[MOM5085]鹿島ユースMF大貫琉偉(2年)_縦横無尽。U-17W杯出場のために走って違いを生み出す

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.6 プレミアリーグEAST第6節 市立船橋高 0-1 鹿島ユース 船橋市法典公園(グラスポ) 球技場]
鹿島アントラーズユース随一の走力を持つボランチが、雨中のピッチを縦横無尽に駆け回った。MF大貫琉偉(2年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)は昨年、U-16日本代表候補にも選出されている注目株。「自分が走ればもっとみんなが楽できると思うので。自分はほんとに上手い選手じゃないので、走ることぐらいしかできないんで、そういうところはもうほんとに毎試合、絶対に意識しています」というMFが、誰よりも走って勝利に貢献した。
ボランチコンビを組んだMF福岡勇和(2年)とともに、立ち上がりからトップギアで攻守。「前回、ああいう負け方したんで(0-3東京Vユース)、チームとしてもそうですけど、自分としては結構悔しかったんで、(福岡)勇和と試合前に『今日はもっと上手くプラスな声を掛け合いながらやって行こう』っていうことを自分から伝えて、勇和も凄く思いっ切りできたと思うし、自分も勇和ができてた分、凄く思い切ってやれたので、セカンドボールの回収も今日は結構自分たちの方が拾えてた気もするので、そういった部分では凄く良かったなと思います」と振り返る。
走力、守備の強度に絶対的な自信。そのボランチは攻撃面でも目立っていた。ボランチの位置から積極的に前へ。前半16分には左ハイサイドへ飛び出すと、DFをかわしてPAへ潜り込んだ。また、先制直後の前半22分には速攻からスピードに乗ったドリブルで大きく前進。ファウルで止められなければ、決定機を創出していたであろうビッグプレーだった。
「自分は落ち着かせることとかあんまできないんで、走って、チャンスあれば自分で駆け上がってチーム全体のラインを押し上げて、自分たちのコートにボールが来ないようにするのもそうですし、ボランチが運んでいけばFWが1番仕事したいところで仕事もできると思うので。ファウルだったんですけど、倒れないでもっと入っていければあそこで点も多分取れたと思う」。自分たちボランチが動くことによって、FWにゴール前の役割に専念させたいという思いを持っている。
「ボランチが動けばFWがゴールの枠から外れることがないと思うんで、そこはもう自分と(福岡)勇和で、FWに1番仕事をさせて取ってもらいたい。今年のチームとしては、やっぱりそうやってボランチが抜けて行けば、またチャンス広がるっていう話も(監督の)中野さんから言われてるので、そこは去年より結構意識してる部分があります」。後半にもワンツーで前線へ飛び出す動き。これまで以上に自身に多くの役割を求めている。
昨年はゴールにほとんど係わることができなかったというが、今シーズンは前橋育英高戦で勝ち越しゴール。「自分としてはゴールもそうですけど、アシストをもっとしていきたいと思ってるんで、そういう部分でチームをもっと助けられたなと思います」。同期のFW吉田湊海(2年)とCB元砂晏翔仁ウデンバ(2年)がU-17日本代表として4月のU17アジアカップに出場。一方で大貫は強豪・鹿島ユースで1年時から先発を務めているものの、代表チームに定着することができていない。それには理由があると考え、自分を変えた。
「自分だけどうして入れないんだろうっていう悔しい気持ちはあったので、何か変えないといけないな、と思った時に、ゴールへの意識だったり、自分から起点を作ってゴールに直結するようなプレーをすることだったりっていうのが、自分ではやっぱり足りないなと思ったので、背後に抜けるっていうのは時間帯によって苦しい時はあるんですけど、そういうところでやっぱ違いを作れる選手になっていかないとほんとに入れないんだなっていうのが分かったので、そういうところではもう本当に見返してやりたいし、意識してやっています」
現在、鹿島ユースでは中心選手の存在感。その大貫について、中野洋司監督は「攻守において、本当中心になるというか、大貫がボールにいっぱい絡めば攻撃はいいと思うし、守備で凄くハードワークできるので、アントラーズっぽい選手という印象は凄くあります」という。本人はトップチームの練習で年齢の近いMF船橋佑や上手さに驚かされたというMF樋口雄太からまた刺激を受け、強度も、質もまだまだ高める必要性を感じている。
11月のU-17ワールドカップまであと半年。「正直言うと、守備の強度とかは自分が入ればもっと上げられると思うし、ビルドアップとかあんま自分自信ないんですけど、そういうところは上手いヤツらに任せて、自分だったらもっと走れるっていう自信はあるし、守備でのところでも声も出せるし強度も出せる。代表を背負っていく選手でも、そういう選手が1人は必要だと思う」。その上で、ゴールに係わる力も必要ということを理解。この日積極的に狙っていたミドルシュートも決めるところまでレベルアップさせる。
そして、「(鹿島ユースの2年生たちとともに)自分も入って、自分の価値っていうのを日本にも示せると思うし、そういうところで世界にも示せると思うので、こういうボランチもいるんだぞっていうのをもっと見せてやりたいと思います」。チャンスを勝ち取るためにも、ピッチ上で誰よりも走って違いを示す。




(取材・文 吉田太郎)
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[5.6 プレミアリーグEAST第6節 市立船橋高 0-1 鹿島ユース 船橋市法典公園(グラスポ) 球技場]
鹿島アントラーズユース随一の走力を持つボランチが、雨中のピッチを縦横無尽に駆け回った。MF大貫琉偉(2年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)は昨年、U-16日本代表候補にも選出されている注目株。「自分が走ればもっとみんなが楽できると思うので。自分はほんとに上手い選手じゃないので、走ることぐらいしかできないんで、そういうところはもうほんとに毎試合、絶対に意識しています」というMFが、誰よりも走って勝利に貢献した。
ボランチコンビを組んだMF福岡勇和(2年)とともに、立ち上がりからトップギアで攻守。「前回、ああいう負け方したんで(0-3東京Vユース)、チームとしてもそうですけど、自分としては結構悔しかったんで、(福岡)勇和と試合前に『今日はもっと上手くプラスな声を掛け合いながらやって行こう』っていうことを自分から伝えて、勇和も凄く思いっ切りできたと思うし、自分も勇和ができてた分、凄く思い切ってやれたので、セカンドボールの回収も今日は結構自分たちの方が拾えてた気もするので、そういった部分では凄く良かったなと思います」と振り返る。
走力、守備の強度に絶対的な自信。そのボランチは攻撃面でも目立っていた。ボランチの位置から積極的に前へ。前半16分には左ハイサイドへ飛び出すと、DFをかわしてPAへ潜り込んだ。また、先制直後の前半22分には速攻からスピードに乗ったドリブルで大きく前進。ファウルで止められなければ、決定機を創出していたであろうビッグプレーだった。
「自分は落ち着かせることとかあんまできないんで、走って、チャンスあれば自分で駆け上がってチーム全体のラインを押し上げて、自分たちのコートにボールが来ないようにするのもそうですし、ボランチが運んでいけばFWが1番仕事したいところで仕事もできると思うので。ファウルだったんですけど、倒れないでもっと入っていければあそこで点も多分取れたと思う」。自分たちボランチが動くことによって、FWにゴール前の役割に専念させたいという思いを持っている。
「ボランチが動けばFWがゴールの枠から外れることがないと思うんで、そこはもう自分と(福岡)勇和で、FWに1番仕事をさせて取ってもらいたい。今年のチームとしては、やっぱりそうやってボランチが抜けて行けば、またチャンス広がるっていう話も(監督の)中野さんから言われてるので、そこは去年より結構意識してる部分があります」。後半にもワンツーで前線へ飛び出す動き。これまで以上に自身に多くの役割を求めている。
昨年はゴールにほとんど係わることができなかったというが、今シーズンは前橋育英高戦で勝ち越しゴール。「自分としてはゴールもそうですけど、アシストをもっとしていきたいと思ってるんで、そういう部分でチームをもっと助けられたなと思います」。同期のFW吉田湊海(2年)とCB元砂晏翔仁ウデンバ(2年)がU-17日本代表として4月のU17アジアカップに出場。一方で大貫は強豪・鹿島ユースで1年時から先発を務めているものの、代表チームに定着することができていない。それには理由があると考え、自分を変えた。
「自分だけどうして入れないんだろうっていう悔しい気持ちはあったので、何か変えないといけないな、と思った時に、ゴールへの意識だったり、自分から起点を作ってゴールに直結するようなプレーをすることだったりっていうのが、自分ではやっぱり足りないなと思ったので、背後に抜けるっていうのは時間帯によって苦しい時はあるんですけど、そういうところでやっぱ違いを作れる選手になっていかないとほんとに入れないんだなっていうのが分かったので、そういうところではもう本当に見返してやりたいし、意識してやっています」
現在、鹿島ユースでは中心選手の存在感。その大貫について、中野洋司監督は「攻守において、本当中心になるというか、大貫がボールにいっぱい絡めば攻撃はいいと思うし、守備で凄くハードワークできるので、アントラーズっぽい選手という印象は凄くあります」という。本人はトップチームの練習で年齢の近いMF船橋佑や上手さに驚かされたというMF樋口雄太からまた刺激を受け、強度も、質もまだまだ高める必要性を感じている。
11月のU-17ワールドカップまであと半年。「正直言うと、守備の強度とかは自分が入ればもっと上げられると思うし、ビルドアップとかあんま自分自信ないんですけど、そういうところは上手いヤツらに任せて、自分だったらもっと走れるっていう自信はあるし、守備でのところでも声も出せるし強度も出せる。代表を背負っていく選手でも、そういう選手が1人は必要だと思う」。その上で、ゴールに係わる力も必要ということを理解。この日積極的に狙っていたミドルシュートも決めるところまでレベルアップさせる。
そして、「(鹿島ユースの2年生たちとともに)自分も入って、自分の価値っていうのを日本にも示せると思うし、そういうところで世界にも示せると思うので、こういうボランチもいるんだぞっていうのをもっと見せてやりたいと思います」。チャンスを勝ち取るためにも、ピッチ上で誰よりも走って違いを示す。




(取材・文 吉田太郎)
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