進化する静岡学園が残留争いに完勝、米子北はショックの大きい敗戦
[9.8 プレミアリーグWEST第13節 米子北高 1-3 静岡学園高 どらドラパーク米子陸上競技場]
「左サイドバックの侵入」が止まらなかった。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第13節、静岡学園高は3-1で米子北高を破り、残留争いの直接対決を制した。
試合内容は、スコア以上の差があった。米子北は前半1分で先制し、前半18分に2本目のシュートを打ったところまでは互角以上に戦っていたが、その後、シュートを打つ場面はなかった。
対照的に、開始早々に失点した上、7分に右MF原星也(3年)が頭部を打って交代となる最悪のスタートになった静岡学園は、じっくりとした攻撃で敵陣に押し込み、一方的な試合を展開。特に左DF鵜澤浬(3年)のドリブルによる持ち運びが効果的で、何度も左サイドから攻め込んだ。
鵜澤は「攻撃のリズムは、作れたと思う。相手が前から(奪いに)来るチームだったので、預けて動くことは意識した。細かいミスをなくして安定感を出さないと生き残れないと思い、夏の遠征からボールを持っているべきかどうかの状況の把握を意識して、少しずつ成長できていると思う」と手ごたえを語った。
トップ下の山縣優翔(2年)、ボランチの篠塚怜音(2年)が中央で関わると、視線を上げたドリブルで米子北に守備の的を絞らせなかった。前半31分に相手のクリアを前線で引っ掛け、こぼれ球をFW乾皓洋(3年)が蹴り込んで同点。後半も左からの攻撃は止まらず、後半5分に左を崩してボランチのMF堀川隼(3年)が逆転弾。後半14分に右CKから乾がヘディングで加点すると、余裕を持ったパス回しで相手を翻ろう。シュート数17対2、CK数6対1、FK数13対6と、スコア以上の内容で圧倒した。
インターハイはSBでも起用されたMF篠塚は、夏の遠征から中央に固定。「ドリブルをしているときでも、効果的な味方の動きは見て、パスかドリブルかシュートか判断している。ゴールに直結するプレーがまだ少ないのは課題だけど、常に周りが見えているのは、武器だと思っている」と特長を生かせるエリアでの自信と、さらなる進化への意欲を示した。
主将の右SB野田裕人(3年)が夏の遠征で再負傷し、長期離脱の見込み。MF天野太陽(3年)を右SBに起用した川口修監督は「ほかに2人の選手が右SBでプレーしてきたけど、今日は天野を初めて使ってみた。運動量があるし、(守備で)球も拾える。上がっていけば、クロスの精度もある。意外と良かった。まだ分からないけど、天野が慣れて定着すれば穴が埋まる」と新たな起用法に手ごたえを得ていた。
チーム全体も上り調子。川口監督は「チームの成熟度が上がり、選手が自分の特徴を出せるようになった。インターハイまでは、ミスが多く、カウンター攻撃を受け過ぎていた。今日は、サイドを割る場面も少なく、ロングスローなどのセットプレーを与える回数も少なかった」とチームの成長を認めた。
一方、米子北の敗戦のショックは、大きかった。中村真吾監督は「うちの強みは右サイド。押し込めればと思ったけど……」とサイドの攻防を破られた一戦に肩を落とした。出だしは右で押し込んで左から得点という理想の形で先制に成功したが、持ち味を発揮する時間が短すぎた。運動能力のあるFW石飛五光(2年)や、負傷を抱える主力MF柴野惺(3年)を投入しても流れは変わらなかった。主将のFW鈴木颯人(3年)は「1点取って、少し守りに入って、自分たちで崩れて行ってしまった。たくさんの方が応援に来てくれたのに、申し訳ない。(ボールの)奪いどころがハッキリせず、無駄に走ってしまい、運動量を削られて、最後は走れなくなり、中で崩されるようになってしまった」と試合のペースを失ってから、どうすることもできなかった試合を悔やんだ。
精度の高いボール保持によって攻撃の時間を増やし、守備が安定した静岡学園。持ち味を発揮できない流れをこらえられなかった米子北。リーグ戦の残留争いは続くが、冬の高校選手権に向けて両チームがどのような上積みをしてくるかも楽しみだ。
(取材・文 平野貴也)
●高円宮杯プレミアリーグ2024特集
「左サイドバックの侵入」が止まらなかった。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WEST第13節、静岡学園高は3-1で米子北高を破り、残留争いの直接対決を制した。
試合内容は、スコア以上の差があった。米子北は前半1分で先制し、前半18分に2本目のシュートを打ったところまでは互角以上に戦っていたが、その後、シュートを打つ場面はなかった。
対照的に、開始早々に失点した上、7分に右MF原星也(3年)が頭部を打って交代となる最悪のスタートになった静岡学園は、じっくりとした攻撃で敵陣に押し込み、一方的な試合を展開。特に左DF鵜澤浬(3年)のドリブルによる持ち運びが効果的で、何度も左サイドから攻め込んだ。
鵜澤は「攻撃のリズムは、作れたと思う。相手が前から(奪いに)来るチームだったので、預けて動くことは意識した。細かいミスをなくして安定感を出さないと生き残れないと思い、夏の遠征からボールを持っているべきかどうかの状況の把握を意識して、少しずつ成長できていると思う」と手ごたえを語った。
トップ下の山縣優翔(2年)、ボランチの篠塚怜音(2年)が中央で関わると、視線を上げたドリブルで米子北に守備の的を絞らせなかった。前半31分に相手のクリアを前線で引っ掛け、こぼれ球をFW乾皓洋(3年)が蹴り込んで同点。後半も左からの攻撃は止まらず、後半5分に左を崩してボランチのMF堀川隼(3年)が逆転弾。後半14分に右CKから乾がヘディングで加点すると、余裕を持ったパス回しで相手を翻ろう。シュート数17対2、CK数6対1、FK数13対6と、スコア以上の内容で圧倒した。
インターハイはSBでも起用されたMF篠塚は、夏の遠征から中央に固定。「ドリブルをしているときでも、効果的な味方の動きは見て、パスかドリブルかシュートか判断している。ゴールに直結するプレーがまだ少ないのは課題だけど、常に周りが見えているのは、武器だと思っている」と特長を生かせるエリアでの自信と、さらなる進化への意欲を示した。
主将の右SB野田裕人(3年)が夏の遠征で再負傷し、長期離脱の見込み。MF天野太陽(3年)を右SBに起用した川口修監督は「ほかに2人の選手が右SBでプレーしてきたけど、今日は天野を初めて使ってみた。運動量があるし、(守備で)球も拾える。上がっていけば、クロスの精度もある。意外と良かった。まだ分からないけど、天野が慣れて定着すれば穴が埋まる」と新たな起用法に手ごたえを得ていた。
チーム全体も上り調子。川口監督は「チームの成熟度が上がり、選手が自分の特徴を出せるようになった。インターハイまでは、ミスが多く、カウンター攻撃を受け過ぎていた。今日は、サイドを割る場面も少なく、ロングスローなどのセットプレーを与える回数も少なかった」とチームの成長を認めた。
一方、米子北の敗戦のショックは、大きかった。中村真吾監督は「うちの強みは右サイド。押し込めればと思ったけど……」とサイドの攻防を破られた一戦に肩を落とした。出だしは右で押し込んで左から得点という理想の形で先制に成功したが、持ち味を発揮する時間が短すぎた。運動能力のあるFW石飛五光(2年)や、負傷を抱える主力MF柴野惺(3年)を投入しても流れは変わらなかった。主将のFW鈴木颯人(3年)は「1点取って、少し守りに入って、自分たちで崩れて行ってしまった。たくさんの方が応援に来てくれたのに、申し訳ない。(ボールの)奪いどころがハッキリせず、無駄に走ってしまい、運動量を削られて、最後は走れなくなり、中で崩されるようになってしまった」と試合のペースを失ってから、どうすることもできなかった試合を悔やんだ。
精度の高いボール保持によって攻撃の時間を増やし、守備が安定した静岡学園。持ち味を発揮できない流れをこらえられなかった米子北。リーグ戦の残留争いは続くが、冬の高校選手権に向けて両チームがどのような上積みをしてくるかも楽しみだ。
(取材・文 平野貴也)
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