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[新人戦]0-1敗戦から1か月間の進化示した立正大淞南。3-0で明誠を下し、4度目の中国大会制覇へ王手

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先制点を奪ったDF寺門明瑠(2年、19番)を立正大淞南高のチームメイトが祝福

[3.15 中国高校新人大会準決勝 明誠高 0-3 立正大淞南高 キリンレモンスタジアム人工芝多目的グラウンド]

 第17回中国高等学校サッカー新人大会は15日に大会2日目を開催した。山口県防府市のキリンレモンスタジアム人工芝多目的グラウンドで行われた明誠高(島根1)と立正大淞南高(島根3)による準決勝は、3-0で立正大淞南が勝利。立正大淞南は16日の決勝で作陽学園(岡山1)と対戦する。

 両チームは今年2月の島根県新人大会の準決勝で対戦済み。この際は立正大淞南が押し込みながらもゴールを奪えず、0-1で敗戦しており、FW若槻大雲(2年)は「小さい頃から淞南を見てきて、県内で負けるのは許されないことだと思う」と悔しさを滲ませる。

 リベンジを意識してしまうシチュエーションではあるが、目を向けるのは相手ではなく自分たち。「選手にはいつの試合でも相手がどうこうではないと話している。負けてからの1か月間で選手に求めてきたものはあり、相手がどうこうではなく今大会は選手があそこからどれだけ進化してきたかを出せるかどうかだと伝えました」(野尻豪監督)。

 進化した姿を見せるべく、立ち上がりから立正大淞南らしく勢いよく明誠のゴールに向かい続けた。最初のチャンスは開始45秒。中央でボールを持ったMF豊田寛太(2年)が左に展開し、MF西森永眞(2年)が中に入れたボールをMF西川生夏(1年)がシュート。5分には若槻の落としから、豊田がゴール左隅を狙ったが、明誠GK富森悠斗(2年)のファインセーブに阻まれた。

 以降も「格が違う」と野尻監督が評する豊田が持ち運びからのスルーパスを度々披露。西森も鋭い仕掛けで何度も左サイドを破り、前半だけで21本のシュートを放ったが、DF高岸優羽(2年)、山本光雅(2年)のCBコンビを中心に粘り強さを見せた明誠のゴールを割ることができない。

 思い通りの試合展開とは言えない中だからこそ見えた進化はあった。「なかなか点が入らない試合展開はもちろんある。そこで焦れてスタイルを変えるのではなく、やり続けようと言葉がけとトレーニングをしてきた」と口にするのは野尻監督で、立正大淞南の選手たちはうまく行かない中でも自分たちスタイル、チームスタイルを崩さず仕掛け続けると、前半終了間際の35+4分には左CKを獲得。ゴール前にこぼれたボールをDF禹導勲(2年)からDF寺門明瑠(2年)へと繋ぎ、ゴールをこじ開けた。

 明誠としては我慢の展開を強いられることは想定内。我慢強く守れていただけに白谷建人監督は「セットプレーに気を付けようと言っていたのですが、ファーサイドのヘディングは湘南さんの強みでもある。もっと突き詰めなければいけなかった」と悔しさを滲ませる。

 後半に入ってからはMF稲村良真(2年)と田淵伶麻(2年)のダブルボランチが落ち着いて立正大淞南のプレスを剥がし、前線のFW池田龍心(2年)にボールを入れる場面も見られたが、攻撃を中心に怪我人がいた影響もあり、なかなか決定機まで持ち込めない。

「この日2試合目でうちは満身創痍だったのに対し、淞南さんは落ちない。そうした部分がタフで、うちも鍛えなければいけないと学ばせてもらいました」と白谷監督が振り返った通り、後半は運動量の差も出始め、立正大淞南の勢いはより加速していく。

 後半6分には中盤でボールを持った豊田が明誠DFの背後にスルーパス。反応したのは「いつも豊田がボール持ったら絶対に来ると信じて走っている」という若槻で、受けてからは落ち着いて並走したDFをかわしてシュートを流し込んだ。13分には豊田が上げた右CKのこぼれ球を寺門が決めて、勝負あり。3-0で快勝した立正大淞南が8年ぶり4回目の優勝に王手をかけた。

(取材・文 森田将義)
森田将義
Text by 森田将義

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