葉通り、神戸にとっては満足できない勝利で、ハーフタイムには安部監督から「今ままでは、プレミアでやられるよ」と手厳しい言葉も飛んだという。やられてから気付くのでは遅い。プレミアリーグが始まってから気付いても遅い。開幕前の最後の仕上げである今大会は選手が変わる格好の場でもあり、安部監督は「上手く行かない時こそみんなで喋るとか、走るとか、戦うとか、去年も苦しい時に大事にしてきた所は出して欲しい」と選手に求める。選手もこのままではいけないと分かっている。「悪かった点もありますが、やっぱり気持ちかなと思う。一人ひとりが勝つためにやらなければいけないことがある」。そう口にするのは坂本で、次こそは満足の行く白星を掴みに行く。

(取材・文 森田将義)

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