beacon

初となる夏の日本一も慢心せず、新たな挑戦、アピール⋯。静岡学園が神村学園との新旧インハイ王者対決を制し、「ECLOGA U-18 IN 埼玉」制覇!

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

静岡学園高が「ECLOGA U-18 IN 埼玉 2026」を制した

[8.14 ECLOGA U-18 IN 埼玉 静岡学園高 2-0 神村学園高 SFAフットボールセンター KAZOヴィレッジAピッチ]

 インハイ王者・静岡学園が「ECLOGA U-18」制覇! 2026年のインターハイ優勝校・静岡学園高(静岡)と2025年度インターハイ、選手権2冠の神村学園高(鹿児島)、2024年度インターハイ優勝の昌平高(埼玉)、そして奈良クラブユース(奈良)が強化と交流、また開催地域への普及とレベルアップを図る「ECLOGA U-18 IN 埼玉 2026」は大会最終日の14日に2試合を行った。ともに1勝同士の静岡学園対神村学園は、静岡学園が2-0で勝利し、2戦2勝で優勝。なお、大会MVPには、静岡学園の左SB長坂健太(3年)が選出されている。

「ECLOGA U-18 IN 埼玉 2026」は参加4チームが1回戦総当りで優勝を争う大会。静岡学園と神村学園はいずれも12日の初戦で白星スタートを切った。当初、両校は13日に対戦する予定だったが、悪天候のため中止に。そのため、大会運営サイドは大会最終日の14日の日程を変更し、“優勝決定戦”として新旧インハイ王者対決を実施した。

 ともに怪我人やミズノ&出島フットボールによる新プロジェクト「Japan Evolving Next Gen project」の海外遠征参加者がいる中、秋冬へ向けた準備も兼ねての真剣勝負。静岡学園の先発はGKが池田旬(3年)でDFは右SB高丘泰昂(3年)、CB飯尾善(3年)、CB保延昭良(3年)、長坂の4バック。中盤は半田怜也(3年)と泉新(3年)のダブルボランチで右SH加集啓太(3年)、左SH安永龍生(3年)、そしてインターハイ得点王の坂本健悟(3年)と同大会決勝で決勝点の沢井翼(3年)が2トップを組んだ。

インハイで初優勝の静岡学園は秋冬の戦いへ向けてリスタート

 一方の神村学園の先発はGK久保侑工(3年)、DFは國安和眞(3年)、眞弓陽夢(2年)、木村絆久(3年)の3バック。中盤は清水内定MF大空星那(3年/U-17日本高校選抜)と長友奏大(3年)のダブルボランチで、右WB上野琉生(2年)、左WB中江銀次(3年)、トップ下が花城瑛汰(3年/U-17日本高校選抜)。そして岡野綱人(3年)と伏原俐空(3年)の2トップでスタートした。

神村学園はインハイを含む長期遠征が終盤へ。着実に成長を続けてきている

 静岡学園は後半35+5分の劇的な決勝点でインターハイ初優勝を果たしてから13日。2019年度以来となる選手権優勝、2年ぶりのプレミアリーグ昇格を目指して再スタートを切ったチームは、プレミアリーグ勢の神村学園に“挑戦”するということもあってモチベーションが高かった。インターハイで出場機会の少なかった選手にとってはアピールのチャンス。また、同大会準決勝でプレミアリーグ勢の大津高(熊本)に大苦戦を強いられるなど、納得のできる内容での優勝ではなかっただけに、日本一で慢心した様子は見られなかった。

 川口修監督も「そこが今回、どう出るかなと思って楽しみにしていた。変に勘違いしているやつもいないし、『もっとやろうよ』ってなっているから、それが良かった」と頷き、この日、MVP級のプレーを見せていたCB飯尾は「(インターハイは)結構ギリギリ勝ったって感じなので、課題を改善しないといけない。大津でああいうゲームになってしまったんで、自分たちがもっとミスなくボールを保持して、相手のゴールに迫っていくサッカーをしようって共有していたんで、それが今日はできたと思います」と評価していた。

 前半2分、静岡学園が先制する。右サイドから高丘が攻め上がり、ポケットへパス。これは神村学園DFに奪われたものの、すぐにプレッシャーを掛けて相手のパスコースを限定する。すると、神村学園のクリアが中央へ。これを狙っていたという半田がPA外側から左足ダイレクトでゴール右隅に流し込み、先制した。

前半2分、静岡学園MF半田怜也が左足で先制ゴール

インハイでもスーパーゴールを決めているボランチが先制点

 静岡学園は直後にも坂本が強引にDFと入れ替わり、GKと1対1に。だが、これを神村学園GK久保に阻まれると、その後も沢井、安永のシュートが枠を捉えながらも名手・久保の守る相手ゴールを破ることができない。

神村学園は守護神のGK久保侑工が好セーブを連発

 ただし、インターハイは怪我で登録外だった加集のボールキープと左足クロスや今大会から左SBにチャレンジ中の快足DF長坂のオーバーラップ、安永のドリブル突破でゴール前のシーンを創出。また、坂本、沢井の2トップが競り合いで勝り、切り替えの速さでも神村学園を上回るような序盤だった。

静岡学園の左SB長坂健太は大会MVPに選出された

 一方の神村学園は長友や花城がDF間で巧みにボールを引き出して反撃。また、岡野との連係で花城が前を向いて仕掛けたほか、伏原がハイサイドへ抜け出してからのドリブルでゴールに迫ろうとする。そして17分、伏原が相手守備陣の連係ミスを逃さずにバックパスをカットし、GKに倒される形でPKを獲得。だが、自ら放った右足PKは静岡学園GK池田に完璧に止められてしまう。

前半17分、神村学園FW伏原俐空の右足PKを静岡学園GK池田旬がストップ

 この日、静岡学園はインターハイで大活躍したGK田邊匠真(3年)が不在でGKは池田のみ。池田は15時開始のB戦で雷による中断まで50分間ほどプレーし、17時15分開始の“優勝決定戦”でフル出場、そしてこの試合後のB戦の残り30分もゴールを守った。その中でのPKストップで、ゴールを死守。前半半ば以降は神村学園に主導権を握られる時間帯が増えたものの、ともにゴール前の対応、際の強さが光る飯尾、保延の両CBらとともに得点を許さなかった。

 神村学園の有村圭一郎監督はこの1か月間での強度の向上を評価する。長友が試合終盤までコンタクトやスプリントで強度の高い動きを続けていたのをはじめ、各選手が高い基準を表現。静岡学園が攻め切る前にボールを奪い返し、攻撃に持ち込んでいた。國安、眞弓、木村の3バックはミスもありながらも出足良く相手の攻撃を止めるなど健闘。また、上野、中江の両WBが高い位置で攻撃に係わり、ゴール前のシーンを増やしていく。

 だが、静岡学園はインターハイ同様、ゴール前の守りが堅い。無失点のまま試合を進めると、逆に前半終盤はサイドからの崩しと前からの守備で2点目のチャンスを創出。坂本や泉、沢井が決定機を迎える。だが、GK久保や粘り強い相手DF陣の前に決め切ることができなかった。

インハイ得点王の静岡学園FW坂本健悟がゴールに迫る

 神村学園は前半37分に怪我の奥田とMF大西隼人(2年)、静岡学園は後半開始から坂本とFW村松亮(3年)をそれぞれ交代。すると後半8分、静岡学園が追加点を奪う。自陣からボールを繋ぎ、中盤中央で前を向いた泉が左へ展開。長坂のクロスのこぼれを沢井が後方へ落とすと、泉が右足を振り抜く。DFに当たってコースの変わった一撃がそのままゴールイン。2-0となった。

後半8分、静岡学園MF泉新が右足シュートを決める

インハイ決勝に続くゴールで2-0とした

 神村学園は直後に上野とJクラブ注目の右WB竹野楓太主将(3年)をチェンジ。静岡学園も14分に接触プレーで痛んだ高丘と右SB新宮仁喜(3年)を交代する。神村学園は右の竹野からの鋭いパスが中央の大西へ通るが、シュートは静岡学園DFがブロック。神村学園はさらに大空が中央からドリブルで持ち上がって左足を振り抜くなど、まず1点を目指す。

神村学園の右WB竹野楓太は交代出場で推進力のある動き

 対する静岡学園は左の村松からのラストパスを半田が左足で狙い、25分には中央の村松が右へさばいて右SB新宮がクロスバー直撃の右足シュート。神村学園も終盤に掛けて花城の存在感が増し、その花城のラストパスから中江が左足シュートを打ち込む。

 そして、30分には花城のスルーパスで伏原が抜け出す。だが、切り返した瞬間に「カットインして来るって自分で予想していたんで足残してやったら、ちょうどボール来たんで、しっかりブロックするだけでした。自分はキックとか守備とかで貢献するタイプなんで、ヘディングとか対人の守備とか、絶対目の前の相手に負けないようにしていこうと思っていました」という静岡学園CB飯尾がインターセプト。神村学園は竹野の推進力も加えて反撃したものの、静岡学園は決定打を打たせない。

後半30分、神村学園FW伏原俐空がゴールに迫るが、静岡学園CB飯尾善がストップ

 逆に静岡学園は自陣からボールを繋いで前進。安永がカットインから右ポスト直撃の右足シュートを打ち込んだほか、CB保延の距離の長いスルーパスで加集が抜け出して会場を沸かせる。この日、静岡学園はインターハイ決勝から先発5人が入れ替わっていたものの、インターハイの糧も活かした戦いで快勝。飯尾は「自分たちの個性とか、静学のサッカーを出して今日は勝てたと思います」と微笑んだ。

 試合後には、インターハイ初戦での大怪我によって離脱中のMF足立羽琉主将(3年)も加わり、優勝セレモニー。チームメイトに促され、松葉杖姿の足立がトロフィリフトを行った。当初、全治6か月の診断を受けた足立だが、地元・関東の病院で再診した結果、最短で11月末から12月初旬に復帰できる可能性を伝えられたという。その足立や今回のB戦で連発したFW渡邉怜央(3年)ら3年生、下級生も含めてまた切磋琢磨。昨年度、インターハイ優勝からさらに進化して選手権との2冠を達成した神村学園のような成長曲線を描き、今度はより多くの部員や関係者、観衆の前で再び日本一を喜ぶことが目標だ。

 インターハイは守備陣の頑張りやエースFW坂本の活躍などで日本一を勝ち取ったが、川口監督も、選手たちも自分たちのサッカーが表現できなかったことを悔しがっていた。より高いレベルを求めるチームは今回、「ECLOGA U-18 IN 埼玉 2026」でプリンスリーグ東海では感じることのできないような強度や推進力、切り替えの速さを体感。川口監督は「(神村学園戦で)プレミアの基準を知れたっていうのが凄くデカい」と語る。このレベルの相手でも静岡学園らしくボールを保持しながら自分たちのリズム、テクニック、インテリジェンスを表現できるようにならなければならない。

 飯尾は「インターハイ取れたことは良かったんですけど、慢心せず、まずはプリンス全勝してプレミア昇格して、選手権も日本一を一番の目標にしているんで、選手権で日本一取って終わりたいと思います。(個人としては)ここから全試合怪我なくフル出場して、やっぱ自分がいないとこのチームはないみたいな、そういう絶対的な存在になりたいです」。ここからまた一人ひとりが意識高く準備を続け、プリンスリーグ東海再開初戦(9月5日/対愛工大名電高)へ向かう。

優勝セレモニーで静岡学園は怪我で離脱中のMF足立羽琉主将がトロフィリフト

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

「ゲキサカ」ショート動画

TOP