[MOM5346]米子北MF石飛五光(3年)_「5つの光」に彩られた圧倒的スピードスターの執念実る!苦しい延長で快足を飛ばして歓喜の決勝弾!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 プレミアリーグプレーオフ決勝戦 米子北高 2-1(延長) 新潟U-18 ホットスタッフフィールド広島]
きっとチャンスは何回も巡ってこない。その瞬間が来るタイミングを見定め、そこにすべてのパワーとエネルギーを注ぎ込み、必ず獲物を仕留めてみせる。背番号11は自分が光り輝く瞬間を、虎視眈々と狙い続けていた。
「自分でも冷静だったなと思いますし、しっかり流し込むことができて良かったです。もうゴールが入った瞬間に頭が真っ白になって、嬉しすぎましたね。人生の中でも忘れられないゴールになったなと思います」。
米子北高(中国1/鳥取)が誇る、圧倒的なスピードを有する俊足アタッカー。MF石飛五光(3年=RIP ACE SC出身)は持ち味を存分に生かして叩き出した鮮やかなゴールで、チームのプレミア復帰を力強く手繰り寄せた。
「前半はなかなかサイドを突破できなくて、悔しい想いがあったんですけど、後半にフォワードになってからは、自分のスピードを生かした裏抜けを意識していました」。1年でのプレミア復帰だけを目指して乗り込んできたプレミアリーグプレーオフ。アルビレックス新潟U-18(北信越/新潟)との一戦に臨む石飛は、自身の役割をしっかりと把握していた。
前半に解き放たれた右サイドハーフの位置で、まず一番に考えていた選択肢はドリブル勝負。ボールが入ったら縦へ、縦へ。アグレッシブな姿勢は打ち出し続けるものの、押し込まれる展開の中ではどうしても単騎で仕掛ける機会が多く、チャンスを生み出すまでには至らない。


1-0でリードしていた後半16分にFW田中太賀(3年)に代わって投入されたMF山本輝(3年)が右サイドハーフへ送り込まれると、石飛はFW猪股久修(3年)と並ぶ2トップの一角へスライド。だが、チームは23分に失点を喫し、スコアを振り出しに引き戻されてしまう。
絶好の得点機が訪れたのは後半アディショナルタイムの45+2分。カウンターからMF宮崎亮翔(3年)とパスを交換し、中央へこぼれたボールを拾うと右足一閃。しかし、軌道はクロスバーを大きく超えてしまう。頭を抱える11番。試合はそのまま延長戦へと突入する。
もうメンタルは切り替わっていた。改めて残された20分間へ強い決意を持ってピッチに飛び出すと、すぐさまその瞬間はやってくる。
延長前半2分。右サイドから山本が蹴り込んだフィードへ向かって、石飛は疾風のように走り出す。「山本が前に蹴ってくれた時に、裏抜けのイメージはできていたので、『もう行ける!』と思いましたし、少し先の未来の形は見えていました」。相手のバックパスが小さくなったところを見逃さず、ボールを収めた視界の先に、GKとゴールを捉える。


「キーパーの位置を見たら出てきていたので、冷静に流し込みました」。飛び出してきたGKの鼻先で、落ち着いて右足で流し込んだボールは、ゆっくりとゴールネットへと吸い込まれていく。次の瞬間。石飛は再び全速力で走り出す。
「ゴールを決めたら絶対に応援組のところへ行きたいなと思っていたんです。日ごろからプリンスの試合でも遠いところまで応援しに来てくれますし、みんなにしっかり感謝の気持ちを伝えに行きたいなと思っていました」。沸騰するスタンド。絶叫するチームメイト。そこには最高の景色が広がっていた。






「あのスピードは飛び道具なので、何とかして使いたいと思っていましたし、一番キツいあの時間帯に、アレだけ走れるんですから凄いですよね」(城市徳之監督)「石飛が抜けた瞬間に『あ、あるな』と思ったら決めてくれましたね、アイツもケガも多い中で苦労しながら、頑張ってやってくれていたので、最高の仲間を持ったなと思いました」(浜梶優大)
この1点は、結果的にチームの勝利を引き寄せる決勝点に。「今回のプレミア参入戦ではなかなか攻撃面で貢献することができていなくて、この2試合でもの凄く悔しい想いもしましたし、課題も見つけることができたんですけど、しっかり最後に決め切ることができたので嬉しかったです」。試合後には、スタンドの仲間と歓喜を分かち合う石飛の表情にも、大きな笑顔の花が咲いた。


大阪のRIP ACE SCから鳥取へとやってきた石飛には、意識する中学時代の“元チームメイト”がいるという。「中学校のころも志音がいるから、なかなか自分も試合に出られなかったところもあったんですけど、そのころからいろいろな刺激をもらいながら、ここまで頑張ってこれたところもあります。Jリーグでゴールを決めた時には電話もしました」。
今季のJ2で5ゴールを記録したサガン鳥栖の新川志音は友人であり、ライバル的な存在。その凄さは誰よりもよく理解しているからこそ、その活躍は素直に喜びながら、同時に自分の成長への糧へと繋げている。
『五光=ごこう』という印象的な名前には、両親の確かな想いが込められている。「1つめが『夢=自分の信念』、2つめが『健康』、3つめが『知性』、4つめが『繋がり』、5つめが『お金』。この5つの光が射しているという意味で、『五光』という名前になりました。ものすごく気に入っていますし、いろいろな人に珍しいと言われるので、こういう名前を親に付けてもらって良かったです」。
チーム全員で掲げてきた目標のプレミア復帰は果たしたものの、このあとにはその名前をさらに全国へと広めるための晴れ舞台が待っている。石飛は昨年度も途中出場でピッチに立ちながら、初戦敗退を突き付けられた高校選手権での飛躍を、はっきりと頭の中にイメージしている。
「今日1日はみんなで昇格の余韻に浸りながら、明日からもう切り替えて、選手権に向けて頑張っていきたいです。選手権でもサイドハーフとフォワードをやることがあると思うので、今日みたいに裏へ抜け出して、点が獲れたらいいなと思っていますね」。
初戦で当たるのは優勝候補の流通経済大柏高だが、相手にとって不足はない。そのドリブルは間違いなく全国の猛者をも驚かせることができるだけの代物。米子北の攻撃を文字通り牽引する、11番のスピードスター。石飛五光はいつでも目の前のピッチを全速力で駆け抜け、歓喜の光の射す方へチームを逞しく導いていく。


(取材・文 土屋雅史)
●高円宮杯プレミアリーグ2025特集
[12.14 プレミアリーグプレーオフ決勝戦 米子北高 2-1(延長) 新潟U-18 ホットスタッフフィールド広島]
きっとチャンスは何回も巡ってこない。その瞬間が来るタイミングを見定め、そこにすべてのパワーとエネルギーを注ぎ込み、必ず獲物を仕留めてみせる。背番号11は自分が光り輝く瞬間を、虎視眈々と狙い続けていた。
「自分でも冷静だったなと思いますし、しっかり流し込むことができて良かったです。もうゴールが入った瞬間に頭が真っ白になって、嬉しすぎましたね。人生の中でも忘れられないゴールになったなと思います」。
米子北高(中国1/鳥取)が誇る、圧倒的なスピードを有する俊足アタッカー。MF石飛五光(3年=RIP ACE SC出身)は持ち味を存分に生かして叩き出した鮮やかなゴールで、チームのプレミア復帰を力強く手繰り寄せた。
「前半はなかなかサイドを突破できなくて、悔しい想いがあったんですけど、後半にフォワードになってからは、自分のスピードを生かした裏抜けを意識していました」。1年でのプレミア復帰だけを目指して乗り込んできたプレミアリーグプレーオフ。アルビレックス新潟U-18(北信越/新潟)との一戦に臨む石飛は、自身の役割をしっかりと把握していた。
前半に解き放たれた右サイドハーフの位置で、まず一番に考えていた選択肢はドリブル勝負。ボールが入ったら縦へ、縦へ。アグレッシブな姿勢は打ち出し続けるものの、押し込まれる展開の中ではどうしても単騎で仕掛ける機会が多く、チャンスを生み出すまでには至らない。


1-0でリードしていた後半16分にFW田中太賀(3年)に代わって投入されたMF山本輝(3年)が右サイドハーフへ送り込まれると、石飛はFW猪股久修(3年)と並ぶ2トップの一角へスライド。だが、チームは23分に失点を喫し、スコアを振り出しに引き戻されてしまう。
絶好の得点機が訪れたのは後半アディショナルタイムの45+2分。カウンターからMF宮崎亮翔(3年)とパスを交換し、中央へこぼれたボールを拾うと右足一閃。しかし、軌道はクロスバーを大きく超えてしまう。頭を抱える11番。試合はそのまま延長戦へと突入する。
もうメンタルは切り替わっていた。改めて残された20分間へ強い決意を持ってピッチに飛び出すと、すぐさまその瞬間はやってくる。
延長前半2分。右サイドから山本が蹴り込んだフィードへ向かって、石飛は疾風のように走り出す。「山本が前に蹴ってくれた時に、裏抜けのイメージはできていたので、『もう行ける!』と思いましたし、少し先の未来の形は見えていました」。相手のバックパスが小さくなったところを見逃さず、ボールを収めた視界の先に、GKとゴールを捉える。


「キーパーの位置を見たら出てきていたので、冷静に流し込みました」。飛び出してきたGKの鼻先で、落ち着いて右足で流し込んだボールは、ゆっくりとゴールネットへと吸い込まれていく。次の瞬間。石飛は再び全速力で走り出す。
「ゴールを決めたら絶対に応援組のところへ行きたいなと思っていたんです。日ごろからプリンスの試合でも遠いところまで応援しに来てくれますし、みんなにしっかり感謝の気持ちを伝えに行きたいなと思っていました」。沸騰するスタンド。絶叫するチームメイト。そこには最高の景色が広がっていた。






「あのスピードは飛び道具なので、何とかして使いたいと思っていましたし、一番キツいあの時間帯に、アレだけ走れるんですから凄いですよね」(城市徳之監督)「石飛が抜けた瞬間に『あ、あるな』と思ったら決めてくれましたね、アイツもケガも多い中で苦労しながら、頑張ってやってくれていたので、最高の仲間を持ったなと思いました」(浜梶優大)
この1点は、結果的にチームの勝利を引き寄せる決勝点に。「今回のプレミア参入戦ではなかなか攻撃面で貢献することができていなくて、この2試合でもの凄く悔しい想いもしましたし、課題も見つけることができたんですけど、しっかり最後に決め切ることができたので嬉しかったです」。試合後には、スタンドの仲間と歓喜を分かち合う石飛の表情にも、大きな笑顔の花が咲いた。


大阪のRIP ACE SCから鳥取へとやってきた石飛には、意識する中学時代の“元チームメイト”がいるという。「中学校のころも志音がいるから、なかなか自分も試合に出られなかったところもあったんですけど、そのころからいろいろな刺激をもらいながら、ここまで頑張ってこれたところもあります。Jリーグでゴールを決めた時には電話もしました」。
今季のJ2で5ゴールを記録したサガン鳥栖の新川志音は友人であり、ライバル的な存在。その凄さは誰よりもよく理解しているからこそ、その活躍は素直に喜びながら、同時に自分の成長への糧へと繋げている。
『五光=ごこう』という印象的な名前には、両親の確かな想いが込められている。「1つめが『夢=自分の信念』、2つめが『健康』、3つめが『知性』、4つめが『繋がり』、5つめが『お金』。この5つの光が射しているという意味で、『五光』という名前になりました。ものすごく気に入っていますし、いろいろな人に珍しいと言われるので、こういう名前を親に付けてもらって良かったです」。
チーム全員で掲げてきた目標のプレミア復帰は果たしたものの、このあとにはその名前をさらに全国へと広めるための晴れ舞台が待っている。石飛は昨年度も途中出場でピッチに立ちながら、初戦敗退を突き付けられた高校選手権での飛躍を、はっきりと頭の中にイメージしている。
「今日1日はみんなで昇格の余韻に浸りながら、明日からもう切り替えて、選手権に向けて頑張っていきたいです。選手権でもサイドハーフとフォワードをやることがあると思うので、今日みたいに裏へ抜け出して、点が獲れたらいいなと思っていますね」。
初戦で当たるのは優勝候補の流通経済大柏高だが、相手にとって不足はない。そのドリブルは間違いなく全国の猛者をも驚かせることができるだけの代物。米子北の攻撃を文字通り牽引する、11番のスピードスター。石飛五光はいつでも目の前のピッチを全速力で駆け抜け、歓喜の光の射す方へチームを逞しく導いていく。


(取材・文 土屋雅史)
●高円宮杯プレミアリーグ2025特集



