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「あのミスで『もう止めるしかない』って感じに…」。痛恨ミスで失点も、東山の2年生GK麻生太朗が切り替えてビッグセーブ、プレミア切符掴む

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東山高GK麻生太朗(2年=京都サンガF.C.U-15出身)は痛恨ミスも、その後のビッグセーブでチームを救った

[12.14 プレミアリーグプレーオフ決勝 東山高 2-1 尚志高 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場]
 
 12年ぶりとなるプレミアリーグ昇格。試合後のセレモニーで東山高(関西2/京都)の選手、スタンドの控え部員も笑顔を見せる中、GK麻生太朗(2年=京都サンガF.C.U-15出身)の表情は晴れない。スタッフから笑顔になることを求められたが、両手で大きな“バツ印”。それでも前を向いて記念写真に収まった。

 チームに迷惑をかけたという思いがある。1-0の前半16分、麻生はDF裏に抜けてきたロングボールに対応。相手よりも先にポジションを取り、ボールがPAに入るのを待ってキャッチしようとする。だが、尚志高(東北1/福島)のエースFW根木翔大(3年)は想像を上回るような速さ。キャッチする直前に触れられて入れ替わってしまい、そのまま同点ゴールを献上した。

「もう、僕のミスです」

 プレミアリーグ昇格をかけた大一番で痛恨のミス。ただし、スコアはまだ1-1で、時間も70分以上残っていた。「引きずっててもしゃあないんで、そんな僕、上手くはないんで、いつもミスばっかしてチームに迷惑かけてるんで、今日はもう、すぐ切り替えられました」。その麻生が今度はビッグセーブでチームを救う。

 前半23分、根木にDF背後を突かれ、そのまま決定的な右足シュートを打たれた。だが、麻生が左手一本でストップ。「9番の選手(根木)に出てくるっていうのは分かってたんで、出てきてタッチがちょっと大きくなったんで『もう勝負しよう』と。MF村上絢哉(3年)がスライディングで来てたんで、これもう出たら止めれるなっていう感触はありました」。前に出てシュートに反応。チームメイトたちとハイタッチを繰り返した。

「あのミスで『もう止めるしかない』って感じになったんで、もう引きずらずにやるしかないと思って止めれました。あれを止められていなかったら、(やっぱり)引きずっていたかもしれません。シュートストップが得意な方なんで、それを出せて良かったと思います」というビッグセーブ。このプレーでしっかりと切り替えることができた。東山は相手の長短のパスで崩されるシーンもあったが、麻生はこの1年で成長したというクロス対応を見せるなどゴール前で落ち着いて守備。村上のシュートブロック、3年生たちの献身的なプレッシングなどもあって、1-1を維持する。
 
 そして、後半22分にダブルキャプテンの一人、MF林亮大朗(3年)のファインゴールで勝ち越し。麻生は後半にキックミスをしてしまうなど納得のいく試合ではなかった。それでも、2-1で勝利。麻生、そして東山は来年、プレミアリーグが主戦場になることが決まった。

「キックも僕、めちゃくちゃ下手なんで。いつもリーグ戦とかもこうやってキックでチームに迷惑かけている。来年、プレミアあるんで、そこまでにはちゃんと修正して、プレミアレベルのGKになりたい。安定感あって、めっちゃ攻められても全部守り切れるっていうGKになりたいです」。その麻生は1年時から大舞台を経験している注目守護神。今夏、負傷離脱中に1日2回の筋トレなど肉体強化を徹底し、肩周り、胸板など身体を一回り大きくしてきた。その2年生守護神に対し、福重良一監督はこの試合を成長の糧にすることを求める。

「彼にとってはあと1年あるんで、そこでやっぱりメンタル的にも、技術的にも成長してもらって、そういう意味ではいい失敗だったかなと思います」

 今年はインターハイ予選、選手権予選でいずれも準優勝。来年はプレミアリーグの戦いに加え、インターハイ、選手権を勝ち抜くチームにならなければならない。麻生は「東山の球際だったりを存分に出して、格上のチームでも、2枚上手でも粘って粘って勝てるっていうチームを作っていきたいです。僕たち今年、インターハイ負けて、選手権も負けてしまって、選手権はもう3年連続負けてるんで、このプレミアっていう経験を活かして、インターハイ、選手権を取りたいと思います」と誓った。

 麻生にとって3年生は「ずっと一緒にいて、凄く優しくて、大好きっすね」という世代。その3年生たちが最後の意地を見せ、1、2年生たちが成長する舞台をもたらしてくれた。先輩たちの期待に応えて成長を遂げ、来年、目標を達成する。

責任を感じ、心から笑顔にはなれなかった。それでも、先輩たちに感謝のプレミアリーグ昇格

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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