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[MOM4244]鳥栖U-18MF鈴木大馳(2年)_前日にトップ2種登録。ブレイク候補が持ち味発揮し、先制点

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前日にトップチーム2種登録。サガン鳥栖U-18MF鈴木大馳は先制点を叩き出した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.1 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 鳥栖U-18 3-2 神村学園高 SAGAスタジアム]

「チーム全体で引いてしまい、押し込まれる展開が増えた」。主将のMF先田颯成(3年)が振り返った通り、立ち上がりは思い通りに行かない時間が続いたサガン鳥栖U-18。悪い流れを断ち切ったのは、前日にトップチームへの2種登録が発表されたばかりのMF鈴木大馳(2年)だった。

 本職はFWだが、田中智宗監督は「前線で張るよりは、ライン間とか中間でフラフラするタイプで、ボールを凄く欲しがる」という習性を活かし、4-1-4-1のシャドーとして起用。鈴木は「チームとしては背後を狙っていきたいので、背後へのアクションは欠かさずにやっていた。そこで生まれた中(間)点でボールを受け、前を向いて、チャンスを作っていけたらと思っていました」と狙いについて口にする。序盤は「初戦ということもあって、思うように前からハメに行けなかった」と振り返るが、時間の経過と共に前からの守備も上手くハマり、チームとして高い位置で奪える場面が増えていった。

 相手エリアでの時間が増えれば、ボールを欲する鈴木の持ち味も活きて来る。前半33分には、MF堺屋佳介(3年)からのボールを受けたFW山崎遥稀(2年)がゴール前にスルーパスを入れると、鈴木がタイミングよく相手の密集を抜け出した。ゴール前で受けてから素早く放った左足シュートは、ゴール右隅へ。「真ん中でみんなが集まって、繋がりながら崩せたので練習通り。相手の間をいつも狙っています」と振り返る一撃によって、試合の流れを引き寄せると、チームはそこから2点を加えて、リードを3点差まで広げた。

「後半はきつくなって、全体で連動してハメに行けなくなったのが課題。体力もそうですが、押し込まれて気持ち的にきつくなって、前から行けなくなった」と反省点もあるが、チームに果たした貢献は大きい。押し込まれる展開となった後半も一瞬の隙を狙い続け、得点には至らなかったが、後半37分にも上手くゴール前でフリーの場面を作るなど、最後までゴールの匂いを漂わせた。

 中学時代は愛知県の強豪、FC.フェルボール愛知でプレー。DF竹内諒太郎(トップチーム昇格後、現在はCriacao Shinjukuにレンタル移籍中)ら中学時代の先輩が在籍していたことがきっかけで、自らも鳥栖への加入を決めた。「先輩たちから良いチームと聞いていて、実際に行ってみてたら、強度や意識が凄く高く、環境も申し分なかったのが魅力だった」

 昨年は中学時代と比べてレベルが上がった守備と戦術に苦しみ、セカンドチームが出場したプリンスリーグ九州でのプレーがメインとなったが、「プリンスでは自分が中心となってやっていくみたいな気持ちが出せていたので、やりたいプレーができていた」。プレミアリーグも試合終盤での交代出場がほとんどだったが、13試合に出場。第8節のガンバ大阪ユース戦、第9節のセレッソ大阪U-18戦では2試合連続ゴールをマークした。

 プレミアリーグファイナルを制し、日本一となった先輩たちと一緒にプレーできたことも成長を促進する意味でも大きかった。「福井(太智)君や坂井(駿也)君は走ったり、戦ったり、球際で戦ったり、サガン鳥栖のベースや基本ができていた。そこに上乗せして、技術やセンスもあるので、目指して行きたい。まだ自分には足りないので、これから付けていきたい」。

 今年はプレミアリーグを戦うAチームで主力としての活躍が期待される。本人も今年にかける意気込みは強い。「2種登録されたので、違いを出していかないといけない。今年は得点という数字に拘っていきたい」と口にする男からは、ブレイクの予感が漂っている。

(取材・文 森田将義)
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