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代表に自分がいないことを「悔しい」と思えるように。健大高崎DF新井夢功は意識高い日々を過ごし、プリンス関東1部でアピール

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健大高崎高DF新井夢功(2年=前橋FC出身)はプリンスリーグ関東1部で成長とアピールを続ける

[4.1 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第1節 帝京高 2-2 健大高崎高 帝京北千住G]

 昨年、“まさか”の初選出された“代表”は、絶対にまた呼ばれたい、定着しなければならないという存在に変わった。健大高崎高(群馬)は1日、初挑戦のプリンスリーグ関東1部初戦で勝ち点1を獲得。注目の22年U-16日本代表DF新井夢功(2年=前橋FC出身)も帝京高(東京)相手に好守を見せた。

 3バックの左で先発した新井は、背後へのボールに落ち着いて対応。その守備能力の高さで相手の仕掛けを封じていた。また精力的に味方をサポートし、ゴール前では決定打を打たせず。ただし、前半は背後を気にしすぎたことで前線から下りる選手へのチャレンジが遅くなり、起点を作られてしまっていた。

 後半立ち上がりの失点シーンも、逆サイドのカバーに深く行き切れなかったことを反省。それでも、後半はチームが流れを引き寄せた中でインターセプト、ヘディングで跳ね返す回数を増やしていた。

「後半は割りとボール取れてフリーの選手にボールをつけられたので良かったんですけれども、もっと球際強く行って相手に何もやらせないくらいの気持ちで行かなきゃダメだと思います」

 近い目標は、U-17日本代表の一員としてAFC U-17アジアカップ(6月)に出場すること。この日は自分のところからほとんどチャンスを作らせず、効果的な左足キックも見せていたが、求めるものはもっと高いところにある。

 新井は昨年12月のU-16日本代表パラグアイ遠征に初招集。貴重な経験で終えるのではなく、本気で代表定着を目指すDFは、「(変化したのは)食事です。海外とやるとなったら大きい選手がいっぱいいるので、その選手に負けないような体つきになれるように普段から意識しています」。意識して体重を増加。また、ピッチでは目の前の選手に負けないこと、周りの選手を動かすこと、失点しないことにこだわってプレーしている。

 だが、3月に行われたU-17日本代表のアルジェリア遠征はメンバー外に。この落選が本人の闘志に火をつけている。新井は「その悔しさでもっとやらなくちゃなと刺激になりました。一日一日の練習を大切にして、普段から意識高くしてやっていきたい」と語り、篠原利彦監督も「アルジェリア遠征に行けなくて悔しい思いをプリンスで返そうぜ、とやってくれています」とその取り組みを評価していた。

 新井が代表入りしたことでチームメートたちの視線が上がっていることは確か。新井は今年、より多くの景色を健大高崎に見せる意気込みだ。「今年は自分が中心になってチームを勝たせたい。去年、先輩たちのお陰で本当に良い経験をさせてもらったので、今年は自分が良い景色を見せられるように、負けないという気持ちでやっています」。この日、初めてプリンスリーグ関東1部の強度、スピード感を経験。2部とは異なる環境で成長できるという感覚がある。対戦相手にいるU-17日本代表候補の選手たちを上回るようなプレーを続け、チャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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