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[船橋招待]市立船橋と1-1ドロー。帝京長岡MF橋本燦は周囲を引き立てながら「自分も良いプレーができるように」

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帝京長岡高MF橋本燦はチームの良さを引き出した

[3.24 船橋招待U-18大会 市立船橋高 1-1 帝京長岡高 グラスポ]

 第28回船橋招待U-18サッカー大会が24日、千葉県内で開幕した。新シーズン開幕を控えた19チームが3日間、切磋琢磨し、計6試合の成績で優勝を争う。地元の名門でプレミアリーグ勢の市立船橋高(千葉)と、22年プリンスリーグ北信越優勝の帝京長岡高(新潟)との一戦は、1-1で引き分けた。

 25分ハーフの短期決戦は序盤、市立船橋がプッシュ。ボールを奪ってからの仕掛けが鋭く、セットプレーを含めてシュートを連発した。また、MF太田隼剛(新3年)が後方に下りながらゲームコントロール。右SB佐藤凛音(新3年)の攻め上がりや前線で怖さを見せるエースFW郡司璃来(新3年)の個の力も活かして攻め立てる。

 一方の帝京長岡は前半、ボールを保持してもなかなか差し切れない時間帯があったものの、ロングボールを織り交ぜた攻撃で揺さぶりをかける。そして、右の高速SB松岡涼空(新3年)やドリブル鋭いFW堀颯汰(新3年)が局面を破るなど徐々にチャンスの数を増やした。

 後半8分にはFW藤本翔真(新3年)とのコンビで相手守備網を攻略したMF原壮志(新3年)が決定的な右足シュート。そして16分、長岡JY FC、帝京長岡の礎を築いてきた西田勝彦コーチ(長岡JYFCの指導者派遣事業により4月から長野県白馬村のアラグランデFCへ)が「自分が現役だったら一緒にやりたいですね。小塚(和季)や谷内田(哲平)の時も思いましたけれど」というMF橋本燦(新3年)の絶妙なラストパスで抜け出した藤本が先制点を叩き出した。

 帝京長岡はコーチング光るDF安部僚馬(新3年)やGK小林脩晃(新2年)を中心に1-0を継続。だが、市立船橋は交代出場MF森駿人(新3年)の仕掛けやセットプレーで相手にプレッシャーを掛け続ける。そしてアディショナルタイム、佐藤のアーリークロスを郡司が頭で鮮やかに決めて1-1。注目エースの劇的な同点弾によって市立船橋が引き分けに持ち込んだ。

 指揮を執った川上健コーチも認めるように、帝京長岡は開幕へ向けて徐々に試合内容、状態を上げてきている。最終学年となり、帝京長岡で先発を続ける橋本は、「チームの目標としては日本一ですし、自分もこの2年間試合に出れていないので、試合に出続けられるような、欠かせないような選手になりたいです」と誓う。

 特別なスピード、強さはないものの、「周りも活かしながら自分も良いプレーができるように常に心がけています」というボランチは市立船橋戦でもチームの“潤滑油”として機能。一方でプレミアリーグを戦う相手から学んだことも多かったようだ。

「市船の守備の強度だったりが速かったので、もっと自分の判断、技術、スピードを上げていかないといけないと思います。(体感できたことを活かし、)あと一週間で始まるプリンスリーグでも勝てるようにしたい」と意気込んだ。昨年は「別格だった。見て学ぶことが多かった」というMF廣井蘭人(筑波大へ進学)ら経験豊富な世代だったが、選手権予選、プレミアリーグプレーオフで敗退。今年は先輩たちの思いも背負って成長し、目標を達成する。
 
(取材・文 吉田太郎)

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