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[関西U-16 ~Groeien~]DF辻一綺は声や競り合い、両足キックで金光大阪を牽引。目標達成へ、「もっとチームを意識し、全員で高め合っていきたい」

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金光大阪高のキャプテン、DF辻一綺(1年=FCブリンカール安城出身)が左足フィードを入れる

[4.29 関西U-16 ~Groeien~G1リーグ第1節 東海大大阪仰星高 3-0 金光大阪高 ダイセル播磨サッカー場第2G]

 目指すのは2年後、自分たちの代が訪れた時の日本一。金光大阪高(大阪)のキャプテンを務めたDF辻一綺(FCブリンカール安城出身)は「目標の日本一から逆算して、練習を頑張っています。今は練習の強度もまだまだですが、バチバチして練習のための練習ではなく、練習から試合の強度を保ち、試合がきついと思わないようにとしようと意識しています」と口にする。

「関西U-16 ~Groeien~ 2025」G1リーグの開幕戦となった東海大大阪仰星高(大阪)戦は悔しい結果に終わったが、目標までの距離感を図るために大事な試合になったと言えるかもしれない。前半13分には中盤からのスルーパスに反応したMF森田航が右サイドを抜け出し、ゴール前にパス。ファーサイドのFW岡宗佑にボールが渡り、ドリブルからゴールを狙ったが、東海大大阪仰星のDFに阻まれた。

 続く14分には左サイドでパスを繋ぎ、オーバーラップしたDF長谷川壮真がクロスを上げたが、再び相手DFがブロック。立ち上がりから相手陣内に積極的にボールを入れたが、1点が遠い展開となった。その理由について辻はこう話す。「開幕戦は絶対に勝ってやるという気持ちで挑んだのですが、緊張していて普段通りのプレーができなかった。攻撃は斜めのパスを意識して、ゴールに向かっていこうと意識していたのですが、今日はロングボールが多めになってしまって足元で崩す普段のプレーができなかった」。

 ゴールが奪えずにいると次第に押し返される場面が増えてしまう。27分にはサイドを崩され、先制点を献上。試合に慣れた後半からはMF堅木晴太郎、森本陽葵のダブルボランチを中心に普段通り足元で繋ぐ回数が増加したが、試合終盤は前がかりになったところをカウンターで崩され、2失点。終わってみれば0-3の敗戦となった。

 キャプテンを務めた辻は試合後、「チームをまとめるために声を出そうと意識していたのですが、プレーで引っ張っていく部分は足りなかった」と反省。得意なヘディングでも思い通りに勝てなかった結果、ラインが下がり、失点の原因になったという。

 ただ、反省点ばかりではなく、収穫もあった。競り合いとともに自信を見せるのは左右両足でのキック。「小学生の頃、右足を怪我した時に左足でボールに触っていたら段々と蹴れるようになってきた。そこから武器として両足で蹴れるようにキックの練習をしてきました」。相手の攻撃を防ぎ、マイボールにした瞬間、最終ラインから繰り出したフィードは今後の可能性を感じさせた。

 愛知県出身の辻は中学時代のコーチが金光大阪OBだった縁もあり、中学時代の先輩が金光大阪に在籍。辻自身も声がかかり、入学を決意した。これまで所属してきたFCブリンカール安城はフットサルにも力を入れ、技巧派のイメージが強いチーム。一方で「金光大阪はハードワークをしたり、身体を張るイメージ」と辻は口にするが、「中学とは少しスタイルが違うのですが、コーチの出身チームに貢献したいと思い、選びました」。

 アタッカーを中心に特徴を持った選手が多く、金光大阪でプレーする楽しみを辻は感じている。「この代は一人ひとりの個性が強く自我を持っている。まとめるのは大変なのですが、そこもまた楽しい部分。全員で勝ちを目指したのですが達成できなかったので、次の練習からもっとチームを意識し、全員で高め合っていきたいです」。

 自身を高めるための意欲も十分で、先輩たちから学ぼうとする姿勢も辻の強みと言えるだろう。「Aチームが上がるのは簡単ではないと聞くのですが、サブに入って試合に出る可能性はある。先輩たちには自分から“こうしたら良い”と聞きだして練習で意識していきたい。寮が一緒でコミュニケーションは取りやすいのですが、今はたまにしか行けていない。今日開幕戦が終わったので、これからガンガン行きたい」。日本一までの歩みは始まったばかり。ここから右肩上がりの成長を続け、目標を達成を目指す。

MF森田航は抜け出しからチャンスメイクも

MF堅木晴太郎はドリブルで中央突破するシーンもあった

DF赤星来愛がルーズボールに対応する

(取材・文 森田将義)
森田将義
Text by 森田将義

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