[プリンスリーグ東北]強いだけでなく「運を持って来れるチーム」へ。インハイ前後で変わった尚志が5-0でリスタート
[8.29 プリンスリーグ東北第11節 尚志高 5-0 帝京安積高 帝京安積高校サッカー場]
尚志がインターハイの反省を糧に快勝。高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2026 東北が29日、約2か月ぶりに再開。第11節が行われ、首位の尚志高(福島)が5-0で帝京安積高(福島)に快勝した。
尚志は9勝1分で無敗首位。だが、昨年の全国3位超え、初優勝を狙ったインターハイは初戦で矢板中央高(栃木)に1-2で競り負けている。この日の先発は怪我や新戦力の台頭もあり、インターハイから6人が変更。GKが新井啓一郎(3年)、DFは右SB栗原優介(3年)、CB野上怜玖(3年)、CB中村一平主将(3年)、左SB星山珂凰(3年)の4バック。中盤は星宗介(3年/U-17日本代表)と瀧田悠(3年)のダブルボランチでトップ下が齋藤真希人(2年)。右SH齋藤浩司(3年)、左SH奥村玲央(3年)、そしてFW木村瑠海(3年)が1トップを務めた。


一方の帝京安積は4勝1分5敗で8位。福島第2代表として出場したインターハイは同大会の準優勝校・近大附高(大阪)相手に先制しながら1-2で全国初白星を逃している。この日は主力2人を欠き、先発のGKは大知里士道(3年)、DFは右SB中村友羽(2年)、CB澤村亮哉(3年)、CB今野晃大(3年)、左SB安田珀斗(3年)の4バック。中盤中央は澤村亮哉(3年)と上杉拓未(3年)、杉山心(3年)の3人で構成。右SH近悠磨(2年)、左SH谷川翔哉(3年)、そして鈴木珀主将(3年)が1トップに入った。


試合開始1分過ぎ、尚志が早くも先制点を挙げる。敵陣中央で前を向いた齋藤真が左へさばき、奥村が対角の左足シュートを決めて1-0。尚志はさらに齋藤浩の連続シュートなどで攻めると10分、瀧田の左CKをニアの木村が頭でフリックする。そして、中央の齋藤真が胸トラップから豪快な左足ボレーを決め、2点差とした。






尚志の勢いは止まらない。前から奪いに来る相手に対して正確にボールを動かし、巧みに相手の逆を取る齋藤真を活用しながら前進。また、相手SBの背後を的確に突いてゴール前のシーンを作り出す。
16分、尚志は栗原の右クロスを木村が右足ダイレクトで決めて3点目。18分にも瀧田の左足ミドルのこぼれから奥村が右足を振り抜く。これは帝京安積GK大知里が反応し、右ポストをヒット。帝京安積はエースFW鈴木がボールを収めて起点を作り、杉山、上杉の飛び出しや谷川、近のドリブルでまず1点を返そうとする。




だが、尚志は注目MF星が高強度の奪い返しを見せたほか、CB野上が鋭い寄せとカバーリング。また、CB中村が相手のセットプレーを跳ね返すなど簡単には決定打を打たせない。そして26分、尚志は栗原の右クロスから木村がゴール前の競り合いでPKを獲得。これを自ら右足で決め、4-0とした。


開始26分間で4得点。星は「(インターハイの敗因の)一番は決定力不足だと思っているんで、そこはもう全員共通理解しているんで、今日の試合も立ち上がりから得点取れたのは、みんながその課題に向かっているっていう示しにもなった」と頷く。ゴール前で最後まで味方をサポートすることや積極的に足を振ることなど取り組んできたことを表現。序盤での大量得点に結びつけた。
帝京安積は32分に近とMF加瀬蓮翔(3年)を交代。その後は鈴木を筆頭に前からの守備で相手のビルドアップを止め、酒井らの奪い返しから、加瀬や上杉がサイドのスペースを突いてラストパスへ持ち込む。点差は開いていたものの、内容を改善して前半を終えた。


尚志は後半開始から栗原、野上、奥村、木村をCB迫田悠聖(3年)、MF若林衣武希(3年)、左SH寺島颯人(3年)、FW京増倫泰(3年)へ4枚替え。星を右SBへ移した。
帝京安積は後半3分、左SB安田がグラウンダークロス。これに杉山が飛び込むがわずかに合わない。7分には自陣ゴール前でのボールロストから相手FW京増に決定的なシュートを許したが、何とか凌ぐと、今野、澤村の両CBに支えられながら尚志と渡り合うような時間を増やす。


12分、帝京安積は中村のインターセプトから杉山がフィニッシュ。さらに16分には、谷川の右CKから上杉が決定的なヘッドを放つ。だが、これは尚志GK新井が見事な反応でビッグセーブ。帝京安積はテンポの速い攻撃など狙いとする攻守を表現していたが、1点を奪うことができない。




尚志は後半半ばに瀧田をMF黒澤瑶(3年)へ、帝京安積も鈴木をFW小原碧翔(2年)へ交代する。尚志は相手のハイプレスの背後を取る形で京増、齋藤浩が抜け出し、若林や左SB星山も前方の選手を追い越す形でスペースへ飛び出していく。そして、齋藤浩や寺島、黒澤が連続でシュート。帝京安積はGK大知里がファインセーブを連発したものの、31分、尚志は左の寺島が縦への仕掛けから左足を振り抜く。このこぼれを齋藤浩が右足で押し込み、5-0とした。




帝京安積は39分に酒井と杉山をMF二瓶徠斗(3年)とMF福留広大(2年)へ交代して反撃を続ける。だが、尚志は序盤の4得点で終始安定した試合運び。雨、相手ハイプレスの中であえてボールを繋ぎにいったことでミスも出ていたが、再開初戦で快勝を収めた。
尚志はインターハイの矢板中央戦でシュート数14-2と圧倒しながら、後半アディショナルタイムに蹴り直しのPKを決められて初戦敗退。仲村浩二監督は「ダメなサッカーで負けた訳じゃなかった」という。ただし、「運を持って来れないようなチームだっていうのが、僕はダメだと思う。(勝ち上がるチームは)強いだけじゃなくて、そういう運を持って来れるチーム。やっぱり選手権で優勝するチームって、必ずPKも勝ったりとか、実力だけじゃないもの、何か見えないものって絶対持っていると僕は思っているんで、そういうところがフォーカスされるようなチームになんなきゃいけない」と指摘する。
U-17日本代表の星や10番の若林、この日怪我で欠場した注目左SB寺田悠真(3年)、MF大熊瑠空(3年/U-17日本高校選抜)、迫田と下級生時から評価を得ていた選手たちが多いが、インターハイ前は練習もピッチ外の姿勢もまだまだで、試合では自分たちでリズムを崩すような弱さも。DF西村圭人(現・新潟医療福祉大)を中心に目標へ向かっていく力、“運を引き寄せるような力”のあった昨年に比べると課題があった。
ただし、インターハイの敗戦を機にそれぞれが取り組みを見つめ直し、変化も見えてきているようだ。若林は「食事のところだったり、筋トレのところあたりも意識して変化が見える。自主的にやる人が絶対に増えていると思います」という。
また、寺田は、「(以前、練習試合で対戦した)流経(流通経済大柏高/プレミアリーグEAST首位)と同じ強度でやろうっていう話をしていて、インハイ前はそんな強度は高くなかったんですけど、インハイ後からやっぱ守備の強度も上がっているし、そこはインハイ前とインハイ後で変わったなと思います」と練習で求めるレベルも変わってきていることを明かす。チームリーダーの中村一やDF中村快生(3年)、野上らが周囲を巻き込み、常に信頼されるような取り組みができる選手、“運を引き寄せられるようなチーム”になる。
野上は秋冬への目標について、「やっぱ自分たちの目標は全国制覇なんで、そこに向けてピッチ内外で一致団結して、練習でも一人ひとりが意識高くやっていく。目の前の一戦一戦勝って、プレミア参入戦(プレーオフ)、選手権に繋げていきたい」とコメント。悔しい夏をバネに一人ひとりが変化を示し続けて選手権制覇、プレミアリーグ昇格という目標に近づく。


(取材・文 吉田太郎)
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尚志がインターハイの反省を糧に快勝。高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2026 東北が29日、約2か月ぶりに再開。第11節が行われ、首位の尚志高(福島)が5-0で帝京安積高(福島)に快勝した。
尚志は9勝1分で無敗首位。だが、昨年の全国3位超え、初優勝を狙ったインターハイは初戦で矢板中央高(栃木)に1-2で競り負けている。この日の先発は怪我や新戦力の台頭もあり、インターハイから6人が変更。GKが新井啓一郎(3年)、DFは右SB栗原優介(3年)、CB野上怜玖(3年)、CB中村一平主将(3年)、左SB星山珂凰(3年)の4バック。中盤は星宗介(3年/U-17日本代表)と瀧田悠(3年)のダブルボランチでトップ下が齋藤真希人(2年)。右SH齋藤浩司(3年)、左SH奥村玲央(3年)、そしてFW木村瑠海(3年)が1トップを務めた。


尚志はプレミアリーグ昇格と選手権日本一へ再スタート
一方の帝京安積は4勝1分5敗で8位。福島第2代表として出場したインターハイは同大会の準優勝校・近大附高(大阪)相手に先制しながら1-2で全国初白星を逃している。この日は主力2人を欠き、先発のGKは大知里士道(3年)、DFは右SB中村友羽(2年)、CB澤村亮哉(3年)、CB今野晃大(3年)、左SB安田珀斗(3年)の4バック。中盤中央は澤村亮哉(3年)と上杉拓未(3年)、杉山心(3年)の3人で構成。右SH近悠磨(2年)、左SH谷川翔哉(3年)、そして鈴木珀主将(3年)が1トップに入った。


帝京安積はプレミアプレーオフ、選手権出場が目標
試合開始1分過ぎ、尚志が早くも先制点を挙げる。敵陣中央で前を向いた齋藤真が左へさばき、奥村が対角の左足シュートを決めて1-0。尚志はさらに齋藤浩の連続シュートなどで攻めると10分、瀧田の左CKをニアの木村が頭でフリックする。そして、中央の齋藤真が胸トラップから豪快な左足ボレーを決め、2点差とした。


前半2分、尚志MF奥村玲央が先制ゴール


前半10分、尚志MF齋藤真希人が左足ボレーをネットに突き刺す


存在感を放った2年生アタッカーのゴールで2-0
尚志の勢いは止まらない。前から奪いに来る相手に対して正確にボールを動かし、巧みに相手の逆を取る齋藤真を活用しながら前進。また、相手SBの背後を的確に突いてゴール前のシーンを作り出す。
16分、尚志は栗原の右クロスを木村が右足ダイレクトで決めて3点目。18分にも瀧田の左足ミドルのこぼれから奥村が右足を振り抜く。これは帝京安積GK大知里が反応し、右ポストをヒット。帝京安積はエースFW鈴木がボールを収めて起点を作り、杉山、上杉の飛び出しや谷川、近のドリブルでまず1点を返そうとする。


前半16分、尚志は右クロスをFW木村瑠海が合わせる


これで3-0
だが、尚志は注目MF星が高強度の奪い返しを見せたほか、CB野上が鋭い寄せとカバーリング。また、CB中村が相手のセットプレーを跳ね返すなど簡単には決定打を打たせない。そして26分、尚志は栗原の右クロスから木村がゴール前の競り合いでPKを獲得。これを自ら右足で決め、4-0とした。


前半26分、尚志FW木村瑠海が右足PKを決めて4点目
開始26分間で4得点。星は「(インターハイの敗因の)一番は決定力不足だと思っているんで、そこはもう全員共通理解しているんで、今日の試合も立ち上がりから得点取れたのは、みんながその課題に向かっているっていう示しにもなった」と頷く。ゴール前で最後まで味方をサポートすることや積極的に足を振ることなど取り組んできたことを表現。序盤での大量得点に結びつけた。
帝京安積は32分に近とMF加瀬蓮翔(3年)を交代。その後は鈴木を筆頭に前からの守備で相手のビルドアップを止め、酒井らの奪い返しから、加瀬や上杉がサイドのスペースを突いてラストパスへ持ち込む。点差は開いていたものの、内容を改善して前半を終えた。


帝京安積はエースFW鈴木珀主将を軸に反撃
尚志は後半開始から栗原、野上、奥村、木村をCB迫田悠聖(3年)、MF若林衣武希(3年)、左SH寺島颯人(3年)、FW京増倫泰(3年)へ4枚替え。星を右SBへ移した。
帝京安積は後半3分、左SB安田がグラウンダークロス。これに杉山が飛び込むがわずかに合わない。7分には自陣ゴール前でのボールロストから相手FW京増に決定的なシュートを許したが、何とか凌ぐと、今野、澤村の両CBに支えられながら尚志と渡り合うような時間を増やす。


帝京安積の守りの要、CB今野晃大は粘り強い対応でチームを支えた
12分、帝京安積は中村のインターセプトから杉山がフィニッシュ。さらに16分には、谷川の右CKから上杉が決定的なヘッドを放つ。だが、これは尚志GK新井が見事な反応でビッグセーブ。帝京安積はテンポの速い攻撃など狙いとする攻守を表現していたが、1点を奪うことができない。


後半16分、帝京安積MF上杉拓未が決定的なヘッドを放つ


尚志のU-17日本代表MF星宗介はボランチとして先発し、後半は右SBを務めた
尚志は後半半ばに瀧田をMF黒澤瑶(3年)へ、帝京安積も鈴木をFW小原碧翔(2年)へ交代する。尚志は相手のハイプレスの背後を取る形で京増、齋藤浩が抜け出し、若林や左SB星山も前方の選手を追い越す形でスペースへ飛び出していく。そして、齋藤浩や寺島、黒澤が連続でシュート。帝京安積はGK大知里がファインセーブを連発したものの、31分、尚志は左の寺島が縦への仕掛けから左足を振り抜く。このこぼれを齋藤浩が右足で押し込み、5-0とした。


後半31分、尚志はMF寺島颯人が左足シュート


こぼれ球をMF齋藤浩司が右足で押し込み、5-0
帝京安積は39分に酒井と杉山をMF二瓶徠斗(3年)とMF福留広大(2年)へ交代して反撃を続ける。だが、尚志は序盤の4得点で終始安定した試合運び。雨、相手ハイプレスの中であえてボールを繋ぎにいったことでミスも出ていたが、再開初戦で快勝を収めた。
尚志はインターハイの矢板中央戦でシュート数14-2と圧倒しながら、後半アディショナルタイムに蹴り直しのPKを決められて初戦敗退。仲村浩二監督は「ダメなサッカーで負けた訳じゃなかった」という。ただし、「運を持って来れないようなチームだっていうのが、僕はダメだと思う。(勝ち上がるチームは)強いだけじゃなくて、そういう運を持って来れるチーム。やっぱり選手権で優勝するチームって、必ずPKも勝ったりとか、実力だけじゃないもの、何か見えないものって絶対持っていると僕は思っているんで、そういうところがフォーカスされるようなチームになんなきゃいけない」と指摘する。
U-17日本代表の星や10番の若林、この日怪我で欠場した注目左SB寺田悠真(3年)、MF大熊瑠空(3年/U-17日本高校選抜)、迫田と下級生時から評価を得ていた選手たちが多いが、インターハイ前は練習もピッチ外の姿勢もまだまだで、試合では自分たちでリズムを崩すような弱さも。DF西村圭人(現・新潟医療福祉大)を中心に目標へ向かっていく力、“運を引き寄せるような力”のあった昨年に比べると課題があった。
ただし、インターハイの敗戦を機にそれぞれが取り組みを見つめ直し、変化も見えてきているようだ。若林は「食事のところだったり、筋トレのところあたりも意識して変化が見える。自主的にやる人が絶対に増えていると思います」という。
また、寺田は、「(以前、練習試合で対戦した)流経(流通経済大柏高/プレミアリーグEAST首位)と同じ強度でやろうっていう話をしていて、インハイ前はそんな強度は高くなかったんですけど、インハイ後からやっぱ守備の強度も上がっているし、そこはインハイ前とインハイ後で変わったなと思います」と練習で求めるレベルも変わってきていることを明かす。チームリーダーの中村一やDF中村快生(3年)、野上らが周囲を巻き込み、常に信頼されるような取り組みができる選手、“運を引き寄せられるようなチーム”になる。
野上は秋冬への目標について、「やっぱ自分たちの目標は全国制覇なんで、そこに向けてピッチ内外で一致団結して、練習でも一人ひとりが意識高くやっていく。目の前の一戦一戦勝って、プレミア参入戦(プレーオフ)、選手権に繋げていきたい」とコメント。悔しい夏をバネに一人ひとりが変化を示し続けて選手権制覇、プレミアリーグ昇格という目標に近づく。


尚志は一人ひとりが意識高くトレーニングし、目標に近づく
(取材・文 吉田太郎)
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