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[球蹴男児U-16]CB、ボランチ、FWでプレー。万能性見せた佐賀商DF今泉礼央は“点も、守備も”

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FWとしてもプレーした佐賀商高DF今泉礼央(1年=デサフィオーラFC)

[5.3 球蹴男児U-16リーグD2第1節 佐賀商高 0-5 宮崎日大高 大津町運動公園多目的A]

「この試合で勝つために大会を重ねながら、守備と攻撃の練習をたくさんやってきたのですが、緊張感がプレーに出てミスが多くなった結果、失点が続いた」。ゲーム主将を託されたDF今泉礼央(1年=デサフィオーラFC出身)が悔やんだように、佐賀商高(佐賀)は開幕戦ならではの難しさに苦しみ、5失点で敗れた。

 試合を難しくした原因の一つは前半の連続失点。今泉が「試合入りの2失点がキツかった」と振り返った通り、前半の飲水タイムまでに2ゴールを許し、思い通りに試合の流れを掴めなかった。

 だが、後半は「佐賀商業はまず前提に粘り強い守備がある。そこから攻撃とかコンビネーションで崩していくのがスタイル。とにかく前を向いて自分たちのサッカーをして点を獲りに行こうとコーチに言われた」(今泉)。

 前半は前線にボールを入れる場面が少なかったが、今泉が「キツい時にボールをおさめて、時間を作ってくれる」というFW中村拓未を目掛けてボールを配球。後半2分には相手GKの好セーブに阻まれたが、中村のポストプレーからロングシュートを放つなど佐賀商の見せ場を増やしていく。

 8分にはMF齋藤悠斗の右クロスから、中村がヘディングシュート。25分には途中出場のFW小寺将斗がカットインからゴールを狙うなど、得点には至らなかったが前半とは違う姿を見せ、今後の可能性を感じさせた。

 今泉自身も試合の流れに合わせて3つのポジションを務め、万能性を示した。中学時代はFWだったが、高校に入ったタイミングでコーチに「センターポジションのどこでもできるようになれ」との指示を受けた。

 この日のスタートはCBで、「相手の足元に入った時に、しっかり行こうと意識している。あとは結構蹴れるので、テンポやロングボールの質を意識している」。試合中盤にはボランチへと入り、ゴールが欲しかった試合終盤は本職であるFWになった。

「自分は声を出して引っ張るタイプなので、伝える部分が足りなかったし、FWになってからも点が獲れなかった。そこは自分の課題。点を獲れたり、守備ができるようになったらチームが良い方向に向いて行くと思う」と反省を口にしたが、各ポジションでキラリと光るプレーを見せており、これからの活躍が期待される。

 幸いにも今年の佐賀商のAチームには競り合いに強いCB平山颯汰(3年)、ポストプレーと推進力に長けたFW古賀航太郎(3年)と良いお手本がいる。「平山君からはカバーリングやコーチングが学べる。FWの古賀航太郎君はボールの収め方や、ボールを呼び込む声出しがお手本になっています」。

 中学3年生の時は県外の強豪や、佐賀のライバルである佐賀東高への進学も考えていたが、「粘り強く泥臭い所に魅力を感じて、選びました」と佐賀商への入学を決意した。昨年の選手権予選、今年に入ってからの新人戦と現在は県の決勝で、2大会連続で負けている。今年は雪辱を果たし、全国大会へと進むことが目標だ。今泉はトップチームの全国行きに貢献できるように、球蹴男児で活躍を目指す。

(取材・文 森田将義)

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