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茨城決勝で水戸啓明の大型MF親川達貴主将が存在感。ロングキックやリーダーシップでチームを牽引

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水戸啓明高MF親川達貴主将(3年=FC福生出身)は茨城決勝で存在感のある動き

[5.14 関東大会茨城県予選決勝 霞ヶ浦高 3-0 水戸啓明高 ひたちなか陸]

 試合には敗れたものの、80分間の戦いで一際存在感を放っていたのがMF親川達貴(3年=FC福生出身)だ。水戸啓明高の主将を務める180cm、72kgの大型ボランチ。CBを務めていた昨年も強さと正確なキックを見せていた親川はポジションが上がり、その特長をより発揮している印象だ。

 この日、水戸啓明はボールを保持しながら丁寧なビルドアップ。1ボランチを務める親川の下にボールが集まる中、1タッチを中心にパスを出し入れしていた。そして、親川は状況判断良くオープンスペースの味方選手へロングボール。相手に対応されたシーンもゼロではなかったものの、右足から素晴らしい軌道のロングパスを3本4本と通してスタンドを沸かせていた。

 本人は、CBよりも得意なパスを発揮できる中盤でのプレーを希望。自分の見て欲しいところは「パスとか展開力とかは自信があるのでそこと、相手見ながらサッカーできるところ」。左膝の負傷で万全ではなく、アジリティは課題。ボールを奪い切れなかったシーンがあったことも確かだが、空中戦、地上戦でよく体を張っていた。また、「自分、引っ張っていくのは自信がある」。セットプレーや守備時などでも良く声が出ていたこともその存在感を高めていた。
 
「目標とする選手は、アグレッシブだけど丁寧なMF松木玖生選手(FC東京)とかMF長谷部誠選手(フランクフルト)」。そのMFは「結果に出ていないのでゴール取らないとアピールできないと思いますし、まだまだ。一瞬の隙を差せるような、チームとして良い方向に持っていけるような、立場的にも声とかでチームを勝たせられるようにしたい」と意気込んでいる。

 今年の水戸啓明について、親川は波があることが課題だと分析する。この日は狙いとする組み立てはできていたが、前に出て来ない相手に対し、勇気を持って縦パスを入れたり、割って入ったりすることができなかったという。

 ただし、FW菊池琉生(3年)やFW綿引廉(3年)、FW片岡諒(3年)の3トップや中盤、DFラインにもMF田口太輝(3年)ら特長のある選手が多い。「1試合に懸ける思いとか去年よりもこだわってやっている」と親川。県タイトルこそ逃したものの、8年ぶりとなる関東大会出場を決めた。

 親川は「自分たちは、関東、インターハイ、選手権って3つの大会全部取るって決めていてきょう取れなくて……。でも、久しぶりに関東大会出られるので、1回でも多く勝って1試合でも多くやれるように頑張りたい」。この日の県決勝や関東大会の経験をインターハイ予選、選手権予選での優勝に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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