beacon

[船橋招待]「もっともっとできる」。市立船橋FW郡司璃来、今年は勝ち続けて高校サッカーを代表するエースへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

市立船橋高のエースFW郡司璃来(新3年=JSC CHIBA出身)は3冠を目標に掲げた

 今年は、市船で勝つ、勝ち続ける――。Jクラブ注目の市立船橋高(千葉)FW郡司璃来(新3年=JSC CHIBA出身)が、約1か月半の離脱を経て復帰。第28回船橋招待U-18サッカー大会では帝京長岡高(新潟)との初戦で劇的な同点ヘッドを決めたほか、数的不利の状況でもゴールに迫って見せるなど毎試合のように対戦相手の脅威になっていた。

 当初はプレミアリーグ開幕前を目処に復帰予定だったというが、早くピッチに立ちたいという思いが強く、予定よりも早く時期に復帰。それでも、郡司は「怪我明けにしては結構動けていると思います」という。ただし、「まだボールロストする回数が多いし、FWなのでボールが来たら点を決めるというのがまだまだかなというのは思います」と反省。現状に満足はしていなかった。

 郡司は1年時のプレミアリーグEAST第18節でハットトリックを達成し、逆転での残留に貢献。昨年もEAST10位で出場したプレミアリーグプレーオフ2回戦で貴重なゴールを決めて残留へ導いている。実力を評価され、1年時にU-16日本代表候補、昨年はU-17日本代表に選出。その一方、チームでは2年連続プレミアリーグの残留争いに巻き込まれ、夏冬の全国大会出場は昨夏のインターハイのみだ。

 今冬、市立船橋が出場できなかった選手権を見て、抱いたのは「国立っていう大きな舞台にチームみんなで立ちたかった。相当悔しかったです」という思い。そして、「チームが勝たないと絶対にみんなの名前は挙がらないので、自分一人だけじゃなくて、市船はやっぱり凄いんだぞと全国に知らせたいと思います」と力を込めた。

 評価を上げていた過去2年について、郡司は「あんまかなというのはあります。もっともっと結果を出さなきゃいけない」と十分な活躍ができなかったと感じている。そして、「『もっともっとできる』と。自分の中では『自分を出し切れていないな』と試合が終わって思うこともあるので。みんな頼ってボール出してくれるので、あとはそれに自分が応えるだけかなと思います」。昨年までに比べてボールを収める力、DFを背負ってキープする力が向上したFWは今年、自分の力を出し切ること。全国大会の準決勝や決勝で周囲が驚くような活躍をして、ゴールを決める。

 本人は一番の課題として、メンタル面を挙げる。試合中、上手くいかずに感情をコントロールできない時も。「なくして良いプレーをして行きたい 難しいですね。(改善するために)頑張っているんですけれどもなかなか変わらない」。リミッターを外して相手に襲いかかるような凄みのある動きも魅力の一つだが、冷静に、チームが勝つための行動を目指す。

 波多秀吾監督も「まだまだメンタル的なところとかでコントロールできていないところはあるけれど、決めないといけないという自覚、責任感は以前よりは出てきている」と期待を寄せた。

 4月2日にプレミアリーグEASTが開幕(対大宮U18)。「まずプレミアがあるんで、去年みたいに辛い、苦しい結果にならないように一戦一戦しっかり戦って勝って、それでインハイを迎えてインハイはしっかりと千葉県予選を突破して、絶対に日本一を取るというのがチームの目標なので、しっかり今年の選手権、プレミア、インハイを3冠できるようにやっていきたい」と目標を掲げた。

 この春は怪我によってU-17日本高校選抜候補合宿を辞退し、Jクラブへの練習参加をすることもできなかった。まだ、実力と知名度が伴っていない印象だが、MF松木玖生(青森山田高→FC東京)やFW福田師王(神村学園高→ボルシアMG)のように高校サッカーを代表するプレーヤーになる可能性を秘めた市船のエース。「注目はされたいです。そこ(高校トップクラス)にいなきゃプロにも行けないと自分でも思っているので、もっと色々な人に見られるような選手になりたいです」。今年、名門のスーパーエースはプレミアリーグや全国準決勝、決勝でチームを勝たせて市立船橋と自身の名を広める。

(取材・文 吉田太郎)

TOP