「とにかく追い抜きたかった」兄のいる東福岡へ。切磋琢磨し、その強みも加えたMF宇都宮夢人が選手権3位を超えて“日本一の心臓”へ
赤い彗星の、そして日本一の“心臓”になる。MF宇都宮夢人(2年=FC Livent出身)はMF西田煌(2年)とともに新生・東福岡高のダブルボランチに定着。新人戦では県大会、九州大会と先発出場を続けて福岡制覇、九州2位を記録し、「サニックス杯国際ユースサッカー大会2025」(3月12日~16日、福岡) でも準優勝に貢献した。
2-1で勝利したサニックス杯初戦・鹿児島城西高戦後には、「西田と僕のツーボランチは日本でも強度は通用するっていう自信があるんで、そこの部分はいつも試合時、負けてないと思ってるんですけど、今日だったらもっとボールに係わってゲームメイクできたと思うし、ちょっとラストパスの質とかが低かったんで、そこをもっと磨いていきたいと思っています」と振り返っていた。
元々は展開力が武器。読みを活かした守備も得意としていたが、「ずっと兄貴の背中を追ってきたんで、兄貴のプレーとか見ていたら……西田と僕はそういう部分、潰すっていうところは遠藤航選手とか参考にさせてもらっています」。昨年の東福岡の副主将で競り合いに強い兄・MF宇都宮夢功(3年)の良さを自分も意識し、肉体強化とともにその部分も武器にするようになった。
宇都宮は昨年、台頭してAチームに食い込んだが、主軸ボランチMF大谷圭史(3年)の壁は厚くポジションを奪うまでには至らなかった。大谷を怪我で欠いた選手権は、DF陣の堅守とシャドーからボランチへポジションを変えたMF佐藤宏耀(3年)の奮闘もあって3位。宇都宮にとっては「(出番が無かったことは)悔しかったですけど、(登録メンバーの一人としてその)一員になれて良かった」という大会になった。
新チームは前線を中心にタレントが多い。そのチームの中で宇都宮は「僕のプレー的に目立つようなプレースタイルではないと思うんですけど、ボールを取られた後にまたボールを取り返して、みんなが点取るために逆算して、展開とかして、ゲームを作っていきたいです。(自分が)“心臓”になります」と意気込む。
2025年度の目標は先輩たちの3位を超えて日本一。背中を追ってきた兄を超える一年にする。「お兄ちゃんがサッカーしてて、年中ぐらいの頃からもうずっと背中追ってきたんで、小学校から中学校までほぼ一緒で、もうずっとお兄ちゃん超えるために頑張ってきたんで、(今の自分があるのは)とてもお兄ちゃんのお陰だなって。刺激ももらっています」。兄を超えるために努力してきたからこそ、今の自分があると感謝している。
その宇都宮は、「小学校の時に1回なんか、(帝人SSにいる)『お兄ちゃん倒してやろう』と思って、違うチーム(FC Livent U-12)に行ったんですけど、ちょっと負けてしまって(苦笑)。中学校は一緒のチーム(FC Livent U-15)でした」と明かす。中学卒業時には、東福岡の元主将で10番を背負っていたFC Livent・香川毅志監督への憧れと兄の存在もあり、東福岡へ進学。「とにかく追い抜きたかった。追い抜きたい1番の存在でした」という兄やチームメイトたちと切磋琢磨しながら成長してきた。
兄は怪我に苦しんだが、今冬の選手権4試合で途中出場。静岡学園高との準々決勝では、PK戦6番目のキッカーとして右足シュートを決め、チームを国立準決勝へ導いている。宇都宮は1年後、その兄も立った国立競技場に戻り、勝って日本一になることが目標。「(兄ら)先輩とかがこうやって(9年ぶりの)ベスト4っていうものを残してくれて。もう、来年は絶対1位取るしかない」。兄も参考に強度を向上させたボランチが、東福岡の“心臓”として攻守両面で活躍し、兄や先輩たちの成績を超える。
(取材・文 吉田太郎)
2-1で勝利したサニックス杯初戦・鹿児島城西高戦後には、「西田と僕のツーボランチは日本でも強度は通用するっていう自信があるんで、そこの部分はいつも試合時、負けてないと思ってるんですけど、今日だったらもっとボールに係わってゲームメイクできたと思うし、ちょっとラストパスの質とかが低かったんで、そこをもっと磨いていきたいと思っています」と振り返っていた。
元々は展開力が武器。読みを活かした守備も得意としていたが、「ずっと兄貴の背中を追ってきたんで、兄貴のプレーとか見ていたら……西田と僕はそういう部分、潰すっていうところは遠藤航選手とか参考にさせてもらっています」。昨年の東福岡の副主将で競り合いに強い兄・MF宇都宮夢功(3年)の良さを自分も意識し、肉体強化とともにその部分も武器にするようになった。
宇都宮は昨年、台頭してAチームに食い込んだが、主軸ボランチMF大谷圭史(3年)の壁は厚くポジションを奪うまでには至らなかった。大谷を怪我で欠いた選手権は、DF陣の堅守とシャドーからボランチへポジションを変えたMF佐藤宏耀(3年)の奮闘もあって3位。宇都宮にとっては「(出番が無かったことは)悔しかったですけど、(登録メンバーの一人としてその)一員になれて良かった」という大会になった。
新チームは前線を中心にタレントが多い。そのチームの中で宇都宮は「僕のプレー的に目立つようなプレースタイルではないと思うんですけど、ボールを取られた後にまたボールを取り返して、みんなが点取るために逆算して、展開とかして、ゲームを作っていきたいです。(自分が)“心臓”になります」と意気込む。
2025年度の目標は先輩たちの3位を超えて日本一。背中を追ってきた兄を超える一年にする。「お兄ちゃんがサッカーしてて、年中ぐらいの頃からもうずっと背中追ってきたんで、小学校から中学校までほぼ一緒で、もうずっとお兄ちゃん超えるために頑張ってきたんで、(今の自分があるのは)とてもお兄ちゃんのお陰だなって。刺激ももらっています」。兄を超えるために努力してきたからこそ、今の自分があると感謝している。
その宇都宮は、「小学校の時に1回なんか、(帝人SSにいる)『お兄ちゃん倒してやろう』と思って、違うチーム(FC Livent U-12)に行ったんですけど、ちょっと負けてしまって(苦笑)。中学校は一緒のチーム(FC Livent U-15)でした」と明かす。中学卒業時には、東福岡の元主将で10番を背負っていたFC Livent・香川毅志監督への憧れと兄の存在もあり、東福岡へ進学。「とにかく追い抜きたかった。追い抜きたい1番の存在でした」という兄やチームメイトたちと切磋琢磨しながら成長してきた。
兄は怪我に苦しんだが、今冬の選手権4試合で途中出場。静岡学園高との準々決勝では、PK戦6番目のキッカーとして右足シュートを決め、チームを国立準決勝へ導いている。宇都宮は1年後、その兄も立った国立競技場に戻り、勝って日本一になることが目標。「(兄ら)先輩とかがこうやって(9年ぶりの)ベスト4っていうものを残してくれて。もう、来年は絶対1位取るしかない」。兄も参考に強度を向上させたボランチが、東福岡の“心臓”として攻守両面で活躍し、兄や先輩たちの成績を超える。
(取材・文 吉田太郎)