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[MOM4294]桐蔭学園FW田村陸人(2年)_今季初先発の2年生ストライカーが個で打開して待望のゴール

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後半15分、桐蔭学園高FW田村陸人(2年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)が貴重なゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.20 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第7節 西武台高 0-4 桐蔭学園高 西武台高第2G]

 桐蔭学園高(神奈川)の八城修監督は試合後、「あれが本当に良かった。2点目取れたのが本当に大きかったですね」と頷いた。昨年度のインカレ王者・桐蔭横浜大の総監督を兼任する指揮官は、高校サッカーの1点差の危険度を実感している。事故的な失点やミス絡みの失点が起こりやすい。実際、桐蔭学園は前半に先制したものの、セットプレーやロングボールでゴール前のシーンを作られたりしていた。

 だが、後半15分、桐蔭学園は個の力で2点目を奪い取る。右サイドへ抜け出したFW田村陸人(2年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)が対応したDFを強引に剥がしてPAへ侵入。最後はGKを良く見て右足シュートを流し込んだ。

「前半から(1対1で)行けるという自信はあったので、ドリブルで突破して気持ちで決めたという感じです」。得意な形だというDFの前に潜り込む突破。このゴールでチームは大いに盛り上がった。

 田村は前節、GKとの1対1で抜きに行って決められず。この日の前半にもDFと入れ替わって独走しながらシュートを打ち切れずにチャンスをフイにするシーンがあった。ベンチからは苦笑いも見られたが、彼が突破するたびに盛り上がっていたことも確か。立ち上がりからサイドを打開し、混戦でシュートを打ち切るなど相手にとって怖い存在になり続けていた。

 そして本人、チームにとっても待望のゴール。ベンチに駆け寄った2年生FWに対し、八城監督やコーチ陣、サブの選手も「タム!」と声を掛け、ハイタッチを求めていた。その田村は試合終盤でも前線で競り勝ち、決定的なシーンを演出。怪我の10番FW福岡蓮太郎(2年)に代わって初先発のストライカーが、期待に応えた。

 1年時から出場機会を得て、プリンスリーグ関東2部で決勝ゴールも決めている、その田村の目指す姿は22-23年シーズンのスコットランドPFA年間最優秀選手賞を受賞したFW古橋亨梧だ。

「今後はFWとして、監督には『古橋亨梧選手みたいになってくれ』と。裏抜けだったり突破力ができて、なおかつ得点が取れる選手になりたいです。これからも結果にこだわって、自分の得意な突破力を活かしてインターハイでは得点王を目指したいです」。中学時代は力を認められながら消極的な面もあり、ギリギリでユースチーム昇格ならず。「グイグイ行くのが好きです」というFWは、桐蔭学園で持ち味のスピード、突破をどんどん表現し、ゴールを連発してここから名を上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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