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[MOM5204]昌平FW立野京弥(1年)_『高校での3年間というのは全然時間がない』 強い成長欲を携えた期待の1年生ストライカーが「復帰戦」で堂々の決勝弾!

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貴重な決勝ゴールを叩き出した昌平高FW立野京弥(1年=FC LAVIDA出身)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.7 プレミアリーグEAST第12節 市立船橋高 1-2 昌平高 グラスポ]

 試合終盤までほとんどチャンスは巡ってこなかったけれど、感覚だけは研ぎ澄ませていた。いつか、来る。必ず、来る。その瞬間を絶対に逃さないように、ひたすら集中力を高めていく。自分が担う最大にして唯一と言っていい、ゴールを奪う役割をちゃんと完遂できるように。

「もうこぼれてきたボールをゴールに決めるだけでしたけど、『絶対に決める』という気持ちでしたし、フォワードとしてこぼれを決めるのは意識してきたので、自分の中でイメージしていたところに入っていって、決めることができて良かったです」。

 ようやくプレミアリーグの舞台に帰ってきた、昌平高(埼玉)の9番を託されている16歳のストライカー。FW立野京弥(1年=FC LAVIDA出身)が鋭敏な得点感覚で奪ったゴールが、チームに5試合ぶりとなるリーグ戦の白星を力強くもたらした。


「その期間は本当にサッカーをやりたかったですね」。立野はピッチに立つことが叶わなかった、この2か月近い時間をそう振り返る。入学したばかりの1年生にも関わらず、いきなりプレミア開幕戦の市立船橋高戦にスタメンで登場すると、後半45分に決勝点をゲット。上々の“高校デビュー”を飾ってみせる。

 以降も1トップの定位置を掴んでいたものの、インターハイ予選を控えたタイミングでケガに見舞われ、戦線離脱を余儀なくされる。「サッカーをやりたかったんですけど、『ここで自分を変えなきゃいけない』と思って、筋トレに励みました」。再びチームに帰還する日を見据えて、身体づくりに注力する日々を過ごしていく。

 夏のインターハイはサポートメンバーとして、先輩たちの姿を見守った。忘れられないのは準々決勝。大津高に0-5で敗れた試合は、立野の中でもいろいろなことを考える契機になったという。

「大津戦であれだけやられたのは衝撃的でしたね。『こんなに行かれちゃうんだ……』と。その試合は『自分が出ていたら何ができたんだろう?』と考えながら見ることができました。やっぱり外から見る景色と、中でやるのは全然違うので、この離脱期間に結構いろいろなことを考えていました」。



 プレミア再開となる後半戦の初戦。市立船橋とアウェイで対峙する一戦で、スタメンに指名された立野は久々の公式戦復帰を果たす。だが、自分の役割を整理し、キックオフを迎えたものの、開始3分でいきなり失点を喫したこともあり、チームはなかなかギアが上がってこない。

「前回の市船戦もそうだったんですけど、裏を取るイメージを持っていたので、今回もそれを持って試合に挑んだんですけど、あまり裏にボールが来なくて、ちょっとイライラした時間帯もありました」。2トップ気味に配されたFW島田大雅(2年)とのバランスも考えながら、できることをやろうとピッチを走り回るが、シュートシーンを作り出せないまま、気づけば試合は1-1で最終盤に差し掛かっていた。

 後半41分。中央でMF飯島碧大(2年)が前を向き、FW齋藤結斗(3年)とのワンツーでバイタルへ侵入すると、立野は自分が動くべきポジションを瞬時に察知する。おそらく飯島の狙いはシュート。であれば、ボールがこぼれてきたら、絶対に自分が誰よりも先に押し込んでやる。

 飯島のシュートはGKがファインセーブで弾き出したが、いち早くこぼれに反応した背番号9が押し込んだボールは、ゴールネットを鮮やかに揺らす。そのままピッチサイドへ走り出すと、あっという間にチームメイトの輪の中に消えていく。




「今日は復帰戦でしたし、市船には前回も点を決められていて、『今日も決める』という気持ちで試合に挑んでいたので、もう気持ち良かったですね」。この1点はそのまま決勝ゴールに。期待の1年生ストライカーが、復帰戦できっちり結果を残してみせた。



 もともと前所属のFC LAVIDAでも、試合に出始めたのは中学3年になってからとのこと。いわゆるエリート街道を歩んできたわけではないだけに、高校に入学してからの半年近い時間は、とにかく環境が大きく変わり、あっという間に過ぎ去っていった。

「いろいろな経験もそうですし、刺激もたくさん入ってくるので、凄く濃い半年でした。やっぱり周りの人たちの学年が上なので、中学のころと全然違う強度ですし、チームメイトの山口(豪太)くんや長(璃喜)くんも凄い選手なので、それも本当に衝撃的でした。2人ともLAVIDAのころは全然接点がなかったので、今は一緒に試合に出られて嬉しいです」。

 加えて4月にはU-16日本代表に選出され、海外遠征も経験。「海外の選手はスピードも違いますし、一人ひとりの強度が高くて、日本で通じるキープ力も全然通じなかったりするので、もっとキープ力を上げて、海外でも活躍できるようになりたいですし、もっと結果を残して、代表に残っていけるように頑張りたいです」とさらなるレベルアップも誓っている。

 とはいえ、まずは昌平でのポジション争いが待っている。芦田徹監督も「京弥は頼りになりますけど、フォワード陣にとっては、お互い負けないようにいいものを出すという意味での競争が生まれることが、チームにとっても何よりの刺激になると思います」と言及。夏の期間でさらなる成長を遂げてきた齋藤や島田と切磋琢磨しながら、よりチームにとって欠かせない選手になるため、自分自身にベクトルを向け続けるだけだ。

「高校での3年間というのは、全然時間がないと思いますし、まずは1年生のあと半年間でどれだけ成長できるかが大事だと思うので、もっと成長できるように頑張りたいです」。

 与えられた才能は、備わっている感覚は、間違いない。あとはそれを常に解き放つだけの準備を、丁寧に整えていくことが何より大事。タレント居並ぶ昌平を最前線で牽引する1年生ストライカー。立野京弥は自らのゴールを重ねることで、何度でも、何度でも、仲間に最高の笑顔をもたらしていく。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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