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[関西U-16 ~Groeien~]文武両道の新たな大器、185cmDF清水彦が抜群の高さと強さを披露。近大附が3-0で三田学園との開幕戦を制す

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近大附高の185cmDF清水彦(1年=エベイユFC出身、右)は開幕戦で能力の高さを示した

[4.29 関西U-16 ~Groeien~G1リーグ第1節 三田学園高 0-3 近大附高 ダイセル播磨サッカー場第1G]

 新たな大器が、1年生同士の戦いで抜群の高さ、強さを発揮した。29日、「関西U-16 ~Groeien~ 2025」G1リーグ第1節で三田学園高(兵庫)と近大附高(大阪)が対戦。近大附が3-0で快勝した。

 近大附は昨年8月、当時2年生だったDF咲本大(3年)がU-17日本代表初選出。その後、U-17日本高校選抜候補にも選出され、Jクラブも関心を寄せるような存在になっている。この日、185cmの長身を活かし、空中戦で圧倒的な強さを見せていたDF清水彦が「大君みたいに日本代表とか、そういう選抜にもどんどん選ばれていきたいなと思っています」と語ったように、咲本の存在は新1年生の大きな刺激と目標に。2年前に咲本も経験している「関西U-16 ~Groeien~」の初戦で近大附が快勝を収めた。

 前半、近大附は最前線でキープ力を見せるFW塚原唯翔や左のオープンスペースを狙うMF島本龍生を起点に三田学園を押し込む。そして、中盤で判断良くプレーしていたMF寺西悠真やMF岡本陽樹がシュートを撃ち込んだほか、FW細川准之介がコントロールからの左足ボレー。その後もシュートシーンを増やし、前半23分には塚原が相手DFと入れ替わる形で抜け出す。だが、決定的な左足シュートは三田学園GK元武伶心に止められ、先制することができない。
 
 一方の三田学園は右サイドのMF恩地陽大が推進力のある動きからシュートを放つなど反撃。相手DF清水にロングボールを跳ね返されていたほか、岡本に攻撃の芽を摘まれるなど、前半半ば頃まではなかなかリズムに乗ることができていなかったが、29分、FW松井翔駿を起点とした攻撃からMF上田航士郎が縦に仕掛けてクロスを上げ切る。

三田学園MF形山太一が左足シュートを撃ち込む

 三田学園は31分にも高精度のミドルパスが光るMF天野嘉人のスルーパスから、上田が左足シュート。前半半ば以降は天野やMF形山太一、183cmCB竹中友之丞の配球などから、リズム良く攻める時間帯を増やした。

 近大附は前半35分に3バックの中央に位置するDF中谷竣太が持ち上がり、細川がターンから仕掛けて強烈な左足シュート。こぼれ球に塚原が飛び込むも決め切ることができない。それでも。清水が「前半、緊張でみんなのいつものプレーができてなかったんですけど、それでも投げずに何でも挑戦したり、ベンチからもピッチ内でもいい声かけができたのが勝因だったかなと思います」と振り返ったように、前向きな戦いを継続。後半に三田学園を突き放した。

近大附DF中谷竣太は3バックの中央で奮闘

 後半5分、交代出場MF中澄恵大の左FKのこぼれを清水が後方へ落とし、左WB上田晴也が左足シュートを左上に決めて先制する。さらに7分、中澄が上田とのワンツーで左サイドを突破。そして上げたクロスを右WB稲村碧人が頭で決めて2-0とする。

近大附MF上田晴也は鮮やかな先制点を決めた

 そして18分には、岡本からのパスを左中間で受けた中澄が巧みなタッチでDF2人を攻略。そのまま強烈な左足シュートをファーサイドのネットに突き刺した。三田学園もFKやロングスローなどで反撃したものの、「個人としてはトップチームに上がらせてもらっていてスピード感とかも慣れていたので、そこでは周りと差をつけたいなって試合前から感じていたので、そこやフィジカルっていう部分で差をつけれたのは、個人的には良かったです」という清水ら近大附守備陣から1点を奪うことができなかった。

近大附は前半から前向きな戦いを継続

 近大附の清水は、特に1対1などの競り合いの強さに自信。先輩DF咲本同様、3バックの左サイドでプレーしている。2日前のトレセンリーグにU-16兵庫県選抜の一員として出場したばかりで、思うようなプレーができなかった部分もあったようだが、「関西U-16 ~Groeien~ 2025」開幕節の各試合を通しても一際存在感のある動きを見せた。

 清水は昨秋頃まで公立の名門進学校への進学を考えていたというが、近大附のSuper文理コースで文武両道を目指すことを決断した。得意科目は数学。学力は同校で最上位クラスにあり、サッカーではプリンスリーグ関西2部開幕戦で早くもAチームの公式戦デビューも果たしている。近大附から将来はプロサッカー選手、国際関連の職業など「色んな夢叶えたい」。まずは、近大附で日々成長を遂げる。

「身近な練習相手に(咲本)大君がいるので、やっぱ目標にしている選手は大君です」と清水。そして、「(今年の1年生は)みんないい能力を持っていて、弱くも強くもこの練習の取り組み次第でどっちにも全振りできるチームだと思ってるので、しっかり引っ張れる人が引っ張って(関西U-16 ~Groeien~)1位を目指して頑張っていきたいです。(3年間の目標は)長年全国に出れてないので、まずはチームで全国に出ることです。もう全国に焦点を置いてやっていきたいです」。注目DFは学業も、サッカーにも本気で取り組み、目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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