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[MOM4289]八千代FW田中拓光(3年)_千葉準決勝で双子の兄と兄弟対決。泥臭く戦い続けて大仕事

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後半アディショナルタイム、八千代高FW田中拓光(3年=FCラルクヴェール千葉出身)が力強い突破でPKを獲得

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.13関東大会千葉県予選準決勝 習志野高 0-1 八千代高 ゼットエー]

 八千代高の岡本一洋監督は殊勲の背番号9について、「本当にマジメな男で、サッカーに対して、日常生活においてもどんどん良くなっていきます。(PK獲得のシーンは)泥臭いプレーが一生懸命にできたと思うので、ありがたいプレーでした」と絶賛する。チーム内では先発争いの最中。そのFW田中拓光(3年=FCラルクヴェール千葉出身)が、後半アディショナルタイムにPKを獲得した。

 田中は中盤から右オープンスペースへ配給されたボールに反応。ここから対応したDFの前に体をねじ込んでさらに前に出る。そして、PAへわずかに入ったところで倒されてPKを獲得。最初にファウルを受けた位置ではPAの外側だったが、そこで倒れず、泥臭く一歩でも前に進もうとしたことがチームに先制の絶好機をもたらした。

「いつもああいうシーンは結構得意で、ああいうところは体をねじ込んで狙っているのでそれができたんで良かったです。(試合終盤は)足攣りそうだったけれど、意地で」。体力的に苦しい後半、チームの特長でもあるコツコツ続けることを体現してビッグプレー。このPKを右SB吾妻蒼太主将(3年)が決めて決勝点となった。

 この習志野高戦は負けられない戦いでもあった。習志野のCB田中晃太(3年)は田中にとって双子の兄。「小学校、中学校は同じチームでやっていて、その時はキックとか強くて上手かったんですけれども、久々にやってみて対人とか強くなっていた。結構負けているところも多かった」と評する。

 それでも、「1チャンス狙って絶対に勝ってやるという気持ちで」戦い続けた田中が自らの大仕事によって、兄弟対決勝利。「今後選手権まで時間があるので、次戦う時に勝てるように頑張りたい」と兄以上の成長をすることを誓っていた。

 まずはチームでスタメンに定着すること。「まだスタメンで定着している訳ではないし、途中から出てきたFW海野(快斗、3年)とポジション争いしているのでお互いに高め合って、勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。前線でボールを収める力や、推進力を持って前に出る力をより磨き、今年、八千代の目標である全国優勝や関東制覇の力になる。

(取材・文 吉田太郎)

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