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[静岡県ヤングサッカーフェス]“怪物候補”FW大石脩斗が2発!「連続」「連動」のU-17日本高校選抜が静岡県ユース選抜を2-0で撃破

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前半15分、U-17日本高校選抜FW大石脩斗(鹿児島城西高/2年)が先制ヘッド

[3.2 静岡県ヤングサッカーフェス(U-17男子の部) 静岡県ユース選抜 0-2 U-17日本高校選抜 草薙球]

 2025年シーズンの主役候補たちが、「連続」「連動」と注目ストライカーの2発で勝利ーー。2日、第40回静岡県ヤングサッカーフェスティバル(U-17男子の部)でU-17日本高校選抜と静岡県ユース選抜が激突。FW大石脩斗(鹿児島城西高/2年)の2得点によって、U-17日本高校選抜が2-0で勝利した。

 U-17日本高校選抜は全国の高校サッカー部に所属する1、2年生の“代表チーム”。先発はGK松田駿(青森山田高/2年)、右SB村上慶(大津高/2年)、CB齊藤空人(鹿島学園高/2年)、CB中野陽斗(神村学園高/2年)、左SB竹ノ谷優駕主将(前橋育英高/2年)、中盤は柴野快仁(前橋育英高/2年)と篠塚怜音(静岡学園高/2年)のダブルボランチで右SH山崎絢心(富士市立高/2年)、左SH伊藤湊太(京都橘高/2年)、前線で宮本周征(帝京高/2年)と大石がコンビを組んだ。

U-17日本高校選抜の先発メンバー

 一方、静岡県ユース選抜は静岡県内の高体連、クラブユースの1、2年生によって構成されたチーム。先発はGK後藤悠貴(清水ユース/2年)、右から岩永京剛(清水ユース/2年)、村上太郎(清水桜が丘高/2年)、甲斐佑蒼(磐田U-18/2年)、針生涼太(清水ユース/2年)の4バック。中盤は高澤海志(磐田U-18/2年)と四海星南(静岡学園高/2年)のダブルボランチで2列目に神吉俊之介(静岡学園高/2年)、土居佑至(清水ユース/2年)、泉孝太郎(藤枝東高/2年)、そして最前線に佐々木雄基(静岡学園高/2年)が入った。

静岡県ユース選抜は個々の技術の高さを見せた

 序盤は静岡選抜の巧さが光る展開に。中盤、前線に技術力の高い選手が並ぶ静岡選抜は土居や四海、高澤の相手を食いつかせながらの1タッチパスや神吉、佐々木、泉のドリブルで高校選抜のプレッシングを剥がして前進し、ゴール前のシーンを作り出して見せる。

静岡県ユース選抜は10番MF土居佑至(清水ユース)やMF泉孝太郎(藤枝東高、右)が巧みにボールを前進させる

 だが、高校選抜はファーストシュートで先制点を奪う。前半15分、中盤右寄りの位置から柴野が距離の長いFKを蹴り込むと、これをファーサイドの大石が滞空時間の長い跳躍から頭で合わせ、逆サイドのネットに決めて見せた。

前半15分、U-17日本高校選抜はMF柴野快仁(前橋育英高/2年)が右足FK

FW大石脩斗(鹿児島城西高/2年)が頭で決めて先制

歓喜のU-17日本高校選抜の選手たち

 高校選抜は前半、静岡選抜の切り替えの速い守備や鋭いアプローチの前に個性派のアタッカー陣がなかなか特長を出せていなかった。それでも、注目ストライカーのファインゴールリード。対する静岡選抜は失点後もリズムを崩さずに攻め、26分には怪我を抱える佐々木をFW石塚蓮歩(磐田U-18/2年)と入れ替える。高校選抜は徐々に相手の戦い方に慣れ、球際の強度や「連続」「連動」の意識が向上。柴野が厳しくボールを奪いに行ったほか、大石、伊藤らアタッカー陣も献身的な守備を続ける。

 31分には篠塚のインターセプトから速攻を繰り出し、大石が右足シュート。大石をターゲットに宮本や伊藤、篠塚が攻撃に係わろうとしたほか、柴野や宮本がドリブルでボールを運ぶなど個の力と連動性を活かして2点目を狙う。40+2分には柴野のFKからファーサイドの齊藤がヘディングシュート。これはポストのわずか右へ外れたが、高校選抜は1-0で前半を折り返した。

静岡県ユース選抜はCB甲斐佑蒼(磐田U-18)らDF陣も奮闘

 静岡選抜は後半開始から神吉をJ3で開幕から3試合連続出場中のFW中野遥翔(沼津U18/2年)へスイッチする。高校選抜は山崎がドリブルでDF間を切り裂くシーンがあったが、静岡選抜も注目MF中野が圧巻のスピードで右サイドを突破してチャンスを創出する。

静岡県ユース選抜は前日にJ3出場の高速MF中野遥翔(沼津U18)が圧倒的なスピードを披露

 10分には中野のチャンスメイクから石塚が左足を振りに行くが、高校選抜CB中野がブロック。それでも連続攻撃を繰り出し、最後は泉とのワンツーから高澤が決定的な右足シュートを放つ。だが、高校選抜GK松田が至近距離からのシュートをストップ。松田はさらに切り替え速く浮き球に反応し、大きく弾き出してピンチを凌ぐ。

U-17日本高校選抜CB中野陽斗(神村学園高/2年)が相手のシュートをブロック

後半10分、静岡県ユース選抜MF高澤海志(磐田U-18)が決定的な右足シュート

U-17日本高校選抜GK松田駿(青森山田高/2年)はビッグセーブからすぐに切り替えて反応し、パンチング

 中村真吾監督(米子北高)が「対応能力というか、2対1で行くか行かないかの判断で行かずにしっかりと止まれていたし、1番素晴らしいのは1対2や数的同数とかもあったけれど、そこでちゃんと時間かけたり、DF陣は良かったですよね」と称賛したように、高校選抜はDFリーダーの中野と齊藤、右SB村上慶、左SB竹ノ谷の4バックが終始対応力と責任感、リーダーシップを表現しながら安定した守りを続けていた。

 静岡選抜は13分、ともにドリブルで前進する力やキープ力を発揮していた泉と土居をMF杉山琥二郎(清水ユース/1年)とFW田中莉安(清水桜が丘高/2年)へ交代。高校選抜は15分に齊藤が負傷交代し、CB塩田航央(東海大相模高/2年)を投入した。

 高校選抜はさらに21分、柴野と山崎をMF湯月哲大(米子北高/2年) とMF白井誠也(前橋育英高/2年)へスイッチ。塩田が粘り強い対応を見せたほか、湯月は守備の強度を高め、静岡のファンからも注目されていた白井が右サイドでドリブル突破を試みる。

 静岡選抜は村上が相手の縦に速い攻撃に良く対応していたほか、CB甲斐やGK後藤も安定。また、針生と岩永の両SBもサイドで堅い守備を続けていた。26分には後藤と甲斐、攻守でボールに係わり続けていた四海をGK宮崎真心(藤枝東高/2年)、DF原崎晄(磐田東高/2年) 、DF水谷健斗(浜松開誠館高/2年)へ交代。そして、伊藤や田中のスピードを活かした攻撃などでゴールを目指すが、高校選抜は竹ノ谷や村上らが人数をかけた対応でボールを奪い返す。

 迎えた後半36分、高校選抜は右の宮本から最前線の大石へ斜めのパスが通る。大石は得意のターンからマークを外し、左足シュートを右隅へ決め切って2点目。“怪物候補”のストライカーが実力を示し、2-0とした。

後半36分、U-17日本高校選抜FW大石脩斗(鹿児島城西高/2年)が左足でこの日2点目のゴール

注目ストライカーの2発で2-0

 この後、高校選抜は松田、篠塚、伊藤、宮本をGK村上葵(大津高/2年)、右SB瀧口眞大(前橋育英高/2年) 、MF陶山響(桐光学園高/2年) 、MF和食陽向(帝京長岡高/1年)へ交代。静岡選抜もゴール前までボールを運んでいたが、竹ノ谷が「ジャパン背負ってるんで、『絶対勝たないとだぞ』っていうのを言って、あとはみんなが頑張ってやり切れたのかなと思っています」というように、高校選抜は各選手が最後まで集中力高く戦ってシュートを打たせず、2-0で勝利した。

熱戦をU-17日本高校選抜が制した

 中村監督は高校選抜に対し、「『連続』、『連動』っていうのは、このチームでずっと言っていました」と説明する。「『連続』、『連動』で守備も1じゃなくて、2、3ぐらいに。連動も1人で行くんじゃなくて、2人、3人で行って、その守備の強度のところはしっかり持って、それでも攻撃できるっていうところは期待しているし、まだまだ伸びる予想はたっぷりある選手たちなので」。選手たちの成長に係わることを最重視しながら、チームとしても結果を求める。

 選手たちも高校選抜で競争しながら成長し、2025年シーズンの活躍に繋げる考え。竹ノ谷が「ここからまだ全然合わせる期間とかも、自分のチームに戻ってまた成長する期間もあると思うんで、そこでまた新しいサッカー感とか考え方を持って、リフレッシュして、いいコンディションでここに戻ってきて、J-VILLAGE CUPでまた勝てたらなと思っています」。2025年シーズンの主役候補たちが、3月14日開幕のJ-VILLAGE CUP U-18でも成長をすることと勝つことを目指す。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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