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[船橋招待]東福岡が連勝発進。“心臓”のMF西田頼主将「目の前の試合を全部勝つことを目標に」

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名門・東福岡高の“心臓”MF西田頼主将

[3.24 船橋招待U-18大会 矢板中央高 0-1 東福岡高 福太郎スタジアム]

“赤い彗星”こと福岡の名門・東福岡高が、24日に開幕した第28回船橋招待U-18サッカー大会で2連勝を飾った。東福岡は京都橘高(京都)との初戦を3-0で快勝。押し込まれた時間帯でも隙を見せずに守り、チャンスを確実にゴールへ結びつけた。

 続く矢板中央高(栃木)戦はMF西田頼主将(新3年)を中心としたスピーディーなパスワークで相手を翻弄。MF吉岡拓海(新3年)らが次々とシュートを打ち込んだ。矢板中央も守備の対応を変え、CB梶谷皇光斗(新3年)とCB庄司碧月(新3年)が相手の攻撃を弾き返す。また、セットプレーや速攻で1点を奪いに行った。

 だが、東福岡は怪我から復帰したCB保科鉄(新3年)が守りを引き締め、紙一重のオフサイドで難を逃れるなど無失点を継続。すると、試合終了間際に左SB秋一星(新3年)のアシストから大型FW谷蒼貴(新3年)が決勝点を叩き出した。

 東福岡は昨年、プレミアリーグWESTで残留を果たしたものの、夏冬の全国大会に届かず。新チームは福岡県新人戦で優勝したが、九州大会では総得点差に泣く形で予選リーグ敗退に終わっている。今月のサニックスカップも10位。森重潤也監督からはやるべきことができていないことを指摘されているという。

 サニックスカップの青森山田高戦はやり合う力を示しながらも、ミスや守備対応の甘さが出て1-7。西田は「ダサいんですけれども……練習試合とかは強いのに、いざ大切な試合になってくると、気合入りすぎてやるべきことができなくて、空回りしてしまってズレちゃったりしています」と首を振る。

 今年の世代は陽気な選手が多く、調子に乗りやすいという一面も。主将はチームメートをリラックスさせることを心がけながら、ピッチではチームの“心臓”としての役割を果たそうとしている。「僕が焦れちゃうとチーム全体も焦れてしまう。僕のポジションもアンカーで心臓なんですけれども、僕が安定しないとチームが安定しないという中で、僕がいかに冷静に安定したプレーができるように心がけています」

 西田は冷静な判断と長短のパス精度が光る九州トップクラスのボランチ。昨年から1ボランチとして名門校の攻守をコントロールしてきた。だが、西田自身も大事な試合で力を出し切れていないことを実感。「大事な試合で結果を残すということが一番自分の知名度を上げるチャンスだと思うんですけれども、そこで僕自身も良いプレーをできないし、名を上げるプレーができていない。大事な試合で自分の安定したプレーを見せれれば良いと思います」。まずは役割を徹底すること。その上で“2人分”に近い動きをして中盤で相手を上回る。

 大所帯をまとめることは「難しい」と明かすが、チームメートとともに強い東福岡を取り戻す一年に。「今年は攻撃に厚みがある。メンバー個人個人が強くて代えもいるし、ポジションの取り合いが今起きている中でチームの層が厚いというのが今年の良いところかなと思います。今からの目標は大事な試合も落とさず、とにかく目の前の試合を全部勝つことを目標にしていきたいです」。昨年は出場機会を得ていた自分たち2年生が力不足だったという考え。一人一人が隙をなくし、やるべきことを貫いて結果に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)

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