[サニックス杯]“個人昇格”と結果も目指して九州U-17選抜が初出場。主将のCB重松怜音(福岡大若葉)「自分のチャンスを掴んでいきたい」

九州U-17選抜を統率したCB
[3.12 サニックス杯 九州U-17選抜 0-1 飯塚高 グローバルアリーナ]
貴重なチャンスをアピール、“個人昇格”に結びつける。「サニックス杯国際ユースサッカー大会2025」(福岡)が12日に開幕し、初出場の九州U-17選抜が飯塚高(福岡)と対戦。期待のタレントたちがそれぞれの武器で勝負を挑んだ。
前半9分、飯塚CB木下宗祐(2年)にスーパーミドルを決められたが、中盤でMF坂下湧太郎(北九州U-18/2年)が活動量を増加。また、MF原田高虎(国見高/2年)が上手く間を取ってボールを引き出し、ターンから前進するなど反撃した。


その原田がワンツーから右足シュートを放ったほか、サイド攻撃でゴール前のシーンを創出。その一方、「ボクと(浮邉)泰士選手は初めてCBで組んだんですけど、それでもお互いの特長を理解した上で、しっかり声掛け合ってチャレンジ&カバーだったり、対応できたと思います。(個人としても)チームを統率しながら得意の守備のところで対人だったり、ヘディングの強さっていうのは発揮できたと思います」というCB重松怜音主将(福岡大若葉高/2年)とCB浮邉泰士(鹿児島城西高/2年)の両DFや188cmGK大倉公亮(大分鶴崎高/2年)を中心に飯塚の攻撃を封じていた。




後半には交代出場の185cmMF河野歩夢(大分鶴崎高/2年)らも存在感のある動きを見せ、MF成田響輝(熊本U-18/1年)がチャンスを迎えるシーンも。重松は即席のチームで個々が対応力を発揮したことを評価した一方、「最初失点してからもう一回追いついて追い越すという作業ができなかったのが悔しかったです。試合内容はまだ悪くはなかったと思うんですけど、やっぱり勝ち切るってことが大事だと思ったんで、それはまだ悔しいなと思います」と0-1の敗戦を悔しがっていた。
例年、九州のトレセン活動は高校2年時のキャンプで一区切り。だが、今回、関係者たちの尽力によって、「サニックス杯国際ユースサッカー大会2025」出場チャンスを得た。時田剛二ヘッドコーチは「チームだけではクローズアップされない子がいる。“個人昇格”を一つ(目標に)挙げて」とし、九州の可能性あるタレントたちの成長と羽ばたくきっかけになることを期待する。
即席の選抜チームが全国クラスの強豪校やJクラブユースチーム、海外からの招待チーム相手にどこまで戦えるのか不安視する意見もあったようだが、奮起した選手たちはこの日午前のトレーニングのみで挑みながらも好勝負。時田ヘッドコーチも特長のある選手たちの順応力を評価していた。
重松は「(このサニックス杯は)チャンスっていうのはもうどこにでも転がっていると思います。(自分は)大学やプロを目指してるんで、しっかり自分のチャンスを掴んでいきたいです。自分としてはこういう即席チームをまとめる力、キャプテンシーっていうのは自信があるので、試合やオフ・ザ・ピッチのところでチームをまとめていきたいですし、最後、自分がいたら失点はしないっていうような、信頼感のあるCBになりたいんで、そこでしっかりチームを勝たせる選手になりたいです」と宣言する。
そして、「この大会は各チームからトップの選手が集まってきてもらって、そこで即席のチームなんですけど、しっかりコミュニケーション取りながら、それぞれが個人で結果を残して、自分の進路やチャンスを掴むっていう大会にするためにも、もっともっと上を目指したいと思っています。まずは予選を突破して、もっとこのチームを上に持っていって、そこでしっかり個人個人がアピールできるような大会にしたいと思っています」。チームとしての結果も求めて、個々の可能性を広げ、次の世代の活動にも繋げる意気込みだ。
重松は福岡の新鋭・福岡大若葉でも新チームのリーダー格。昨年は東福岡高や東海大福岡高を破ってインターハイ初出場、全国ベスト16入りを果たしたが、選手権予選では東福岡に0-6で敗れている。
「全国の厳しさっていうのも知りましたし、(夏から冬にかけて福岡の)他のチームが相当な努力をしていて、ヒガシ(東福岡)にはああいう大敗をしてしまったんで、そういうところでは自分たちはまだまだ甘かったと思っています。自分たちは昨年から出ていますけれども、新チームになった時にも新人戦で結果残せなかったっていうのは、まだまだ甘かったなって思うんで、もっと強化していきたいなと思います」。福大若葉で再び福岡制覇を果たすこと、全国上位へ勝ち上がることも目標だ。
重松にとって、福岡U-15時代のチームメイトであるDF村上慶(大津高/2年)が昨年、プレミアリーグで日本一に輝き、U-17日本代表にも初選出。今年もU-17日本高校選抜に選ばれており、サニックス杯には出場していない。
「身近な仲間が行ったのは正直悔しいっていうのもありますし、それを受け入れない時もあったんですけど、やっぱりそれは彼の凄さだと思うし、彼に比べて自分に何が足りないかっていうことを考えられるいいきっかけになりました。彼はどんな状況でも、どんな場面でも自分を常に持っていて、しっかりどんな状況においても自分の強い意志を持ってプレーできていますし、とても素晴らしい選手だと思います」。先を行くライバルの活躍も刺激に。今回のサニックス杯でアピールし、チャンスを掴む。


(取材・文 吉田太郎)
貴重なチャンスをアピール、“個人昇格”に結びつける。「サニックス杯国際ユースサッカー大会2025」(福岡)が12日に開幕し、初出場の九州U-17選抜が飯塚高(福岡)と対戦。期待のタレントたちがそれぞれの武器で勝負を挑んだ。
前半9分、飯塚CB木下宗祐(2年)にスーパーミドルを決められたが、中盤でMF坂下湧太郎(北九州U-18/2年)が活動量を増加。また、MF原田高虎(国見高/2年)が上手く間を取ってボールを引き出し、ターンから前進するなど反撃した。


MF原田高虎(国見高/2年)は攻撃の中心として奮闘した
その原田がワンツーから右足シュートを放ったほか、サイド攻撃でゴール前のシーンを創出。その一方、「ボクと(浮邉)泰士選手は初めてCBで組んだんですけど、それでもお互いの特長を理解した上で、しっかり声掛け合ってチャレンジ&カバーだったり、対応できたと思います。(個人としても)チームを統率しながら得意の守備のところで対人だったり、ヘディングの強さっていうのは発揮できたと思います」というCB重松怜音主将(福岡大若葉高/2年)とCB浮邉泰士(鹿児島城西高/2年)の両DFや188cmGK大倉公亮(大分鶴崎高/2年)を中心に飯塚の攻撃を封じていた。


CB浮邉泰士(鹿児島城西高/2年)は安定感の高い守り


交代出場の185cmMF河野歩夢(大分鶴崎高/2年)はスケール感の大きな動き
後半には交代出場の185cmMF河野歩夢(大分鶴崎高/2年)らも存在感のある動きを見せ、MF成田響輝(熊本U-18/1年)がチャンスを迎えるシーンも。重松は即席のチームで個々が対応力を発揮したことを評価した一方、「最初失点してからもう一回追いついて追い越すという作業ができなかったのが悔しかったです。試合内容はまだ悪くはなかったと思うんですけど、やっぱり勝ち切るってことが大事だと思ったんで、それはまだ悔しいなと思います」と0-1の敗戦を悔しがっていた。
例年、九州のトレセン活動は高校2年時のキャンプで一区切り。だが、今回、関係者たちの尽力によって、「サニックス杯国際ユースサッカー大会2025」出場チャンスを得た。時田剛二ヘッドコーチは「チームだけではクローズアップされない子がいる。“個人昇格”を一つ(目標に)挙げて」とし、九州の可能性あるタレントたちの成長と羽ばたくきっかけになることを期待する。
即席の選抜チームが全国クラスの強豪校やJクラブユースチーム、海外からの招待チーム相手にどこまで戦えるのか不安視する意見もあったようだが、奮起した選手たちはこの日午前のトレーニングのみで挑みながらも好勝負。時田ヘッドコーチも特長のある選手たちの順応力を評価していた。
重松は「(このサニックス杯は)チャンスっていうのはもうどこにでも転がっていると思います。(自分は)大学やプロを目指してるんで、しっかり自分のチャンスを掴んでいきたいです。自分としてはこういう即席チームをまとめる力、キャプテンシーっていうのは自信があるので、試合やオフ・ザ・ピッチのところでチームをまとめていきたいですし、最後、自分がいたら失点はしないっていうような、信頼感のあるCBになりたいんで、そこでしっかりチームを勝たせる選手になりたいです」と宣言する。
そして、「この大会は各チームからトップの選手が集まってきてもらって、そこで即席のチームなんですけど、しっかりコミュニケーション取りながら、それぞれが個人で結果を残して、自分の進路やチャンスを掴むっていう大会にするためにも、もっともっと上を目指したいと思っています。まずは予選を突破して、もっとこのチームを上に持っていって、そこでしっかり個人個人がアピールできるような大会にしたいと思っています」。チームとしての結果も求めて、個々の可能性を広げ、次の世代の活動にも繋げる意気込みだ。
重松は福岡の新鋭・福岡大若葉でも新チームのリーダー格。昨年は東福岡高や東海大福岡高を破ってインターハイ初出場、全国ベスト16入りを果たしたが、選手権予選では東福岡に0-6で敗れている。
「全国の厳しさっていうのも知りましたし、(夏から冬にかけて福岡の)他のチームが相当な努力をしていて、ヒガシ(東福岡)にはああいう大敗をしてしまったんで、そういうところでは自分たちはまだまだ甘かったと思っています。自分たちは昨年から出ていますけれども、新チームになった時にも新人戦で結果残せなかったっていうのは、まだまだ甘かったなって思うんで、もっと強化していきたいなと思います」。福大若葉で再び福岡制覇を果たすこと、全国上位へ勝ち上がることも目標だ。
重松にとって、福岡U-15時代のチームメイトであるDF村上慶(大津高/2年)が昨年、プレミアリーグで日本一に輝き、U-17日本代表にも初選出。今年もU-17日本高校選抜に選ばれており、サニックス杯には出場していない。
「身近な仲間が行ったのは正直悔しいっていうのもありますし、それを受け入れない時もあったんですけど、やっぱりそれは彼の凄さだと思うし、彼に比べて自分に何が足りないかっていうことを考えられるいいきっかけになりました。彼はどんな状況でも、どんな場面でも自分を常に持っていて、しっかりどんな状況においても自分の強い意志を持ってプレーできていますし、とても素晴らしい選手だと思います」。先を行くライバルの活躍も刺激に。今回のサニックス杯でアピールし、チャンスを掴む。


CB重松怜音主将(福岡大若葉高/2年)が相手の攻撃を跳ね返す
(取材・文 吉田太郎)