[新人戦]「自分で決めたことをやるのが今年のテーマ」。作陽学園が立正大淞南を1-0で下し、14年ぶり2回目の中国大会制覇
[3.16 中国高校新人大会決勝 作陽学園高 1-0 立正大淞南高 維新公園サッカーラグビー場]
第17回中国高等学校サッカー新人大会は16日に大会最終日を行った。作陽学園高(岡山1)と立正大淞南高(島根3)による決勝は、後半31分にMF桃柄辰秋(2年)が決勝点を決め、作陽学園が1-0で勝利。14年ぶり2回目の優勝を果たした。
親交が深いチーム同士とあり、今年に入ってからすでに練習試合で対戦済みで、手のうちはお互いによく分かっている。作陽学園にとっては立正大淞南の縦に速く迫力のある攻撃は注意すべきポイントだったが、酒井貴政監督は試合前、選手にこんなことを伝えていたという。「淞南は特徴があるチームなので、立ち上がりの10分間で慣れるのではなく、上回れと言っていた。上回ることができたら、このゲームはウチのモノになるって」。
雨で滑りやすくなっていたピッチ状態も考慮し、立ち上がりはFW佐野峯隼弥(2年)と橋口尚翔(2年)の2トップを目掛けた長いボールを選択。結果的に蹴り合う形となったが、DF藤田結大(2年)と有森健太(2年)のCBコンビが一歩も引かない。セカンドボールもMF片山稜翼(2年)も回収し、マイボールの時間を増やしていく。
立正大淞南の攻撃の突破口である左サイドのMF西森永眞(2年)に対してもボランチとSBが対応し、素早く2対1を作ることで自由を与えない。その守備強度は立正大淞南のMF豊田寛太(2年)が「今大会で一番プレスが速くて、ボールを持った瞬間に何人もプレスに来ていた」と口にするほどだった。
狙い通りのゲーム運びで流れを引き寄せると前半半ばからはサイド起点の攻撃に切り替え。MF願念利来(2年)が右サイドを果敢に仕掛けつつも、前半26分と30分には桃柄が遠目からミドルシュートを放った。
後半は「昨年より怖い選手というか、脅威になれる選手を目指しています」と話す豊田を中心に立正大淞南が前に出ていく回数が増えた。後半8分には豊田からのスルーパスを受けたFW若槻大雲(2年)が素早くPA内にボールを送ったが、走り込んだFW久保侑聖(2年)はシュートを打ち切れない。15分には豊田が中央を抜け出し、シュートを放ったが、得点には至らなかった。
試合終盤は作陽学園が決定機を作り、23分には前線のポストプレーからDF前田湊斗(2年)がシュートに持ち込んだが、立正大淞南GK山田新(2年)がファインセーブ。試合はこのまま決着が付かずPK戦にもつれるかと思われたが、31分にようやく動く。GK山﨑柊太(2年)、佐野峯と素早く縦を繋いだボールが立正大淞南DFの背後に落ちると走り込んだ桃柄がGKとの1対1を決めて勝負あり。白熱した試合を物にした作陽学園が中国チャンピオンに輝いた。
「お互いにかなり良い強化になった気がします」と酒井監督が口にした通り、最後まで目の離せない試合展開は両チームの今後に生きるだろう。作陽学園は大会を通じ、試合状況に応じて選手自身が戦い方を判断する方法が機能した。「やり方うんぬんではなく、自分で決めたことをやるのが今年のテーマ。自分で決めてやったことは反省できるけど、言われてやったことは反省できない。そこがあれば自分で勝手に上手くなれる。そこの部分では4試合は自分で決めてやるということの連続ができて良かった」(酒井監督)。
一方、豊田が「課題も多くあったのですが、どちらかと言うとチームとして良かった点の方が多かった」と話すように立正大淞南も実りのある大会になったのは間違いない。これまで失点の多かった守備も4試合でわずか1失点。好セーブを続けた山田は、「今大会は4バックと自分で粘り強くゼロで抑えることができた。だからこそFWが自分たちも点を取らなければいけないとなって勢いを出せた。これまで失点が続いていたのですが、紅白戦の時から全員がゼロで抑えようという意識が強くなっている」と口にする。課題と収穫を得て更に成長を続けていく両チームが躍進する可能性は十分だ。
(取材・文 森田将義)
第17回中国高等学校サッカー新人大会は16日に大会最終日を行った。作陽学園高(岡山1)と立正大淞南高(島根3)による決勝は、後半31分にMF桃柄辰秋(2年)が決勝点を決め、作陽学園が1-0で勝利。14年ぶり2回目の優勝を果たした。
親交が深いチーム同士とあり、今年に入ってからすでに練習試合で対戦済みで、手のうちはお互いによく分かっている。作陽学園にとっては立正大淞南の縦に速く迫力のある攻撃は注意すべきポイントだったが、酒井貴政監督は試合前、選手にこんなことを伝えていたという。「淞南は特徴があるチームなので、立ち上がりの10分間で慣れるのではなく、上回れと言っていた。上回ることができたら、このゲームはウチのモノになるって」。
雨で滑りやすくなっていたピッチ状態も考慮し、立ち上がりはFW佐野峯隼弥(2年)と橋口尚翔(2年)の2トップを目掛けた長いボールを選択。結果的に蹴り合う形となったが、DF藤田結大(2年)と有森健太(2年)のCBコンビが一歩も引かない。セカンドボールもMF片山稜翼(2年)も回収し、マイボールの時間を増やしていく。
立正大淞南の攻撃の突破口である左サイドのMF西森永眞(2年)に対してもボランチとSBが対応し、素早く2対1を作ることで自由を与えない。その守備強度は立正大淞南のMF豊田寛太(2年)が「今大会で一番プレスが速くて、ボールを持った瞬間に何人もプレスに来ていた」と口にするほどだった。
狙い通りのゲーム運びで流れを引き寄せると前半半ばからはサイド起点の攻撃に切り替え。MF願念利来(2年)が右サイドを果敢に仕掛けつつも、前半26分と30分には桃柄が遠目からミドルシュートを放った。
後半は「昨年より怖い選手というか、脅威になれる選手を目指しています」と話す豊田を中心に立正大淞南が前に出ていく回数が増えた。後半8分には豊田からのスルーパスを受けたFW若槻大雲(2年)が素早くPA内にボールを送ったが、走り込んだFW久保侑聖(2年)はシュートを打ち切れない。15分には豊田が中央を抜け出し、シュートを放ったが、得点には至らなかった。
試合終盤は作陽学園が決定機を作り、23分には前線のポストプレーからDF前田湊斗(2年)がシュートに持ち込んだが、立正大淞南GK山田新(2年)がファインセーブ。試合はこのまま決着が付かずPK戦にもつれるかと思われたが、31分にようやく動く。GK山﨑柊太(2年)、佐野峯と素早く縦を繋いだボールが立正大淞南DFの背後に落ちると走り込んだ桃柄がGKとの1対1を決めて勝負あり。白熱した試合を物にした作陽学園が中国チャンピオンに輝いた。
「お互いにかなり良い強化になった気がします」と酒井監督が口にした通り、最後まで目の離せない試合展開は両チームの今後に生きるだろう。作陽学園は大会を通じ、試合状況に応じて選手自身が戦い方を判断する方法が機能した。「やり方うんぬんではなく、自分で決めたことをやるのが今年のテーマ。自分で決めてやったことは反省できるけど、言われてやったことは反省できない。そこがあれば自分で勝手に上手くなれる。そこの部分では4試合は自分で決めてやるということの連続ができて良かった」(酒井監督)。
一方、豊田が「課題も多くあったのですが、どちらかと言うとチームとして良かった点の方が多かった」と話すように立正大淞南も実りのある大会になったのは間違いない。これまで失点の多かった守備も4試合でわずか1失点。好セーブを続けた山田は、「今大会は4バックと自分で粘り強くゼロで抑えることができた。だからこそFWが自分たちも点を取らなければいけないとなって勢いを出せた。これまで失点が続いていたのですが、紅白戦の時から全員がゼロで抑えようという意識が強くなっている」と口にする。課題と収穫を得て更に成長を続けていく両チームが躍進する可能性は十分だ。
(取材・文 森田将義)


