beacon

選手権は優勝校を押し込むもPK戦で涙。國學院久我山はCB普久原陽平主将中心に土台を築き、昨年超えへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

CB普久原陽平主将(3年=ジェファFC出身)は守備範囲広くカバーし、國學院久我山高を支えた

[4.16 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第3節 國學院久我山高 2-2 桐光学園高 國學院大學たまプラーザG]
 
 國學院久我山高(東京)は1月の全国高校選手権3回戦で岡山学芸館高(岡山)に敗戦。ボールを保持して相手を押し込み続けたが、1点を奪うことができず、PK戦で日本一への道を断たれた。その後、岡山学芸館は厳しい戦いを乗り越えて全国制覇。岡山学芸館戦を経験していたCB普久原陽平主将(3年=ジェファFC出身)は、「もっとやれたなというのが、周りからも言われましたし、自分でも感じましたね」と振り返る。

 絶対的なエースで、日本高校選抜でも大活躍したFW塩貝健人(現慶應義塾大)ら3年生が卒業。新チームは「今年はインターハイ、選手権で全国行きたいですし、去年よりももっと上の成績を残したいです」(普久原)という目標を持ってスタートを切っている。

 昨年度は、塩貝やFW中山織斗(現同志社大)ら攻撃陣の特別なタレントがチームを引っ張った。一方で今年は李済華監督が「(今日の試合、)ディフェンスはCKから2点だけど、これからもっと良くなってディフェンスの安定感とか強さが出てきたとしたら、これからのウチの戦う土台になるんじゃないか」というように、守備の安定感や強さが基盤となりそうだ。

 この日は、普久原が桐光学園高(神奈川)の強力なサイドアタッカーの突破もケアするなど守備範囲の広い守り。特に終盤は普久原は「久我山は正直、前へ(人数を)掛けるサッカーをしているので、CBとしてはそのくらいの幅の広さを取るように言われているので。特にカウンターとかなったらCB2枚とか3枚とかしかいなくなってしまうので、そこは意識しています。(攻撃は)去年が凄すぎたので。(自分たちは)守備から。自分たち(DF陣)が頑張らないといけないと思っています」と自覚してチームを支えている。

 李監督が「普久原は元々集中力も高いし、気持ちも強いし、リーダーシップも良い。ウチの子って基本的に勉強する子たちじゃないですか。彼も理系で勉強する子。私なんかは、彼は集中力もリーダーシップも含めてプロで通用する選手だと思っている」と推す注目株。U-17日本高校選抜候補MF近藤侑璃(2年)が負傷離脱中だが、この日は普久原と巧さの光るCB馬場翔大(3年)を中心に堅い守りを構築する時間帯も多かった。

 普久原は昨年度の経験も活かす考えだ。「全国の経験が自分は初めてだったので、そこで色々な経験をさせてもらって、自分に足りないところとか通用したところも見つけられたので、そこも今年の選手権やインターハイで活きてくると思います」。大舞台で相手との特別な差は感じなかった。だが、観衆の中で浮ついてしまったり、細かなミスがあったことを確認。課題を改善できるように準備し、自身はそのカバーリング力や強さといった武器を磨いて昨年超えに挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●高円宮杯プリンスリーグ2023特集

TOP