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旭川実の右SB庄子羽琉主将がプレミアで賢さ、個の力を発揮。経験するだけでなく、「成長に繋げていかないといけない」

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旭川実高の右SB庄子羽琉主将(3年=北海道コンサドーレ旭川U-15出身)がドリブルで中へ潜り込む

[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 前橋育英高 3-0 旭川実高 前橋育英高高崎G]

 ゴール前の攻守の部分で差をつけられるなど、旭川実高(北海道)は開幕2連勝を逃す結果に。だが、印象的な動きを見せる選手も多かった。中でも、右SB庄子羽琉主将(3年=北海道コンサドーレ旭川U-15出身)は後半、ワンツーやドリブルで敵陣の深い位置やPAへ侵入。エンドライン際の攻防を制してラストパスに持ち込むなど、チャンスに絡んでいた。

 富居徹雄監督は0-3で終わったこの日の試合について、「ちょっと嫌なことをするところとか。相手の方が上手かった。ゲーム頭の違いがあった」と振り返ったが、前橋育英高(群馬)の選手のようにプレーの賢さや身体の使い方の巧さを見せていたのが庄子だ。

 昨年からレギュラーを務め、インターハイ全国大会などでプレーしてきた右SBは状況に応じて相手の流れを切ったり、相手の逆を取って素早く仕掛けたり、賢いプレーの連続。その賢さに加え、ボールキープ力の高さや攻撃参加の強みを表現していた庄子について、富居監督も「去年から使っているし、北海道の感覚じゃないかもしれない。気の利いた身体の使い方ができていた」と評価していた。

 庄子は昨年、本州のチームとの公式戦やフェスティバル、練習試合から学び、取り入れることを繰り返してきたという。その力をプレミアリーグの強豪相手にも表現。ただし、「きょうに関しては自分がドリブルで持っていったりしていたんですけれども、もっと結果にこだわってやることでチームの勝利に繋げていきたい。チームが勝たないと意味がないと思っているので、もっとチームに貢献できる選手になりたい」と厳しい。

 向上心の強いSBにとって、プリンスリーグ北海道よりもレベルの高いプレミアリーグは成長を加速させる場だ。「本州の強いところと毎週毎週やれるので、さらに良いところを吸収して自分の成長に繋げたい。プレミアリーグに上がって難しい部分だったり、逆に自分が出せている部分だったり、そういうのが常に出てくるので、1試合1試合整理して、修正して、進路にも影響を与えてくれると思うので、周りから『この選手良いな』と思ってもらえる選手になりたい」と力を込めた。

 中学卒業時、北海道コンサドーレ旭川U-15から北海道コンサドーレ札幌U-18へ昇格することができなかった。「この環境に身を負いたら一番成長に繋げられると思ったので」地元でもある旭川実へ進学。下級生から先発し、今年は北海道のチームで唯一プレミアリーグを戦っている。元日本代表の右SB内田篤人のプレー、性格、発言を含めて「堂々としているし、ブレないところが好きです」という右SBは個人、チームとして成長を続けて、これからの旭川実のレベルアップにも繋げる考えだ。

 今年は、11年ぶりにプレミアリーグに参戦し、7月末からは地元・旭川でインターハイも開催される。「今年は色々な経験が積めますし、だからと言って良い経験をしたからといって自分たちの成長に繋げていかないといけないですし、自分たちのサッカーを高いレベルでやることで自分たちのレベルもそうですし、これからの旭川実業のサッカーのレベルアップできると思うので考えながら戦っていきたい」。次節は今季初のホームゲームで青森山田高(青森)を迎え撃つ。今の自分たちの力を全力でぶつけて白星を掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)
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