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[プレミアリーグEAST]公式戦初ゴールの土井が一気にハット!流経大柏が2戦連続Jユース勢撃破!

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[4.29 プレミアリーグEAST第3節 流通経済大柏高3-1鹿島ユース 流通経済大柏G]

 高校年代の全国リーグ、高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEASTは29日、第3節2日目の流通経済大柏高(千葉)対鹿島アントラーズユース(茨城)戦を行い、FW土井智樹(3年)のハットトリックの活躍によって3-1で流経大柏が勝利。2勝1分とし、無敗を守った。

 本田裕一郎監督が「きょう勝てば、チームに元気が出るよ。大きいよ」と語っていた鹿島ユース戦。決して内容のいいサッカーではなかったが、流経大柏は前節清水ユース戦に続くJユース勢撃破を果たした。2年生の主力メンバーがイタリア遠征中のため先発は全て3年生。前半は互いに蹴りあう展開となったが、相手に比べてミスが多く、セカンドボールも拾われた流経大柏は鹿島に押し込まれてしまう。

 流経大柏に流れの中からシュートを撃たせなかった鹿島は、MF橋本龍馬(3年)やMF飛田泰平(3年)の展開から右の飛田啓介(3年)、左の徳野舜(3年)の両SBが攻撃参加して押し込むと、20分には相手のクリアミスを拾ったMF川上盛司(2年)が右足ミドル。25分にも飛び込んできた相手SBをかわしたMF大竹蓮(3年)の右足ミドルがゴールを捉える。だが、流経大柏は「高さでは負けない、競り合いではまだ負けたことがない」というCB橋本直哉(3年)が空中戦で完勝したほか、足元の技術も高いゲーム主将・CB児玉夏樹(3年)も安定。またGK坂田大樹(3年)の好守など、相手に決定機をつくらせなかった。

 そして34分、ここまでシュート1本(枠内シュートゼロ)だった流経大柏が先制点を奪う。中盤中央で人数をかけてボールを奪うと、MF平賀裕貴(3年)がこの日初めてオーバーラップしてきた左SB原隆生(3年)へ展開。原の絶妙なクロスをファーサイドに飛び込んだ土井が頭で合わせてリードを奪った。

 この試合はパスがなかなか3本つながらず、ドリブルでサイドをえぐることもできていなかった流経大柏は90分間を通じてCK数ゼロ。前半は平賀がキープ力の高さを見せていたが、サイドへ展開するパスや背後を狙ったパスを鹿島にシャットアウトされてPAにすら近づくことができていなかった。それでもこの場面では攻撃がつながり「身長は高くないけれどヘディングは強い」(本田監督)という土井が頭で試合を動かした。

 流経大柏はさらに後半8分にも右中間でボールを持った土井が上手くDFのマークを外して利き足とは逆の左足でコントロールショットを決める。鹿島は直後の10分に橋本の左FKをCB森聖也(2年)が頭で合わせて1点差。傾きかけた試合の流れを引き戻した鹿島は攻勢に出て、14分にはサイドチェンジから個人技で右サイドを破ったFW清永丈瑠(3年)のクロスに決定的な形でFW小野瀬恵亮(3年)が飛び込む。だがこれがクロスバー上方へ越えると、その後もセットプレーからチャンスを迎えるが決めきることができない。

 球際の厳しさで相手の攻撃をスピードアップさせなかった流経大柏は後半41分、交代出場のMF佐野圭(3年)がスピードを活かして右サイドをえぐる。このこぼれ球を拾った土井が2点目と同じように左足シュートをゴール左隅へ流し込み、勝敗の行方を決定付けた。

 昨年の前半戦は2勝2分5敗と苦戦した流経大柏だが、今季は3試合目で早くも2勝目。それもJユース勢から2勝を挙げて好スタートを切っている。児玉と橋本のCBコンビの強さが際立つが、日高貴裕(3年)と原の両SBもほぼ安定。攻撃陣に際立つ個はいないが、土井が公式戦初ゴールを含む3発を決めてエース候補に名乗りを挙げるなど勢いに乗っている。橋本は「(開幕戦で2-2だった優勝候補の)ヴェルディ相手にもあそこまでできた。プレミアの1位を狙いにいける」と日本一を視野に入れる。また守護神の坂田は「去年は前半があまり良くなかったけれど、今年はいいスタートがきれている。内容はあまりついて来ていないですけれど勝てている。負けないことを最低限に勝ちをとっていきたい」。昨年の全国リーグは東西ともに上位4チームまでをJクラブユース勢が独占。高校チーム勢は苦戦を強いられたが、今季は高校チーム勢の代表格、流経大柏が優勝争いに食い込む。

(取材・文 吉田太郎)
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