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[MOM5068]G大阪ユースFW中積爲(3年)_壁を乗り越えてきたレフティFWが強豪対決で圧巻の3発!

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後半31分、ガンバ大阪ユースFW中積爲(3年=ガンバ大阪門真ジュニアユース)が右足でこの試合2点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.26 プレミアリーグWEST第4節 G大阪ユース 3-0 広島ユース OFA万博フットボールセンター グラウンドB]

“FWの責任”を果たし、今季初ゴールを含む3発。注目のレフティストライカー、FW中積爲(3年=ガンバ大阪門真ジュニアユース出身)が、ゴールでガンバ大阪ユースを白星へ導いた。

 まずは前半10分、左SB嶋岡陽大(2年)からのパスが上手くPAに流れてきたところに反応。「もう自信持って足振って決め切れて良かった」という左足シュートを右隅に決め、先制点を挙げた。

前半10分、G大阪ユースFW中積爲が左足で先制ゴール

 前回の神村学園高(鹿児島)戦は3アシストを記録して4-0の勝利に貢献したものの、自身は無得点。また、名古屋U-18との開幕戦では自分がチャンスを活かせず、0-1で敗れたと考えている。

「FWとしての責任というか、点を取れなかった分はほんとに悔しかった思いがあって。ガンバとしては(広島ユース戦が)3試合目なんですけど、この試合で点取って、ここから乗っていくっていう思いは、ほんとに強い気持ちを持ってやっていました」。FWの責任を果たす先制点。この日、中積は積極的に足を振り続け、1人で8本ものシュートを放った。

 ファーストタッチに集中し、自分の置きたいスペースへボールをコントロール。シュートレンジが広く、シュートを「自分の持ち味」というレフティはミドル弾やスピードを活かした縦への動きからのフィニッシュへ持ち込むなど、次々とシュートを撃ち込んだ。

「ユースに入る前まではそういうところは全然下手だったんで、ユースに入って町さん(町中大輔監督)に言われ続けて、練習でもファーストタッチの場所を意識して、自分が1番打ちやすいところに置くっていうのは大事にしてやってるので、今日の試合はそれがよくできたかなって思います」

 G大阪ユースの勝利のため、ポストプレーやDF背後への動き出しを繰り返しながら誰よりも貪欲にゴールへ。ゴールポストや相手GKの好守に阻まれるシーンもあったが、チャンスを待ち続け、得点力を発揮した。

 1-0の後半31分、交代出場のFW加藤倖太(3年)が右サイドを突破。マイナスのラストパスを冷静に右足で決めると、加藤やサポーターたちと大喜びした。そして、後半45+1分にはMF深江龍明(1年)の左クロスをファーサイドからヘディングシュート。「僕がファーに流れたことによって、GKの位置がちょっとニアに来たので、ファーがガラ空きだったんで、そっちに狙おうと思ってヘディングしました」という技ありの一撃でハットトリックを達成した。

後半45+1分、G大阪ユースはFW中積爲が技ありヘッドでゴール

 中積はU-16日本代表、U-17日本代表に選ばれているストライカー。1年時の国体(現国スポ)では8得点で得点王に輝いている。昨年はプリンスリーグ関西1部前期に6得点。日本クラブユース選手権決勝では先制点を決め、2連覇に貢献した。

 だが、その後は怪我による離脱や他のFW陣の台頭によって、後期は悔しい時期に。ただし、中積はその時期を前向きに捉えている。「今まで怪我がなかったんですけど、1個大きな怪我をして、そこでフィジカルの部分だったりも強くなれたと思いますし、試合に出れなかった期間は悔しいですけど、サッカーしない部分で色々なところが成長できて今があると思うので、これからもしっかり点を取ってチームを勝たせたいと思います」。町中大輔監督が「メンタル的にも、状況的にも成長していったのかなと思います」というように、中積はライバルや旧友の活躍もエネルギーにしている。

 今年3月、G大阪ユースFW久永虎次郎(3年)やG大阪門真ジュニアユース時代のチームメイトFW伊藤湊太(京都橘高3年)がU-18日本代表入り。「僕はその時、サニックス(杯)行っていて、結果残して少しでも代表に近づけたらなって思ってたんですけど、そんなにいい活躍ができなくて、久永くんや伊藤くんは代表で点取って、そういうのを記事で見ると、とても悔しいなって思っていました」。この日、3発で勝利に貢献したが、まだまだこれから。昨夏、「世代でナンバー1のFWになる」ことを掲げていたストライカーは結果を残してトップチーム昇格や代表入りに結びつける意気込みだ。

「プロに行くっていうのが1番の目標で今までやってきていて、そのためにこのユースで点を取り続けないとプロにはなれないと思うので、これから毎試合毎試合点が取れるように、意識してやっていきたいです」。ゴールでチームを勝たせ続けて評価を勝ち取る。

ハットトリックを達成。ここからゴールを連発する

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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