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[MOM5405]東海大甲府DF植田聖天(2年)_選抜歴なしの無名のCBが、抜群の強度とスピード武器に圧倒的な守備。攻め上がりでもチームの強みに

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東海大甲府高CB植田聖天主将(2年=FCオーパスワン出身)が相手の速攻を阻止

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.7 山梨県新人大会3位決定戦 東海大甲府高 1-0 韮崎高 山梨学院和戸サッカー場]

 抜群の強度に加え、50m走6秒フラットの快足。CB植田聖天主将(2年=FCオーパスワン出身)は「チームで掴んだ勝利かなって思います」と仲間に感謝していたが、自身も圧倒的なプレーで東海大甲府高の山梨3位に大きく貢献した。

 最も自信を持っているのは「対人能力です」。DFラインを裏返そうとしてくる韮崎高の攻撃をほぼ完璧に封じ込んでいた。自身の背後だけでなく、逆サイドのスペースも幅広くカバーリング。抜群のスピードで先にボールへ追いつき、身体の強さで相手を抑え込んでいた。

 また、紙一重の攻防での際の強さも発揮。相手のカウンター攻撃をスライディングタックル一発で止めたほか、届くか届かないかというボールにも身体を投げ出して足に当てていた。

 身長179cm、76kgの植田は空中戦でも相手を上回る動き。「自分はもう絶対点を取らせないということを意識しています。自分がいれば点が入んないというか、自分が抜かれなければ点入んないんで、もう絶対抜かれないという気持ちでやっています」。最終ラインの中央で責任感のあるプレーを見せ続けていた。

「そこ(際のところ)はもう気持ちで。ずっと筋トレ、身体作りをやっていて、今日も試合の前から全員で『勝つぞ』と。自分がキャプテンとしてもチームを引っ張っていくっていうところでは、球際で負けちゃいけないなと思って、切り替えでのスライディングのところだったりも意識してやっていました」

 加えて、植田はカウンター攻撃の流れで攻め上がり、前線での胸トラップからポストプレーまで見せていた。「(チームメイトも)『カバーするから行ってきていいよ』っていうのを言われていて。(監督の)大石さんも『行ってきていいよ』って言ってくれている。そうなったらやり切らなきゃいけないので、そこは意識しています」。ビルドアップで相手に寄せられても強度で上回る植田は余裕を持ってボールをキープ。チームメイトのサポートも受けながら、攻撃面でもチームのストロングポイントになっていた。

 植田は2024年度選手権得点王の堀越高(東京)FW三鴨奏太(3年)と同じFCオーパスワン(東京)出身。三鴨とは「もうレベル違って」、当時は目立つようなプレーヤーではなかったという。高校進学時の勧誘もわずか。それでも、大石奨悟監督らからの熱心な誘いを受け、「寮生活ってところもあって、自分の成長のために1個、親元離れて頑張ろう」と進学した東海大甲府で大きな進化を遂げた。

 元々スピードがあったこともあり、1年時からFWやサイドで出場機会を増加。止める・蹴るの課題改善のため、ロングキックを毎日練習したり、練習前にリフティングを行うなど精力的に取り組んできた。また、筋トレに加え、身体の硬さを変えるためにストレッチの時間も増加。県トレ、選抜歴は全くないというが、取り組んできたことが実となり、特に守備面では全国トップクラスのFWにも対抗できるまでに成長を遂げている。
 
 植田は昨秋の選手権予選準決勝で、CBとして山梨学院高FWオノボフランシス日華(3年)と対峙。「絶対負けないって気持ち」でプリンスリーグ関東やインターハイでゴールを量産した高校年代屈指のストライカーに食らいついた。

 前半にセットプレーの流れからオノボに決められて0-1。だが、「相手によって対応を変えています」という植田は執拗なマークを続けると、後半11分にポジション争いでの攻防でオノボの右肘が植田の顔に入り、相手にレッドカードを提示された。試合は0-2で敗戦。オノボが80分間出ていれば、さらに失点していたかもしれないが、逸材とやり合えた経験は植田の自信になったという。

 ここからの1年、そして大学で成長し、プロになることが目標。大石監督も「ちょっと身体能力がずば抜けています。(凄さは)フィジカル、スピード、強さ。器用ではないので、技術のところ、キックの精度とかはまだまだです。でも、対人のところはそうそう負けない。個人的には関東1部、2部でやって欲しいですし、プロを目指してやって欲しい」と期待を寄せる。

 目標は元スペイン代表のCBセルヒオ・ラモス。「身長も他のCBと比べたら、ラモスはあんま大きくない。でも、球際の強さだったりは凄いし、今日も動画を試合前見て、意識してやっていました」。新人戦準決勝の山梨学院戦は0-4で敗戦。借りを返すことはできなかったが、「県内で学院以外のチームには負けない」という誓い通りに伝統校・韮崎に勝って新人戦を終えた。

「この1年の目標は、まず関東出て、インターハイも出場して、全国も出場します」ときっぱり。将来の目標を達成するためにも、チームメイトと協力し、多くの人の目に留まる機会を勝ち取らなければならない。2026年度、植田は結果を出すこととともに、上のステージで通用する気持ちと身体を作り上げるような一年にする。


(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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